公爵令嬢の選択

つきほ。

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第3章 陰謀と裏切り

第40話 追跡の影

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影の組織の拠点である地下室から脱出したマリアンヌたちは、すぐに王宮へ戻るため馬車を走らせていた。
だが、背後には黒装束の追跡者たちの気配があった。

「やはり、簡単には逃がしてくれないわね。」
マリアンヌは剣を握りしめながら、窓越しに追跡者たちを見やった。

「このままでは王宮まで追われる可能性があります。」書記官が冷静に分析する。
「どこかで彼らを撒く必要がある。」

リナが不安げに言う。
「でも、どうやって……?」

マリアンヌは考えを巡らせたあと、力強く答えた。
「私たちが二手に分かれればいい。私は彼らを引きつけるわ。あなたたちはこの書類を持って、王宮へ戻って。」

「マリアンヌさん、一人で行くなんて危険すぎます!」リナが叫んだ。

書記官も眉をひそめる。「いくらあなたでも、敵が多すぎる。」

「大丈夫よ。」マリアンヌは微笑んだ。「私は剣士だもの。むしろ、あなたたちのほうが狙われる可能性が高いわ。」

短い沈黙の後、書記官が頷いた。「……分かりました。必ず王宮に証拠を届けます。」




馬車が森の分岐点に差し掛かった瞬間、マリアンヌは素早く飛び降り、別の方向へ走り出した。
追跡者たちはそれを見逃さなかった。

「奴だ!追え!」

数人が馬を駆けさせ、彼女を追いかける。

「ふふ……まんまと引っかかったわね。」

マリアンヌは林の中へと入り込み、木々の間をすり抜けながら進んだ。だが、すぐに気づいた。

(敵の動きが早い……ただの兵士ではないわね。)

振り返ると、すでに数人の影が間近に迫っていた。

「仕方ないわね……。」

彼女は立ち止まり、剣を抜いた。




追跡者たちはマリアンヌを取り囲んだ。

「さあ、大人しく降伏しろ。」

「そんなつもりはないわ。」

一瞬の沈黙の後、マリアンヌは素早く動いた。

剣が光を反射し、一人の敵の剣を弾き飛ばす。その隙に身を翻し、別の敵の足を狙った。

「くっ……こいつ、ただの貴族じゃない!」

敵たちは動揺したが、すぐに体勢を立て直し、さらに攻撃を仕掛けてくる。

「さすがに数が多いわね……。」

マリアンヌは息を整えながら周囲を見渡す。敵を一人ずつ倒していては時間がかかる。

(この場を抜ける方法を探さないと。)

そのとき、遠くから馬のひづめの音が聞こえた。




「そのまま伏せろ!」

聞き慣れた声にマリアンヌは即座に反応し、地面に伏せた。

次の瞬間、矢が放たれ、敵の一人が剣を落とす。

「何!?」

驚く追跡者たちの間を縫うように、馬に乗ったロイとカインが駆け込んできた。

「お前、また無茶をしたな。」

ロイが馬を降りながら言い、カインは剣を抜いたまま笑う。

「危ないところだったな、公爵令嬢。」

「来るのが遅いわよ。」

マリアンヌは立ち上がりながら、剣を再び構えた。

「ここから一気に片付けるわよ!」




ロイとカインの助力を得たことで、形勢は逆転した。

「ちっ……ここまでか!」

敵の一人が叫び、残った追跡者たちは素早く退却していった。

「逃げるのね……。」

マリアンヌは剣を収めながら深く息をついた。

ロイが近づき、「さて、詳しく話を聞かせてもらおうか。」と問いかける。

マリアンヌは頷き、「影の組織の拠点を突き止めたわ。証拠も手に入れた。でも、それ以上に重要なことがある。」と答えた。

「王宮内の裏切り者の正体が、もうすぐ明らかになるわ。」




夜の森の静寂の中、マリアンヌは決意を固めた。

「この戦いの終わりが、もうすぐ見えてくる……。」

彼女の言葉は、冷たい夜風の中に消えていった。



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