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第3章 陰謀と裏切り
第43話 決着の時
しおりを挟む夜の王宮に、剣の響きだけが残る。
カイルは膝をつき、息を整えていた。
「まさか、ここまで追い詰められるとはな……。」
マリアンヌは剣を構えたまま、冷静に彼を見下ろした。
「あなたは、もう終わりよ。」
カイルは薄く笑った。
「終わり……?いいや、まだだ。」
その瞬間、彼は懐から何かを取り出した。
マリアンヌは直感的に危険を察知し、すぐに剣を振るった。
カイルの手から、何かが宙へと舞う――それは、小型の煙幕だった。
「逃がさないわ!」
マリアンヌはすぐさま踏み込んだが、白い煙が一気に視界を覆う。
「くっ……!」
煙の中で剣を振るうが、確かな手応えはない。
次の瞬間、煙が晴れた時には――カイルの姿はすでになかった。
「マリアンヌ!」
遠くからロイの声が響く。
騎士団が影の組織の兵を次々と制圧していた。
「敵の指揮官がいなくなったせいか、奴らの動きが鈍っている。」
カインが敵を倒しながら言う。
マリアンヌは剣を握りしめたまま、周囲を見渡した。
カイルは逃げた。だが、影の組織の戦力は明らかに崩れ始めている。
「今が勝機よ。」
彼女はすぐに指示を出した。
「このまま影の組織の残党を制圧するわ!」
騎士団が一斉に動き、敵の最後の抵抗を抑え込んでいく。
一方、王宮内部では宰相ヴァルターが焦りの色を浮かべていた。
「なぜこんなに早く戦況が変わる……!?カイルの計画は完璧だったはず……!」
彼は執務室で帳簿を手にしながら、何かを考えているようだった。
そこへ、騎士団の一人が駆け込んできた。
「宰相閣下!王太子殿下が直々に御前に!」
ヴァルターの顔色が一気に青ざめる。
「……しまった。」
王宮の中にも、影の組織の崩壊が迫っていた。
マリアンヌたちが戦場の最後の掃討を終えた頃、影の組織の兵士たちはついに全員が拘束された。
「終わった……のか?」
リナが息を整えながら尋ねる。
マリアンヌは剣を収めながら、静かに答えた。
「まだよ。」
ロイが近づき、険しい表情で言う。
「影の組織の中枢、そして王宮の裏切り者……そいつらを裁くまで、本当の決着とは言えない。」
マリアンヌは頷いた。
「宰相ヴァルターを止めなければならない。」
夜明け前の王宮に、緊張が走る。
影の組織の崩壊と共に、王国の未来を決める最後の戦いが始まろうとしていた――。
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