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おまけ 海に捧げる 〜沈黙の馬車〜 two
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アンバーは大事にエルノーラを納めた壺を持ち、昨晩を回想し溜め息を吐いた。
父のめそめそ回避の為に早目に海へ行く計画を立てたというのに、父へそれを報告したら、残念なことに『エルノーラを連れてかないでくれ~』と壺を抱えためそめそがその日から始まってしまったのだ。
アンバーの推理が大当たりした瞬間だった。
昨晩は特に酷く、『駄目だ!連れてかないでくれ~』と壺を離さず、涙ながらに『アンバーはそんな非道な人間だったのか』だの『見損なった』とか『親子の縁を切る』など、とめそめそとアンバーは非難され、こんな不毛なやり取りを、一晩中しなくてはいけないなんて嫌気がさすわと思ったアンバーは、ミミルと相談の上で父に睡眠薬を盛った。おかげで父は今でもすやすやだ。
四頭立ての豪華な公爵家の馬車がドゥーリー伯爵邸に到着し、馬車の扉が開いた瞬間にアンバーは目を疑った。そこには思いもしない人物の姿があったからだ。
――えっどうして(元)王太子が一緒なの。
にこにこデイブに不機嫌ソコロ、表情が読めない(元)王太子、怪訝な顔のアンバー。
四人が四人とも違う表情という珍しい状態で、エルノーラを海に還す旅行は幕を開けた。
ちなみにミミルは、あらあらなんだか大変な状況ねと、人ごとのようにメンバーを見て、何ごとも起きなければいいなと考えていたし、シャロームは我関せずだった。
六人を乗せた馬車は、車輪の音だけを車内に響かせて海へと向かう。
アンバーの予定では車内はうふふ、あはは、なはずであった。……だが実際はお通夜のようで、車輪の音だけが響いている。
戦犯は誰なんて考える必要もない。絶対にデイブだ。一ミリも迷う必要もなく断言できる。『宿を手配しよう』と言いだした時点で絶対に(元)王太子の参加を目論んでいたに違いない。
現に今車内でにこにこしているのはデイブだけ。
ソコロはぶすっとして車窓から外ばかりを眺めているし、(元)王太子は穏やかに外を眺めたり目をつむったりしながら、一言も発せずにその場にいる。
それにしてもアンバーは(元)王太子をこんなに間近で見たのは初めてで、遠目からでも整った顔立ちだなとか、金髪碧眼に本当に王子様だよね、なんて思っていたけど、近くで見るとあまりの美男子ぶりに、息が止まりそうだ。絵本の中の王子様そのもの。こんな美男子で、しかも本物の王子様と婚約していたソコロは、次の相手探しが大変になるかもねなどと、アンバー、要らぬ心配をする。
ジョイと一緒にいた頃の(元)王太子はどこか刺々しい雰囲気があったが、今はジョイと会う前のように穏やかだ。
魅了の力でその人の人格まで変えてしまうのか、それとも元々はそういう性格で、隠していた性格が、表面に表れていたのかは定かでないけど、アンバーは今の(元)王太子のが好感がもてる。
じーっと見るのは失礼だから、右斜め前に座る(元)王太子をちらちらと見ていたアンバーだったが(元)王太子にはバレていたようで、ばちっとアンバーは目が合ってしまう。
あっまずい……とアンバーはすぐに俯いたが、(元)王太子のふっと笑った声が聞こえた。
「突然の参加で驚かせてすまない。デイブから海を見に行くと聞いて、参加させてもらったんだ」
どうしよう、声まで素敵。っともうアンバーは(元)王太子のファンのようになっていた。しかしそこはアンバー、海を見に行くのが目的ではないですけど、と冷静に突っ込みを(心の中で)入れるのも、忘れていない。
「いえ、その……ちょっと驚いただけでして」
アンバー、おろおろする。どうしよう、どう答えればいいやら。
「ええ、迷惑でしてよ。今日になったら、何の関係もない方がいらっしゃるのですから。海に遊びに行くのではなくてよ!これは巡礼の旅なのですから」
ソコロの刺々しい言葉に、車内は一気に殺伐とした雰囲気になる。
あれ、あはは、うふふは何処へいったの?アンバー、探すが見当たらない。デイブに殺意が湧き、デイブを見ると未だにこにこしている。――にこにこはしているが先程にはなかった黒いものが……あれ、アンバー、ちょっと不安になる。
デイブはイライラしていた。何故なら先程からアンバーが(元)王太子ばかりをチラ見しているからだ。どんなときでも、アンバーの観察を怠らないデイブはすぐに気付き、どす黒いものが背後から立ち込めているのだった。笑顔も胡散くさくなりつつある。
「巡礼の旅か――だったら私には丁度いいな」
静かな声で(元)王太子はそう言って、流れる外の風景に視線を移すと、それっきりこちらを向くことはなかった。
車内はまたしじまに戻り、只ただ車輪の音が響く。
ソコロも先程の発言以降は、窓の外をただ見つめているだけで、話をする気はなさそうだ。
デイブはひたすら、ドス黒いものを垂れ流している。
そうこうしていると、馬車は休憩を予定していた場所へ着く。
表現不可な車内の雰囲気は、アンバーの精神をがっつりと削ったらしく、馬車を降りた瞬間にどっと疲れが噴き出た。
目前には、旅行の計画を立てたデイブの心遣いであろう、咲き誇る一面のコスモス畑があるが、それに何の反応もできないほど、アンバーは疲れ切っていた。
そしてこの拷問が、あと半分も続くのかと思うと、更に疲れが増す気がした。
シャロームとミミルは、昼食の準備に取り掛かっている。大きな木の下にシートを広げた。
馬車を降りた瞬間にソコロはデイブを捕まえると、貼り付けた笑顔で有無を言わさず何処かへ連行していった。
だから今シートの上に居るのは、(元)王太子とアンバーだけという拷問が、現在進行形で続いていた。
対応に困ったアンバーは、ミミルに渡されたカップを両手で握り、俯くしかなかった。
すると、車内と同じにふっと笑う声が聞こえた。
声に誘われるように(元)王太子の方をアンバーが向くと、また目が合った。
「君がデイブの婚約者なのかな」
「――アンバー・ドゥーリーです。はい。デイブ様と婚約しました。つい最近ですが」
「あの女性に無関心だったデイブが、突然婚約したのには驚いたよ」
くっくっと(元)王太子は楽しそうに笑う。
「あの殿下?」
「ああ、殿下はやめてくれ、私のことはスチュアートいや――そうだな、ストゥーと。ソコロもプライベートではそう呼んでいた。私もアンバー嬢と呼ばせてもらうよ」
「はい。では私もストゥー様と」
『ソコロもそう呼んでいた』にアンバーは過去形なんだなと寂さを感じる。そして、スチュアートとソコロをお似合いだと、喜んだ日はもう昔なんだなと実感し、喪失感が襲う。だけど、これは現実と受け止めるしかないのだ。
「アンバー嬢に気ばかり遣わせて、悪いことをした」
「いえ……そんな」
「デイブが楽しそうに婚約者とソコロと海へ行くと言っていてね、ソコロが行くなら連れて行ってくれと、頼んだのは私なんだ」
「えっストゥー様が?」
てっきりデイブの企みかと。
「一言謝りたいんだソコロに。私は酷いことをした。傷つけもした……肉体的にも精神的にも。アンバー嬢も見ていたんだろ?」
俯くスチュアートに、アンバーはどう返答すればいいのか困った。まさか見てましたとは言えない。
「だがあの調子ではソコロに謝るのは難しそうだ」
口元を緩めてスチュアートは笑う。確かに、ソコロは聴く耳をもつ気はなさそうだ。
「昔から拗ねると意固地になるんだソコロは」
昔を懐かしむような顔をするスチュアートに、アンバーはスチュアートが泣きそうに見えて切なくなった。
スチュアートがソコロを語る口調にも瞳にも口元にも愛が溢れている。もちろん、幼馴染の情ともとれる。でもアンバーには幼馴染の情よりも愛に見えた。
どうしてジョイだったのだろうか。仮に浮気をしても相手がジョイ(魅了もち)じゃなかったら、結果は違ってたのかもしれない。
小さく溜め息を吐けばデイブとソコロが戻ってきた。
目前には既に用意された昼食が並んでいる。
四人で昼食を囲むが話が弾むわけもなく。一人飄々としているのはスチュアート。これはもう参加すると決めた時点で、おおよその展開が、読めていたとしかいいようがない。
そっとソコロを見れば、先程よりは幾分か機嫌はいいように見える。反対に不機嫌なのはデイブだ。朝のにこにこしてたのが、嘘みたいに不機嫌。
これは婚約者としてデイブに何かすべきではと、考えてはみたものの、恋愛経験値のないアンバーには考えも及ばず、あっさり諦めた。アンバー、諦めは肝心と頷く。
昼食休憩が終わり、コスモス畑を満足に見ないうちに馬車に乗り込む。
あはは、うふふな旅のはずだったのに、どうしてこうなったのだろうか。だがやまばは宿屋。アンバーの感がそういっている。
アンバーは気を引き締めるのだった。
父のめそめそ回避の為に早目に海へ行く計画を立てたというのに、父へそれを報告したら、残念なことに『エルノーラを連れてかないでくれ~』と壺を抱えためそめそがその日から始まってしまったのだ。
アンバーの推理が大当たりした瞬間だった。
昨晩は特に酷く、『駄目だ!連れてかないでくれ~』と壺を離さず、涙ながらに『アンバーはそんな非道な人間だったのか』だの『見損なった』とか『親子の縁を切る』など、とめそめそとアンバーは非難され、こんな不毛なやり取りを、一晩中しなくてはいけないなんて嫌気がさすわと思ったアンバーは、ミミルと相談の上で父に睡眠薬を盛った。おかげで父は今でもすやすやだ。
四頭立ての豪華な公爵家の馬車がドゥーリー伯爵邸に到着し、馬車の扉が開いた瞬間にアンバーは目を疑った。そこには思いもしない人物の姿があったからだ。
――えっどうして(元)王太子が一緒なの。
にこにこデイブに不機嫌ソコロ、表情が読めない(元)王太子、怪訝な顔のアンバー。
四人が四人とも違う表情という珍しい状態で、エルノーラを海に還す旅行は幕を開けた。
ちなみにミミルは、あらあらなんだか大変な状況ねと、人ごとのようにメンバーを見て、何ごとも起きなければいいなと考えていたし、シャロームは我関せずだった。
六人を乗せた馬車は、車輪の音だけを車内に響かせて海へと向かう。
アンバーの予定では車内はうふふ、あはは、なはずであった。……だが実際はお通夜のようで、車輪の音だけが響いている。
戦犯は誰なんて考える必要もない。絶対にデイブだ。一ミリも迷う必要もなく断言できる。『宿を手配しよう』と言いだした時点で絶対に(元)王太子の参加を目論んでいたに違いない。
現に今車内でにこにこしているのはデイブだけ。
ソコロはぶすっとして車窓から外ばかりを眺めているし、(元)王太子は穏やかに外を眺めたり目をつむったりしながら、一言も発せずにその場にいる。
それにしてもアンバーは(元)王太子をこんなに間近で見たのは初めてで、遠目からでも整った顔立ちだなとか、金髪碧眼に本当に王子様だよね、なんて思っていたけど、近くで見るとあまりの美男子ぶりに、息が止まりそうだ。絵本の中の王子様そのもの。こんな美男子で、しかも本物の王子様と婚約していたソコロは、次の相手探しが大変になるかもねなどと、アンバー、要らぬ心配をする。
ジョイと一緒にいた頃の(元)王太子はどこか刺々しい雰囲気があったが、今はジョイと会う前のように穏やかだ。
魅了の力でその人の人格まで変えてしまうのか、それとも元々はそういう性格で、隠していた性格が、表面に表れていたのかは定かでないけど、アンバーは今の(元)王太子のが好感がもてる。
じーっと見るのは失礼だから、右斜め前に座る(元)王太子をちらちらと見ていたアンバーだったが(元)王太子にはバレていたようで、ばちっとアンバーは目が合ってしまう。
あっまずい……とアンバーはすぐに俯いたが、(元)王太子のふっと笑った声が聞こえた。
「突然の参加で驚かせてすまない。デイブから海を見に行くと聞いて、参加させてもらったんだ」
どうしよう、声まで素敵。っともうアンバーは(元)王太子のファンのようになっていた。しかしそこはアンバー、海を見に行くのが目的ではないですけど、と冷静に突っ込みを(心の中で)入れるのも、忘れていない。
「いえ、その……ちょっと驚いただけでして」
アンバー、おろおろする。どうしよう、どう答えればいいやら。
「ええ、迷惑でしてよ。今日になったら、何の関係もない方がいらっしゃるのですから。海に遊びに行くのではなくてよ!これは巡礼の旅なのですから」
ソコロの刺々しい言葉に、車内は一気に殺伐とした雰囲気になる。
あれ、あはは、うふふは何処へいったの?アンバー、探すが見当たらない。デイブに殺意が湧き、デイブを見ると未だにこにこしている。――にこにこはしているが先程にはなかった黒いものが……あれ、アンバー、ちょっと不安になる。
デイブはイライラしていた。何故なら先程からアンバーが(元)王太子ばかりをチラ見しているからだ。どんなときでも、アンバーの観察を怠らないデイブはすぐに気付き、どす黒いものが背後から立ち込めているのだった。笑顔も胡散くさくなりつつある。
「巡礼の旅か――だったら私には丁度いいな」
静かな声で(元)王太子はそう言って、流れる外の風景に視線を移すと、それっきりこちらを向くことはなかった。
車内はまたしじまに戻り、只ただ車輪の音が響く。
ソコロも先程の発言以降は、窓の外をただ見つめているだけで、話をする気はなさそうだ。
デイブはひたすら、ドス黒いものを垂れ流している。
そうこうしていると、馬車は休憩を予定していた場所へ着く。
表現不可な車内の雰囲気は、アンバーの精神をがっつりと削ったらしく、馬車を降りた瞬間にどっと疲れが噴き出た。
目前には、旅行の計画を立てたデイブの心遣いであろう、咲き誇る一面のコスモス畑があるが、それに何の反応もできないほど、アンバーは疲れ切っていた。
そしてこの拷問が、あと半分も続くのかと思うと、更に疲れが増す気がした。
シャロームとミミルは、昼食の準備に取り掛かっている。大きな木の下にシートを広げた。
馬車を降りた瞬間にソコロはデイブを捕まえると、貼り付けた笑顔で有無を言わさず何処かへ連行していった。
だから今シートの上に居るのは、(元)王太子とアンバーだけという拷問が、現在進行形で続いていた。
対応に困ったアンバーは、ミミルに渡されたカップを両手で握り、俯くしかなかった。
すると、車内と同じにふっと笑う声が聞こえた。
声に誘われるように(元)王太子の方をアンバーが向くと、また目が合った。
「君がデイブの婚約者なのかな」
「――アンバー・ドゥーリーです。はい。デイブ様と婚約しました。つい最近ですが」
「あの女性に無関心だったデイブが、突然婚約したのには驚いたよ」
くっくっと(元)王太子は楽しそうに笑う。
「あの殿下?」
「ああ、殿下はやめてくれ、私のことはスチュアートいや――そうだな、ストゥーと。ソコロもプライベートではそう呼んでいた。私もアンバー嬢と呼ばせてもらうよ」
「はい。では私もストゥー様と」
『ソコロもそう呼んでいた』にアンバーは過去形なんだなと寂さを感じる。そして、スチュアートとソコロをお似合いだと、喜んだ日はもう昔なんだなと実感し、喪失感が襲う。だけど、これは現実と受け止めるしかないのだ。
「アンバー嬢に気ばかり遣わせて、悪いことをした」
「いえ……そんな」
「デイブが楽しそうに婚約者とソコロと海へ行くと言っていてね、ソコロが行くなら連れて行ってくれと、頼んだのは私なんだ」
「えっストゥー様が?」
てっきりデイブの企みかと。
「一言謝りたいんだソコロに。私は酷いことをした。傷つけもした……肉体的にも精神的にも。アンバー嬢も見ていたんだろ?」
俯くスチュアートに、アンバーはどう返答すればいいのか困った。まさか見てましたとは言えない。
「だがあの調子ではソコロに謝るのは難しそうだ」
口元を緩めてスチュアートは笑う。確かに、ソコロは聴く耳をもつ気はなさそうだ。
「昔から拗ねると意固地になるんだソコロは」
昔を懐かしむような顔をするスチュアートに、アンバーはスチュアートが泣きそうに見えて切なくなった。
スチュアートがソコロを語る口調にも瞳にも口元にも愛が溢れている。もちろん、幼馴染の情ともとれる。でもアンバーには幼馴染の情よりも愛に見えた。
どうしてジョイだったのだろうか。仮に浮気をしても相手がジョイ(魅了もち)じゃなかったら、結果は違ってたのかもしれない。
小さく溜め息を吐けばデイブとソコロが戻ってきた。
目前には既に用意された昼食が並んでいる。
四人で昼食を囲むが話が弾むわけもなく。一人飄々としているのはスチュアート。これはもう参加すると決めた時点で、おおよその展開が、読めていたとしかいいようがない。
そっとソコロを見れば、先程よりは幾分か機嫌はいいように見える。反対に不機嫌なのはデイブだ。朝のにこにこしてたのが、嘘みたいに不機嫌。
これは婚約者としてデイブに何かすべきではと、考えてはみたものの、恋愛経験値のないアンバーには考えも及ばず、あっさり諦めた。アンバー、諦めは肝心と頷く。
昼食休憩が終わり、コスモス畑を満足に見ないうちに馬車に乗り込む。
あはは、うふふな旅のはずだったのに、どうしてこうなったのだろうか。だがやまばは宿屋。アンバーの感がそういっている。
アンバーは気を引き締めるのだった。
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