【R18】性奴隷の憂鬱な夢

なみ

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桜の下で

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「まぁ可愛い!まるで人形みたいね!」
「ロシア人形みたい!」

人は僕を見るとそう言う。

綺麗とか、可愛いとか、自分にはよくわからないけれど。

僕が何かすると「イメージと違う」とよく言われた。

「お人形さんみたい」
「動かなければ良いのに」
「喋らなければ良いのに」

言われるたびに冗談まじりでも嫌な気持ちになったのを憶えている。

当たり前だ。
だって僕は人形なんかじゃない。

12歳になっても成長が周りより遅いのか同級生より身体が小さく、年下に間違われるのがコンプレックスだった。



桜が咲き乱れ、木漏れ日と少し冷たい風が心地良い春の日。

近所の友達の家で遊んだ帰り道。

僕は春の陽気が気持ちよくて。

何だか僕はソワソワしていて、家の裏道にも桜の木があったのを思い出してほんの少しだけまわり道をして帰ることにした。シングルマザーのお母さんはまだ仕事で帰ってきていない時間だし。

いつもの道から脇の小道に入った時。

「××くん」

誰かが僕の名前を呼んで、僕は立ち止まった。振り向くと20代前半くらいの背が高くてガッチリした体型の知らないお兄さんが立っていた。

「××くん。どこに行くの。」

「家に帰るところだよ。お兄さん誰?」

「少しだけ、俺と遊ばない?」

質問に答えてないし…。
なんで僕の名前を知っているんだろう?
どこかで会ったことあったかな……?

お兄さんはニコニコ笑っているけど目の奥が笑ってない感じがして、なんとなく怖かった。

「やだ。もう帰らなきゃ」

僕はキッパリ断っていつもの道に戻ろうと振り向いた瞬間、口を塞がれて後ろから僕の身体を抱き上げられた。

驚きと恐怖で体が震える。全身から汗が噴き出してきて、前髪が額に張り付く。必死になって手足をバタバタさせるけど、お兄さんはびくともしなかった。

そのまま近くのアパートの部屋に連れて行かれた。

部屋の中に入ると、お兄さんは僕の頬を平手で強く殴った。何度も叩かれて、強い衝撃で脳が揺れて目がチカチカした。

動けなくなった僕を再び抱えて靴を脱がしてベッドに乗せた。口を手の代わりにガムテープで塞がれ両手を梱包用のビニール紐で頭の上に縛りあげられ、パイプベッドの上の方に括られた。

怖くて怖くて仕方がなかった。

きっと僕は殺される。

恐怖で震えがずっと止まらない。
冷や汗が首筋にスッと流れ落ちてゾッとした。

「ハァッ、ハァッ!!××くん!!
やっと!やっと俺のものになった!!」

お兄さんが息を荒げながら乱暴に僕のTシャツを捲り上げ、乳首にしゃぶりついた。驚きと激しい嫌悪感で身体が硬直しそうになる。

「いや!いやっっ!!!!気持ち悪い!やめろよっっ!!!」

声にならない声で叫んで
僕は力を振り絞って必死に暴れた。
その時、縛り方が甘かったのか両手を括っていたビニール紐が弛んで解けた。

身体を反らせて反動をつけ、お兄さんの顔を思い切り蹴飛ばした。


「ッッッ痛ってェ!!」

ガツッと鈍い音がして、お兄さんが顔を押さえて後ろに仰け反った瞬間に僕は急いで起き上がり、口のガムテープを剥がしてさっき通った玄関を飛び出した。
僕を捕まえるのに必死で玄関の鍵を閉め忘れていたのに僕は気付いていた。

殴られた衝撃で頭がクラクラする中で、靴下のまま無我夢中で必死で走った。


いつもの道!見えた!!

あと少し、大通りに出れば誰か居るはず!!いや、居て欲しい!!

助けて!!

叫びたいのに心臓が爆発しそうなくらい息が苦しくて声が出ない。


はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ

息が苦しい。

大通りから入ってすぐなのに、その距離がとても果てしなく遠く感じた。


もう少し!!

脇道から大通りにわずかに飛び出してホッとした瞬間。



ドスンッッッ!!!!

背中に強い衝撃が走った。

火を押しつけられたみたいに背中が熱くなって、足がもつれて僕は思い切り前のめりに倒れ込んだ。

身体が地面に打ちつけられる。


熱い!熱い!痛いっ!!


ドクン、ドクン、ドクン、ドクン…

音が鳴り響く。

まるで身体の全部が心臓になったみたいに、激しく脈を打つのを感じる。

倒れ込んだ僕の身体の肩を掴み、仰向けにされた時、その手がお兄さんだと気付いた。

鼻血を垂らしてニンマリ笑っていた。


荒くなった息を整えながら。


お兄さんは仰向けに横たわる僕に馬乗りになった。


瞬間、僕は悟った。


ああ、僕、間に合わなかったんだ。


深い絶望感に襲われて、僕は全身の力が抜けた。



「××くん、顔を蹴るなんてひどいよ」


そう言って、僕のお腹に容赦なく真っ赤な包丁を突き立てた。




「××くん」




熱い。



「××くん」




痛い。




「××くん」



寒いよ。




お兄さんは何度も何度も僕を刺した。


「××くん…、××………、××…」



僕の名前を何度も何度も繰り返して。


徐々に手足の先から感覚が消えていく。


疲れたな。

ごめんね………、ごめん……。


青い空に少しだけ夕暮れの橙が滲んでいる。

ざぁーーっと風に揺れる木の葉の音が聞こえて僕の名前が、心臓の音が、かき消されていく。



スローモーションみたいにゆっくりと
僕の血飛沫と共に沢山の桜の花びらが僕に舞い降りてくる。




ああ、綺麗だな……。


なんて綺麗な光景なんだろう。



景色がゆっくり霞んでいった。













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