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第2章 盗難事件解決編
第16話 犯人特定
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リズが慌てて寮の自室に駆け戻ると、調査を終えたらしいシリルが既に待機していた。
「ねぇ、シリル!」
「そんなに慌てて、どうされたんですか? まずはお座りになって、息をお整えください」
息を切らすリズに、シリルはソファに座るよう促した。リズはソファに腰かけて深呼吸する。
「それで、一体どうなされたんです?」
「それが――私、思い出したの。盗難事件の、犯人かもしれない人物を」
シリルは、目を見開き食い気味に尋ねた。
「誰なんです、それは?」
「二週間くらい前に、私が忘れ物を取りに行った時のこと、覚えてる? その時、ある少年と曲り角でぶつかってしまったの。見た感じからして、多分一年生だと思うわ。彼、手に何かの入った袋を持ってたの。それに、なんだか焦っている様子だったし……」
「それは、かなり怪しいですね。その彼がどんな容姿だったか、覚えていますか?」
「えぇ、もちろん。彼は、今まで見たことがないくらい、そう――美しかったの。貴方みたいに、綺麗な顔よ。プラチナブロンドに、薄紅色の大きな瞳をしてたわ。肌は雪のように白くて、背は私と変わらないくらい」
リズは、あの日見た少年の美貌に思いを馳せた。あれほど美しい少年は、国中探しても指折りだろう。
シリルは少年の容姿を聞くと、手帳を取り出し、なにやら考えながらページを捲り始めた。
「それなら、確か――あった。彼です」
あるページで手を止めると、シリルはそこに書いてある情報を読み上げた。
「ロア・エリオット、十五歳。性別は男、一年C組、六番。エリオット伯爵家の長男です」
「ロア……確かに彼なの?」
リズは、神妙な顔で彼の名を反芻した。
「えぇ、恐らくは。資料室で見た写真の記憶によると、そうです」
シリルは頷いて話を続ける。
「ルイス先生に伺った話によると、彼は成績も品行も平均的で、あまり友人の多くない内向的な生徒だということです。ただ、最近は何か落ち着かない様子でいることが多くなったとか」
「そう。それはますます怪しくなってきたわね……って、どうしてルイス先生が? いつ彼に話したの?」
リズは、怪訝な顔をしてシリルを見つめた。シリルは、「あっ」と小さく呟いて、ばつが悪そうに目を逸らした。その仕草にいつもの余裕はなく、まるで悪戯のばれた少年のようだ。
「それは、ですね……」
嘆息し、シリルは一部始終をリズに語った。話を聞き終わると、リズは呆れて半眼になった。
「見つかったって、貴方ね……面倒事は起こさないって約束だったでしょう?」
「すみません、俺もまさか見つかるとは思っておらず……。しかし、ルイス先生は他言しないと仰ってくださったことですし、今回は特に問題はないかと…………」
「大ありよ、全く。――そういえば、私、貴方が鍵開けまでできるなんて話、聞いてないけど。隠してたの?」
リズは溜息をつくと、先程から気にかかっていたことを口にした。シリルは瞠目して弁解する。
「そういうわけではありませんよ。ただ、言い出す機会がなかっただけで――」
「へぇ、そう。七年も一緒にいたのに?」
リズが責めるような口調で言うと、シリルは口を噤んだ。
「表彰式のこともそうだけど、なんだか貴方、最近隠し事が多いわよね」
「そんなことは――」
リズはつんと顔を背けた。シリルは釈明しようと言葉を発しかけたが、主人の横顔を見て口を閉ざした。
そのまま、二人の間に居心地の悪い沈黙が続く。ややあって、リズがぼそりと呟いた。
「…………鍵開けの方法くらい、教えてくれたってよかったのに」
少し拗ねたような声音を聞き取り、シリルは僅かに目を見開いた。そして、その美しい顔をふっと緩めると、彼は片膝をつき最上級の敬礼の姿勢をとった。
「――誓って、隠していたなんてことはありません。俺がこんなに自分のことを話す相手なんて、リズ様だけですよ」
リズは、ちらりとシリルを見遣る。彼女を見上げる蒼い眼に真実を見て取ったリズは、何となく目を逸らすと、軽く唇を尖らせた。
「……じゃあ、今度私にも教えて頂戴」
「もちろんでございます。いつでもお教えいたしますよ」
シリルはそう言うと、リズを見つめて柔らかく微笑んだ。
「――それで、彼なんですか?」
「えぇ、間違いないわ」
今、リズたちは授業の終わった教室を覗き込んでいた。アンナの視線の先にいるのは、輝くプラチナブロンドの少年だ。今はちょうど授業の片付けをしているところらしく、こちらに背を向けている。リズは大きく頷くと、思い切って教室に入っていった。アンナが慌てて後に続く。その後ろから、シリル、キース、ジョンも続いた。
「ねぇ貴方、少しいいかしら」
リズは、少年に歩み寄り肩越しに声をかけた。振り返った彼は、リズの姿を認めると大きな瞳を見開いた。
「――なっ、なんで君が……!?」
ロアは後退ると、教科書類を守るように抱きかかえた。その薄紅色の目には明らかな警戒の色が滲んでいる。
「わぁ~、綺麗な顔……まさに美少年ですねぇ」
リズの後ろの方で、アンナがそう囁く声が聞こえた。ロアはそれを鋭く聞き取ったらしく、感嘆に目を丸くするアンナを睨みつけた。
「何? 君たち、揃いも揃って僕を冷やかしに来たわけ?」
「あっ、いえ、違うんです! 思わず声に出てしまって……」
類稀なる美貌の持ち主に睨めつけられ、アンナはびくりと肩を震わせる。美人は怒ると怖いと言うが、彼の剣幕もなかなかのものである。
「用がないなら帰ってくれない?」
相当勝気な少年である。王国二大公爵家の令嬢であるリズを前にしても、全く怯む様子を見せない。
アンナはもはや半分泣きそうになっている。天使のような美少年に睨まれ、ダメージが大きかったようだ。リズがすかさずフォローに入った。
「いいえ、違うわ。私たちは、貴方に少し聞きたいことがあって来たの」
「……何?」
ロアは、未だ不機嫌な顔つきのままでリズを見た。リズは、一度深く息を吸ってから口を開いた。
「ここ最近話題になっている、紛失騒ぎのことよ」
その途端、ロアの顔色が変わった。
「――――な、何の話? とにかく、僕はもう行くからっ」
そう言ってくるりと踵を返すと、引き留める隙も与えずロアは真っ直ぐに教室を出て行ってしまった。リズたちは唖然としてそこに立っていたが、ロアの姿が見えなくなると、目配せをして頷いた。
「彼で間違いなさそうね……」
「ですね」
先程リズは、『紛失騒ぎ』としか言っていない。それにも関わらず間髪入れずに逃げたということは、何か後ろめたいことがある証拠だ。
「でも、どうやって聞き出すんです? あの様子だと、すぐに逃げられちゃいますよ」
アンナが、ロアの去っていった方を指し示して肩を竦めた。
「何か策を考えなければなりませんね。――とりあえず、場所を移しましょう」
シリルの提案により例のサロンに場所を移した一同は、神妙な面持ちでどうにかロアに自白させる方法を考えていた。
「う~ん…………やっぱり、あたしは強硬手段しか思いつきませんね……」
「強硬手段って?」
「自白剤を飲ませるんですよ」
リズが尋ねると、アンナはさらりとそう言ってのけた。案の定、アンナを除く四人は若干引いている。シリルが、微妙な顔で咳払いをした。
「自白剤……ですか。何というか、物騒ですね」
「まぁ、そうなりますよね~。でも、ちゃんと合法な材料のみを使って作りますから、ご安心ください!」
「アンナ、自白剤なんて作れるのか?」
「はい。ちょっと複雑な調合にはなりますが、作れないことはありませんよ~」
そう満面の笑みで答えるアンナの目は、らんらんと輝いている。
それにしても、自白剤とは……彼女が作りたいだけのような気もするが。
「まぁ、どちらにしてもそれは最後の手段ね。まずは、他に方法がないか探しましょう」
リズは、ロアの身を案じてそう言った。
「それにしても、ますます分からなくなりましたよ~」
「何が?」
溜息混じりに言うアンナに、リズは首を傾げた。
「ロアさんが盗みをする理由です」
「確かに、そうね」
「まぁ、プライドは相当高そうではありましたけどね~。かなりショックでしたよ、あんな顔で睨まれるなんて」
リズもそれには同意した。あの高慢さは生まれながらのものだろうか。プライドの高さは並の貴族の比ではなさそうだ。
そこで、リズはあることを思いついた。
「――!」
「リズ様、いかがされました? 何か思いつかれたのですか?」
シリルが、リズの様子に鋭く気付いて尋ねた。リズは、口元に緩やかな弧を描いて言う。
「――――お茶会をするのよ」
「ねぇ、シリル!」
「そんなに慌てて、どうされたんですか? まずはお座りになって、息をお整えください」
息を切らすリズに、シリルはソファに座るよう促した。リズはソファに腰かけて深呼吸する。
「それで、一体どうなされたんです?」
「それが――私、思い出したの。盗難事件の、犯人かもしれない人物を」
シリルは、目を見開き食い気味に尋ねた。
「誰なんです、それは?」
「二週間くらい前に、私が忘れ物を取りに行った時のこと、覚えてる? その時、ある少年と曲り角でぶつかってしまったの。見た感じからして、多分一年生だと思うわ。彼、手に何かの入った袋を持ってたの。それに、なんだか焦っている様子だったし……」
「それは、かなり怪しいですね。その彼がどんな容姿だったか、覚えていますか?」
「えぇ、もちろん。彼は、今まで見たことがないくらい、そう――美しかったの。貴方みたいに、綺麗な顔よ。プラチナブロンドに、薄紅色の大きな瞳をしてたわ。肌は雪のように白くて、背は私と変わらないくらい」
リズは、あの日見た少年の美貌に思いを馳せた。あれほど美しい少年は、国中探しても指折りだろう。
シリルは少年の容姿を聞くと、手帳を取り出し、なにやら考えながらページを捲り始めた。
「それなら、確か――あった。彼です」
あるページで手を止めると、シリルはそこに書いてある情報を読み上げた。
「ロア・エリオット、十五歳。性別は男、一年C組、六番。エリオット伯爵家の長男です」
「ロア……確かに彼なの?」
リズは、神妙な顔で彼の名を反芻した。
「えぇ、恐らくは。資料室で見た写真の記憶によると、そうです」
シリルは頷いて話を続ける。
「ルイス先生に伺った話によると、彼は成績も品行も平均的で、あまり友人の多くない内向的な生徒だということです。ただ、最近は何か落ち着かない様子でいることが多くなったとか」
「そう。それはますます怪しくなってきたわね……って、どうしてルイス先生が? いつ彼に話したの?」
リズは、怪訝な顔をしてシリルを見つめた。シリルは、「あっ」と小さく呟いて、ばつが悪そうに目を逸らした。その仕草にいつもの余裕はなく、まるで悪戯のばれた少年のようだ。
「それは、ですね……」
嘆息し、シリルは一部始終をリズに語った。話を聞き終わると、リズは呆れて半眼になった。
「見つかったって、貴方ね……面倒事は起こさないって約束だったでしょう?」
「すみません、俺もまさか見つかるとは思っておらず……。しかし、ルイス先生は他言しないと仰ってくださったことですし、今回は特に問題はないかと…………」
「大ありよ、全く。――そういえば、私、貴方が鍵開けまでできるなんて話、聞いてないけど。隠してたの?」
リズは溜息をつくと、先程から気にかかっていたことを口にした。シリルは瞠目して弁解する。
「そういうわけではありませんよ。ただ、言い出す機会がなかっただけで――」
「へぇ、そう。七年も一緒にいたのに?」
リズが責めるような口調で言うと、シリルは口を噤んだ。
「表彰式のこともそうだけど、なんだか貴方、最近隠し事が多いわよね」
「そんなことは――」
リズはつんと顔を背けた。シリルは釈明しようと言葉を発しかけたが、主人の横顔を見て口を閉ざした。
そのまま、二人の間に居心地の悪い沈黙が続く。ややあって、リズがぼそりと呟いた。
「…………鍵開けの方法くらい、教えてくれたってよかったのに」
少し拗ねたような声音を聞き取り、シリルは僅かに目を見開いた。そして、その美しい顔をふっと緩めると、彼は片膝をつき最上級の敬礼の姿勢をとった。
「――誓って、隠していたなんてことはありません。俺がこんなに自分のことを話す相手なんて、リズ様だけですよ」
リズは、ちらりとシリルを見遣る。彼女を見上げる蒼い眼に真実を見て取ったリズは、何となく目を逸らすと、軽く唇を尖らせた。
「……じゃあ、今度私にも教えて頂戴」
「もちろんでございます。いつでもお教えいたしますよ」
シリルはそう言うと、リズを見つめて柔らかく微笑んだ。
「――それで、彼なんですか?」
「えぇ、間違いないわ」
今、リズたちは授業の終わった教室を覗き込んでいた。アンナの視線の先にいるのは、輝くプラチナブロンドの少年だ。今はちょうど授業の片付けをしているところらしく、こちらに背を向けている。リズは大きく頷くと、思い切って教室に入っていった。アンナが慌てて後に続く。その後ろから、シリル、キース、ジョンも続いた。
「ねぇ貴方、少しいいかしら」
リズは、少年に歩み寄り肩越しに声をかけた。振り返った彼は、リズの姿を認めると大きな瞳を見開いた。
「――なっ、なんで君が……!?」
ロアは後退ると、教科書類を守るように抱きかかえた。その薄紅色の目には明らかな警戒の色が滲んでいる。
「わぁ~、綺麗な顔……まさに美少年ですねぇ」
リズの後ろの方で、アンナがそう囁く声が聞こえた。ロアはそれを鋭く聞き取ったらしく、感嘆に目を丸くするアンナを睨みつけた。
「何? 君たち、揃いも揃って僕を冷やかしに来たわけ?」
「あっ、いえ、違うんです! 思わず声に出てしまって……」
類稀なる美貌の持ち主に睨めつけられ、アンナはびくりと肩を震わせる。美人は怒ると怖いと言うが、彼の剣幕もなかなかのものである。
「用がないなら帰ってくれない?」
相当勝気な少年である。王国二大公爵家の令嬢であるリズを前にしても、全く怯む様子を見せない。
アンナはもはや半分泣きそうになっている。天使のような美少年に睨まれ、ダメージが大きかったようだ。リズがすかさずフォローに入った。
「いいえ、違うわ。私たちは、貴方に少し聞きたいことがあって来たの」
「……何?」
ロアは、未だ不機嫌な顔つきのままでリズを見た。リズは、一度深く息を吸ってから口を開いた。
「ここ最近話題になっている、紛失騒ぎのことよ」
その途端、ロアの顔色が変わった。
「――――な、何の話? とにかく、僕はもう行くからっ」
そう言ってくるりと踵を返すと、引き留める隙も与えずロアは真っ直ぐに教室を出て行ってしまった。リズたちは唖然としてそこに立っていたが、ロアの姿が見えなくなると、目配せをして頷いた。
「彼で間違いなさそうね……」
「ですね」
先程リズは、『紛失騒ぎ』としか言っていない。それにも関わらず間髪入れずに逃げたということは、何か後ろめたいことがある証拠だ。
「でも、どうやって聞き出すんです? あの様子だと、すぐに逃げられちゃいますよ」
アンナが、ロアの去っていった方を指し示して肩を竦めた。
「何か策を考えなければなりませんね。――とりあえず、場所を移しましょう」
シリルの提案により例のサロンに場所を移した一同は、神妙な面持ちでどうにかロアに自白させる方法を考えていた。
「う~ん…………やっぱり、あたしは強硬手段しか思いつきませんね……」
「強硬手段って?」
「自白剤を飲ませるんですよ」
リズが尋ねると、アンナはさらりとそう言ってのけた。案の定、アンナを除く四人は若干引いている。シリルが、微妙な顔で咳払いをした。
「自白剤……ですか。何というか、物騒ですね」
「まぁ、そうなりますよね~。でも、ちゃんと合法な材料のみを使って作りますから、ご安心ください!」
「アンナ、自白剤なんて作れるのか?」
「はい。ちょっと複雑な調合にはなりますが、作れないことはありませんよ~」
そう満面の笑みで答えるアンナの目は、らんらんと輝いている。
それにしても、自白剤とは……彼女が作りたいだけのような気もするが。
「まぁ、どちらにしてもそれは最後の手段ね。まずは、他に方法がないか探しましょう」
リズは、ロアの身を案じてそう言った。
「それにしても、ますます分からなくなりましたよ~」
「何が?」
溜息混じりに言うアンナに、リズは首を傾げた。
「ロアさんが盗みをする理由です」
「確かに、そうね」
「まぁ、プライドは相当高そうではありましたけどね~。かなりショックでしたよ、あんな顔で睨まれるなんて」
リズもそれには同意した。あの高慢さは生まれながらのものだろうか。プライドの高さは並の貴族の比ではなさそうだ。
そこで、リズはあることを思いついた。
「――!」
「リズ様、いかがされました? 何か思いつかれたのですか?」
シリルが、リズの様子に鋭く気付いて尋ねた。リズは、口元に緩やかな弧を描いて言う。
「――――お茶会をするのよ」
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