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幕末動乱篇4 暗中飛躍
暗中飛躍(1)
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まずやるべき事を考えた。伝えなくてはいけない人と知られてはいけない事、整理をしていく事にした。
ただ殿への話は、藩要路の方々の様子をうかがう上でも、やってみる価値がある。どうする。迷ってる時間はない。そうだ、やるしかない。これも、己の本旨、志のためだ。
「殿へのお目通り願いたいのですが、いかがでしょうか」
奥番の方に声をかけた。
「殿は奥でお過ごしじゃ。お声をかけて参ろう」
「ありがとうございます」
しばらく待つと、戻ってきて言った。
「お会いくださるそうだ。よかったな」
「ありがたいことです」
礼を言って、殿の部屋に向かった。
「志道聞多でございます」
「入れ」
声がしたので、ふすまを開けて進み出た。
「おおう、聞多。久しいのう。で、用とはなにじゃ。高杉の迎えについては聞く余地はないぞ」
笑いながら敬親が言った。
殿にまで知られているとすると、色々な人に笑われている気がして、嘆息をついた。
「いえ、そのような事ではありませぬが、お願いごとがございます」
「改まってなんじゃ」
敬親にとってもめずらしい、とても真剣な聞多の表情だった。
「異国に、エゲレスに行きとうございます。そのためのお力添えをいただきたく。こうして参りました」
そうエゲレスに行くのだ。海軍といえばエゲレスと言った杉の顔を浮かべていた。
「ふむ。だがこうした事はわしに申すことではなかろう。周布ではなかったな麻田などに申せ」
「はっ。わかりました。そのように致します」
「それだけか。高杉のことわしからも頼む」
にこやかに言うと敬親は下がっていった。
聞多は満足していた。否定されなかったということは、麻田なら話がわかるということだ。
自身もまた部屋を去り、自室に戻った。麻田に会わなくては話は進まないだろう。でも、その前にふっと祇園のお茶屋が恋しくなった。京に着いてからは、出仕の遠慮があり、事実上の謹慎生活だった。解けたと思ったら、このようなあり様ではやってられるか。行状慎むのはその後だ。
屋敷を出て鴨川沿いを歩く。星が綺麗だなんておもったのは久方ぶりだ。星か、前に上京した時随分通い詰めて、やっとものにできたと思ったら、江戸に戻ることになった。
心が決まると足も捗る。いつしか四条に着いていた。祇園に近づくと華やかな着物に囲まれるようになり、馴染みの茶屋に足を踏み入れた。座敷に通されて、誰か呼ぶかということになった時、すっと「西尾をたのむ」と声に出た。
運ばれてきた膳には手を付けず、窓を開け軒に身を乗り出し、外の喧騒を楽しんでいた。知らずのうちに歌を口ずさんだ。
「そよや小柳によな、下がり藤の花やな、咲き匂いけれ、ゑりな、睦れ戯れや」
「あら、随分季節外れでございますなぁ」
戸を開けるなり西尾が聞多を見つけて言った。艶やかな笑みに、聞多は安心していた。
「わしはそなたのことをおもい出していたまでだが」
「まぁ口とは便利なもので、心ともなわずともいかようにもなりますな」
今度はすねて見せる女に、愛しさもこみ上げてきた。
「都に着いたらすぐにでもと思っちょったが、なかなかうまくいかんもんじゃ」
「お江戸で悪さがすぎたのでございましょう」
「わしらがやらかした事があると」
「へぇ、こちらではさまざまな方のお噂に」
「そうか、じゃがまたすぐ江戸に下らねばならんことになってしもうた。せめて顔だけでも見ておこうとな」
寒くなったこともあって、窓を閉め立ち上がり、膳の前に座った。西尾が猪口を持ち聞多に渡し、酒を注いだ。
「寒うございましたね」
いたずらっぽく西尾が笑った。
「これくらい大したことないな。それともそなた温めてくれるのか」
「ほんにずるい」
「ずるいくらいでなくては、面白くなかろう」
明日のことを考えると、あまり遅くになることもできず、早々に屋敷に戻ることにした。それでも羽を伸ばせたことは、心にゆとりをもたらせてくれた。
翌朝、聞多は京にいた麻田をたずねた。
「昨日、世子様より高杉を連れてまいれとの命をいただきました。なれど、片道10日では駕籠や馬を使わねばままならず、路銀の方も余分にいただけるのかと、ご相談に乗っていただきたいのですが」
「わかった。それくらいは当然のことだ。配慮するよう申し付けておく」
「もう一つ、こちらが本題なのですが。殿に申し上げたところ麻田様へ話をするよう、申し付けられたことでございます」
「なんじゃ」
聞多は頭を畳につけるかの勢いで、頭を下げた。どこまでも神妙に、誠心誠意お願いをするつもりだった。
「異国へ行かせていただきたい。できればエゲレスに」
「なんじゃと、おぬしエゲレスの公使館を攘夷と言って焼き討ちしたばかりじゃろう」
さすがの周布政之助も呆れていた。聞多の真意をはかりかねていた。
「たしかに焼き討ちいたしました。我らも何かなさねば藩是にもとると考えました。しかしそれだけでは立ち行かなくなるとも考えております」
周布にはふっと思い浮かんだ出来事があった。
「そういえば、蒸気船の指導監督に異国人を雇えと申したそうだな」
「はい、たしかに。その折には松島様や方々に怒られました。しかも船から下ろされましたが。なればこそ、海軍といえばエゲレスということで学びに行きたいと思ったのです。海軍を興隆させることはわたくしの宿志」
「さようか、実は他にも同じような嘆願がでておる」
周布の言葉に聞多は驚き、頭を上げてその目を見つめていた。
「誰からですか」
「野村弥吉と山尾庸三だ。存じておろう」
「はい、野村は違いますが、山尾は焼き討ちの同士でございます。私が加わることは不自然ではございませぬ」
周布は殿にも話をしたという聞多の本気を信用しようと思っていた。この男の行動力にかけるべきという心の声に従おうとした。
「うーんわかった。江戸の方にも話は通しておく。くれぐれも内密にな。漏れれば互いに命はないものと思え」
「大丈夫でございます。では、出立の準備もありますので失礼いたします」
「気をつけての」
「ありがとうございます」
麻田の前を下がって、聞多は上々の感触に満足した。
「よし、行ってやる。目指すんじゃ、エゲレスを」
次は会計方にと行くと、ちょうど俊輔が顔を出していた。自分の用事が済むまで待っていてほしいと俊輔に言って、今回の路銀について交渉を始めた。思い通りとは行かないまま決められた金額を受け取った。
「すまん、待たせたのう」
屋敷の出口で待っていた俊輔に話しかけた。
「俊輔も旅か」
「どうせなら一緒に行きますか、江戸に」
「知っとるんか。これじゃ京屋敷中の笑いもんじゃの」
聞多は苦笑いをしていた。俊輔は満面の笑みを浮かべていた。
「高杉さん相手なら、僕も一緒のほうがいいと思いますよ」
俊輔の言葉を聞いて、そのとおりだと思った。俊輔は脇から晋作を攻略してくれるだろう。
「遊んどる暇はないぞ。知っとると思うが」
「本当だったんじゃ。片道10日。厳しいですのう」
俊輔がくすくす笑い出した。聞多は口をとがらせため息をついた。
「いつ出立するんじゃ」
「聞多さんのほうが早く結果ださんといかんのでしょう。明後日でどうですか」
「そうじゃな。早う行くしかないの」
「明後日の出立じゃ、準備も早めんといかんので、聞多さんと遊びに行きたいところ我慢する」
俊輔はそう言って小走りに去っていった。
聞多も荷物の点検をするかと自室に戻った。とりあえず羽織と袴を脱ぎ横たわった。思考がぐるぐる回っていく。江戸に行って異国に行く段取りをある程度つけておく必要もあるだろう。弥吉はその頃江戸にいるのだろうか。
桂さんに話をしないといけないが、高杉もか、他の同志にはどうする。久坂や長嶺、大和、話す人数が増えると秘密の保持は難しい。もし密航の話が下手に漏れると、この場合敵になるのは、攘夷に動いた仲間たちだ。
自分たちは出国できればいいが、残る麻田や関わった人たちは、同じお家のひとから狙われるのか。
ふと長井雅楽の最後が頭をよぎる。家中の者から手のひらを返すように責を受け、腹を切ることになった。長州ではいつも足を引っ張り合っているのだ。
ただ殿への話は、藩要路の方々の様子をうかがう上でも、やってみる価値がある。どうする。迷ってる時間はない。そうだ、やるしかない。これも、己の本旨、志のためだ。
「殿へのお目通り願いたいのですが、いかがでしょうか」
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「ありがとうございます」
しばらく待つと、戻ってきて言った。
「お会いくださるそうだ。よかったな」
「ありがたいことです」
礼を言って、殿の部屋に向かった。
「志道聞多でございます」
「入れ」
声がしたので、ふすまを開けて進み出た。
「おおう、聞多。久しいのう。で、用とはなにじゃ。高杉の迎えについては聞く余地はないぞ」
笑いながら敬親が言った。
殿にまで知られているとすると、色々な人に笑われている気がして、嘆息をついた。
「いえ、そのような事ではありませぬが、お願いごとがございます」
「改まってなんじゃ」
敬親にとってもめずらしい、とても真剣な聞多の表情だった。
「異国に、エゲレスに行きとうございます。そのためのお力添えをいただきたく。こうして参りました」
そうエゲレスに行くのだ。海軍といえばエゲレスと言った杉の顔を浮かべていた。
「ふむ。だがこうした事はわしに申すことではなかろう。周布ではなかったな麻田などに申せ」
「はっ。わかりました。そのように致します」
「それだけか。高杉のことわしからも頼む」
にこやかに言うと敬親は下がっていった。
聞多は満足していた。否定されなかったということは、麻田なら話がわかるということだ。
自身もまた部屋を去り、自室に戻った。麻田に会わなくては話は進まないだろう。でも、その前にふっと祇園のお茶屋が恋しくなった。京に着いてからは、出仕の遠慮があり、事実上の謹慎生活だった。解けたと思ったら、このようなあり様ではやってられるか。行状慎むのはその後だ。
屋敷を出て鴨川沿いを歩く。星が綺麗だなんておもったのは久方ぶりだ。星か、前に上京した時随分通い詰めて、やっとものにできたと思ったら、江戸に戻ることになった。
心が決まると足も捗る。いつしか四条に着いていた。祇園に近づくと華やかな着物に囲まれるようになり、馴染みの茶屋に足を踏み入れた。座敷に通されて、誰か呼ぶかということになった時、すっと「西尾をたのむ」と声に出た。
運ばれてきた膳には手を付けず、窓を開け軒に身を乗り出し、外の喧騒を楽しんでいた。知らずのうちに歌を口ずさんだ。
「そよや小柳によな、下がり藤の花やな、咲き匂いけれ、ゑりな、睦れ戯れや」
「あら、随分季節外れでございますなぁ」
戸を開けるなり西尾が聞多を見つけて言った。艶やかな笑みに、聞多は安心していた。
「わしはそなたのことをおもい出していたまでだが」
「まぁ口とは便利なもので、心ともなわずともいかようにもなりますな」
今度はすねて見せる女に、愛しさもこみ上げてきた。
「都に着いたらすぐにでもと思っちょったが、なかなかうまくいかんもんじゃ」
「お江戸で悪さがすぎたのでございましょう」
「わしらがやらかした事があると」
「へぇ、こちらではさまざまな方のお噂に」
「そうか、じゃがまたすぐ江戸に下らねばならんことになってしもうた。せめて顔だけでも見ておこうとな」
寒くなったこともあって、窓を閉め立ち上がり、膳の前に座った。西尾が猪口を持ち聞多に渡し、酒を注いだ。
「寒うございましたね」
いたずらっぽく西尾が笑った。
「これくらい大したことないな。それともそなた温めてくれるのか」
「ほんにずるい」
「ずるいくらいでなくては、面白くなかろう」
明日のことを考えると、あまり遅くになることもできず、早々に屋敷に戻ることにした。それでも羽を伸ばせたことは、心にゆとりをもたらせてくれた。
翌朝、聞多は京にいた麻田をたずねた。
「昨日、世子様より高杉を連れてまいれとの命をいただきました。なれど、片道10日では駕籠や馬を使わねばままならず、路銀の方も余分にいただけるのかと、ご相談に乗っていただきたいのですが」
「わかった。それくらいは当然のことだ。配慮するよう申し付けておく」
「もう一つ、こちらが本題なのですが。殿に申し上げたところ麻田様へ話をするよう、申し付けられたことでございます」
「なんじゃ」
聞多は頭を畳につけるかの勢いで、頭を下げた。どこまでも神妙に、誠心誠意お願いをするつもりだった。
「異国へ行かせていただきたい。できればエゲレスに」
「なんじゃと、おぬしエゲレスの公使館を攘夷と言って焼き討ちしたばかりじゃろう」
さすがの周布政之助も呆れていた。聞多の真意をはかりかねていた。
「たしかに焼き討ちいたしました。我らも何かなさねば藩是にもとると考えました。しかしそれだけでは立ち行かなくなるとも考えております」
周布にはふっと思い浮かんだ出来事があった。
「そういえば、蒸気船の指導監督に異国人を雇えと申したそうだな」
「はい、たしかに。その折には松島様や方々に怒られました。しかも船から下ろされましたが。なればこそ、海軍といえばエゲレスということで学びに行きたいと思ったのです。海軍を興隆させることはわたくしの宿志」
「さようか、実は他にも同じような嘆願がでておる」
周布の言葉に聞多は驚き、頭を上げてその目を見つめていた。
「誰からですか」
「野村弥吉と山尾庸三だ。存じておろう」
「はい、野村は違いますが、山尾は焼き討ちの同士でございます。私が加わることは不自然ではございませぬ」
周布は殿にも話をしたという聞多の本気を信用しようと思っていた。この男の行動力にかけるべきという心の声に従おうとした。
「うーんわかった。江戸の方にも話は通しておく。くれぐれも内密にな。漏れれば互いに命はないものと思え」
「大丈夫でございます。では、出立の準備もありますので失礼いたします」
「気をつけての」
「ありがとうございます」
麻田の前を下がって、聞多は上々の感触に満足した。
「よし、行ってやる。目指すんじゃ、エゲレスを」
次は会計方にと行くと、ちょうど俊輔が顔を出していた。自分の用事が済むまで待っていてほしいと俊輔に言って、今回の路銀について交渉を始めた。思い通りとは行かないまま決められた金額を受け取った。
「すまん、待たせたのう」
屋敷の出口で待っていた俊輔に話しかけた。
「俊輔も旅か」
「どうせなら一緒に行きますか、江戸に」
「知っとるんか。これじゃ京屋敷中の笑いもんじゃの」
聞多は苦笑いをしていた。俊輔は満面の笑みを浮かべていた。
「高杉さん相手なら、僕も一緒のほうがいいと思いますよ」
俊輔の言葉を聞いて、そのとおりだと思った。俊輔は脇から晋作を攻略してくれるだろう。
「遊んどる暇はないぞ。知っとると思うが」
「本当だったんじゃ。片道10日。厳しいですのう」
俊輔がくすくす笑い出した。聞多は口をとがらせため息をついた。
「いつ出立するんじゃ」
「聞多さんのほうが早く結果ださんといかんのでしょう。明後日でどうですか」
「そうじゃな。早う行くしかないの」
「明後日の出立じゃ、準備も早めんといかんので、聞多さんと遊びに行きたいところ我慢する」
俊輔はそう言って小走りに去っていった。
聞多も荷物の点検をするかと自室に戻った。とりあえず羽織と袴を脱ぎ横たわった。思考がぐるぐる回っていく。江戸に行って異国に行く段取りをある程度つけておく必要もあるだろう。弥吉はその頃江戸にいるのだろうか。
桂さんに話をしないといけないが、高杉もか、他の同志にはどうする。久坂や長嶺、大和、話す人数が増えると秘密の保持は難しい。もし密航の話が下手に漏れると、この場合敵になるのは、攘夷に動いた仲間たちだ。
自分たちは出国できればいいが、残る麻田や関わった人たちは、同じお家のひとから狙われるのか。
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