悪役令嬢だって、ヒロインになりたい

ののか

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ヒロインになりたいのに1

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悪役令嬢の取り巻きAはそう言った。
私は思わず聞き返す。「えっ?どうしてですか?」すると彼女は少し考え込んだ後、こう答えた。
「だって面白そうじゃないかい?異世界からの転生者だなんて」(!?)
私は驚きのあまり声が出なかった。まさか信じる人がいるなんて……。
彼女たちは私の反応を見て楽しそうに笑っている。
どうやらからかわれたようだ。私は少しムッとしてこう言い返した。
「そういうあなたたちも転生者なんじゃないですか?」
私の言葉に彼女たちは更に笑みを深めた。どうやら正解だったようだ。
(まさかこんな身近にいたなんて……)私は驚きつつも、興味を持った。
彼女たちの正体がなんなのか知りたくなったのだ。
「ねぇ、あなた達って一体誰なんですか?」
「それは秘密だよ」悪役令嬢の取り巻きBは人差し指を口に当ててウィンクする。
私はさらに質問を重ねた。

「じゃあせめて名前を教えてください!」
「それも秘密かな」悪役令嬢の取り巻きAは優しく微笑みながらそう言う。
私は諦めずに問いかけた。「じゃあ、せめてあなたたちが何者か教えてください!!」
私が食い下がると彼女たちは少し悩んだ後、こう言った。
「うーん……そこまで言うなら仕方ないか……。
でも、絶対に誰にも言わないでね?」私は大きく頷く。
それを見た彼女たちは私の耳元で囁いた。
(私たちは『聖女』だよ)
「……えっ!?」予想外の言葉に私は言葉を失う。
そんな私を見て二人はいたずらっぽく笑った。
「あはは、冗談だよ。私たちが聖女なわけないだろう?」
「もう!からかわないでくださいよ!」
(絶対冗談なんかじゃないと思うんだけど……)
そんな会話をしているうちに私たちは教室に着いてしまった。

(もっと話を聞きたかったのに……)
残念がっている私を尻目に彼女たちは自分たちの席に着く。
そして授業が始まるまで談笑していたのだった。
その日の夜、私は自室で考え事をしていた。
それはもちろん悪役令嬢のことだ。
彼女は一体何者か?なぜ私をあんなに嫌っているのか?それが気になっていた。
(ゲームだと悪役令嬢は私を目の敵にしてるんだよね……)
そんなことを考えながら私は眠りについた。 
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