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大冒険②章 ディアゴ街の夜編
異世界ルミーティア×音速の剣技=冒険⑮
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異世界ルミーティア…
この世界は主に3つの大きな国が存在し、
自然発生する魔物から人々の命を守り続けている。
人族や妖精、ドワーフなど比較的穏やかな種族が多く生息している「ラクーン国」
国土が海に囲まれ貿易を主としている大島国「バァル国」
2国と比べ大規模な領土を有する反面、人族では踏み入れぬ地帯が数多く存在する国「ゴッカ国」
それぞれの国の王は、魔物が支配するこの時代「暗黒暦」を
終わらせるため、貴族、貧民関係なく強者の中から”勇者”を選び
魔族の元凶である”厄災ノ島”に現存すると思われる魔王を滅ぼす使命を与えている。
だが、その国々の代表である勇者が死んだ場合どうなるのか?
死亡確認後、亡くなった国では即座に勇者選抜が行われ新たなる勇者が選ばれる。
ラクーン国は他国と比べ魔物の数も少なく、厄災ノ島から離れている事から
この度の勇者選抜が行われたのは実に5年ぶりの事である…
それに比べ、厄災ノ島に近いゴッカ国では勇者の入れ替わりが
非常に激しく、近日では更新となる1か月での入れ替わりとなった。
勇者の死亡背景としては、経験値の浅い状態での強力な魔物との戦闘、
迷宮での遭難、厄災ノ島に向かう際の船の沈没、自然災害死などなど様々なものがあるが
人族による死亡背景も存在する…
値の付く装備を整えた勇者の寝首をかかれたり
パーティーの中に裏切る者がいたり
罠のある洞窟へ誘導し、事故死を装ったり
恐ろしい事に魔物だけが勇者の敵ではないのだ…
そして1か月で死亡したとなったゴッカの勇者について…
その死因は実に不可解で唯一分かった事は心臓付近に
”穴のようなもの”がすっぽりと空いており
何かに貫かれたようだったが、証拠の様な凶器は見られなかった…
場所は変わり、ラクーン地方・ヌール高原
ディオス港町から10キロほど離れた魔物も少なく子供がハイキングで登れる程度の高原
ある程度坂道を上ると半径1キロほどの平坦な場所へとたどり着く。
その中央付近で、少年が一人
訓練用の木の杖を持って”何か”を待っていた。
その少年…ポルカ・リーヴァ11歳は先日まで
ゴブリンから受けた毒に身体を蝕まれていたが
今ではその毒は完治し、魔力も問題なく使用できるようになった。
であれば、ラクーン国代表の勇者として厄災ノ島攻略の為
旅の目標を立てたいところだが、”盟友”に提案を受け
今この高原で待っているのだ。
待っている?盟友である彼女をだろうか?違う…
その待っている”物”は突然空を切り現れた…!
ヒュン!
ポルカの前方から物、木剣が飛んできた!
猛スピードの木剣はもし当たると大怪我をしてしまうほどの勢いになっている…!
「火弓矢!フレイムアロー」
ビュワ!ボワァッ!!
ポルカが放った火球が木剣に当たり
その猛烈なスピードは勢いを無くし彼にたどり着く事無く地面へと落ちる…
ヒュン!ヒュン!!
続いて新たなる木剣が2本、ポルカの後方目掛けて飛んできた…!
「土の盾!ランドシールド」
ガガンッ!!ガツゥン!カァァンッ!!
ポルカは後方の木剣に振り向く事無く魔術を放つ
土から形成された盾がポルカを守り、木剣は粉々に砕かれた…!
と、同時に…
ヒュン!ヒュヒュン!!ヒュウウウゥゥンッ!!!
今後は前方、後方だけでなく左右上空と
至る所から大量の木剣がポルカ目掛けて襲い掛かって来た!
異常事態ではあるが、ポルカは少し眉をひそめただけで
それらに向かって…
「砂の波!サンドウォール」
「音の衝撃!ソニックインパクト」
「氷剣の雨!アイスソード」
ザアアアアッ!ブオオオオォ!!カキイイィンッ!!!
必殺の3魔術同時詠唱を放った!
砂の嵐が木剣達の勢いを弱らせ、音の衝撃波が軌道を狂わせ
氷の雨が全ての剣を切り払っていった。
「ふぅ…」
数にして恐らく50本はあったであろう木剣を全て食い止めたが
3つ同時詠唱の反動で少し立ちくらみを感じた…その時!
「…!」
木剣の先端の感触がポルカの背中にトンと軽く押された
それは飛んできた木剣ではなく、剣を握った者に背中をつつかれたのだ!
「…一本ですね♪ポルカさん」
「…はい。ルーアさん…僕の負けです」
と、言いながらポルカは振り向く。
その視線の先には身長160センチの気品ある王女、ルーアが一本取っていた。
「うふふ♪」
自家製のドレスと鎧が融合した騎士姫服は
今日もその丈の短いスカートから艶やかな足が露出している。
金色の髪型はポニーテールではなくお団子巻きにしており
相変わらず装飾品より髪の方が輝いている。
口角は上がり暖かく微笑んでいるその瞳は蒼色で宝石の様で吸い込まれそな気分になる。
こうして一本取られても悔しさを一切感じさせない独特の親しみやすさが彼女にはある。
あぁ、しかし一本取られてしまった…と、言う事は
「では、ポルカさん…約束通り」
「はい…」
パカッ!ガチャ!カチャカチャカチャ!バンッ♪
「ここで、お茶会をしましょう♪」
厄災ノ島攻略に向け、おおらか女王ルーアによる
ティーパーティが開催されるのであった。
この世界は主に3つの大きな国が存在し、
自然発生する魔物から人々の命を守り続けている。
人族や妖精、ドワーフなど比較的穏やかな種族が多く生息している「ラクーン国」
国土が海に囲まれ貿易を主としている大島国「バァル国」
2国と比べ大規模な領土を有する反面、人族では踏み入れぬ地帯が数多く存在する国「ゴッカ国」
それぞれの国の王は、魔物が支配するこの時代「暗黒暦」を
終わらせるため、貴族、貧民関係なく強者の中から”勇者”を選び
魔族の元凶である”厄災ノ島”に現存すると思われる魔王を滅ぼす使命を与えている。
だが、その国々の代表である勇者が死んだ場合どうなるのか?
死亡確認後、亡くなった国では即座に勇者選抜が行われ新たなる勇者が選ばれる。
ラクーン国は他国と比べ魔物の数も少なく、厄災ノ島から離れている事から
この度の勇者選抜が行われたのは実に5年ぶりの事である…
それに比べ、厄災ノ島に近いゴッカ国では勇者の入れ替わりが
非常に激しく、近日では更新となる1か月での入れ替わりとなった。
勇者の死亡背景としては、経験値の浅い状態での強力な魔物との戦闘、
迷宮での遭難、厄災ノ島に向かう際の船の沈没、自然災害死などなど様々なものがあるが
人族による死亡背景も存在する…
値の付く装備を整えた勇者の寝首をかかれたり
パーティーの中に裏切る者がいたり
罠のある洞窟へ誘導し、事故死を装ったり
恐ろしい事に魔物だけが勇者の敵ではないのだ…
そして1か月で死亡したとなったゴッカの勇者について…
その死因は実に不可解で唯一分かった事は心臓付近に
”穴のようなもの”がすっぽりと空いており
何かに貫かれたようだったが、証拠の様な凶器は見られなかった…
場所は変わり、ラクーン地方・ヌール高原
ディオス港町から10キロほど離れた魔物も少なく子供がハイキングで登れる程度の高原
ある程度坂道を上ると半径1キロほどの平坦な場所へとたどり着く。
その中央付近で、少年が一人
訓練用の木の杖を持って”何か”を待っていた。
その少年…ポルカ・リーヴァ11歳は先日まで
ゴブリンから受けた毒に身体を蝕まれていたが
今ではその毒は完治し、魔力も問題なく使用できるようになった。
であれば、ラクーン国代表の勇者として厄災ノ島攻略の為
旅の目標を立てたいところだが、”盟友”に提案を受け
今この高原で待っているのだ。
待っている?盟友である彼女をだろうか?違う…
その待っている”物”は突然空を切り現れた…!
ヒュン!
ポルカの前方から物、木剣が飛んできた!
猛スピードの木剣はもし当たると大怪我をしてしまうほどの勢いになっている…!
「火弓矢!フレイムアロー」
ビュワ!ボワァッ!!
ポルカが放った火球が木剣に当たり
その猛烈なスピードは勢いを無くし彼にたどり着く事無く地面へと落ちる…
ヒュン!ヒュン!!
続いて新たなる木剣が2本、ポルカの後方目掛けて飛んできた…!
「土の盾!ランドシールド」
ガガンッ!!ガツゥン!カァァンッ!!
ポルカは後方の木剣に振り向く事無く魔術を放つ
土から形成された盾がポルカを守り、木剣は粉々に砕かれた…!
と、同時に…
ヒュン!ヒュヒュン!!ヒュウウウゥゥンッ!!!
今後は前方、後方だけでなく左右上空と
至る所から大量の木剣がポルカ目掛けて襲い掛かって来た!
異常事態ではあるが、ポルカは少し眉をひそめただけで
それらに向かって…
「砂の波!サンドウォール」
「音の衝撃!ソニックインパクト」
「氷剣の雨!アイスソード」
ザアアアアッ!ブオオオオォ!!カキイイィンッ!!!
必殺の3魔術同時詠唱を放った!
砂の嵐が木剣達の勢いを弱らせ、音の衝撃波が軌道を狂わせ
氷の雨が全ての剣を切り払っていった。
「ふぅ…」
数にして恐らく50本はあったであろう木剣を全て食い止めたが
3つ同時詠唱の反動で少し立ちくらみを感じた…その時!
「…!」
木剣の先端の感触がポルカの背中にトンと軽く押された
それは飛んできた木剣ではなく、剣を握った者に背中をつつかれたのだ!
「…一本ですね♪ポルカさん」
「…はい。ルーアさん…僕の負けです」
と、言いながらポルカは振り向く。
その視線の先には身長160センチの気品ある王女、ルーアが一本取っていた。
「うふふ♪」
自家製のドレスと鎧が融合した騎士姫服は
今日もその丈の短いスカートから艶やかな足が露出している。
金色の髪型はポニーテールではなくお団子巻きにしており
相変わらず装飾品より髪の方が輝いている。
口角は上がり暖かく微笑んでいるその瞳は蒼色で宝石の様で吸い込まれそな気分になる。
こうして一本取られても悔しさを一切感じさせない独特の親しみやすさが彼女にはある。
あぁ、しかし一本取られてしまった…と、言う事は
「では、ポルカさん…約束通り」
「はい…」
パカッ!ガチャ!カチャカチャカチャ!バンッ♪
「ここで、お茶会をしましょう♪」
厄災ノ島攻略に向け、おおらか女王ルーアによる
ティーパーティが開催されるのであった。
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