82 / 912
二章 アヴァランチェ編
77 ポピーの特訓 2 魔力切れ と 魔力譲渡
しおりを挟む
アレナリアの言われた魔力操作を、なんとかクリアして喜んでいたポピーは、次の特訓に移ることになる。
「ポピー、何をそんなに喜んでいるの?」
「サブマス出来ました! 魔力操作で言われた通り、水玉を操りました」
「それじゃあ、見せてもらいましょうか。たまたま出来ただけじゃあ、意味がないからね」
「はい。見ててください」
「ポピー、さっきと同じように、慌てずにやれば大丈夫」
「カズさん。ありがとう」
「ポピー」
「お待たせしました。始めます!」
ポピーは成功した時と同じように、一回一回を慌てずに、自分の行動を確認しながら、魔力操作を行う。
ゆっくりではあったが、水玉を出し、それを崩さずに操作することが出来た。
「どうですかサブマス!」
「そうね、時間は掛かったけど、出来たから取りあえずは、良しとしましょう」
「アレナ…サブマス、もうちょっと褒めてあげても、良いんじゃないの?」
「まだ基礎よ。ここで褒めて調子に乗ったら、実戦で死に目に会うわ。そうならない為に、キツイ特訓をしてるんだから。全部ポピーの為よ」
「た、確かに(正論を言われたら、何も言えない)」
「そこまで私のことを、考えてくれたんですね。ありがとうございます。これからも、よろしくお願いします」
「わ、分かったわよ。ただし音を上げたら、もっと厳しくするから、覚悟しなさい」
嬉しかったらしく、アレナリアは、ちょっと照れている。
「お、お手柔らかに(早まったかしら)」
ポピーは若干後悔したような、表情している。
「それでポピー、魔力の方は大丈夫そうなの?」
「自分の感じでは、もう少し大丈夫だと思います」
「そう。じゃあ今度は、攻撃魔法の特訓をするから、向こうに移動して」
「はい」
「カズちょっと」(小声)
「何?」(小声)
「ポピーの魔力の残量を、常に見ておいて。倒れずに使用出来る、魔力量の限界を測る為の、特訓でもあるから。本人には、まだ内緒にしてるけどね」(小声)
「分かったけど、アレナリアも確か
アナライズ(分析)が使えるんでしょ? ならステータス見れるはずじゃ?」(小声)
「使えるけど、私はポピーの身体的なとこを見ておきたいのよ。魔法を使った時に、体への負担が、どの程度現れるか気になるしね。だからカズには、魔力量の変化を常に見ていてほしいの」(小声)
「分かったよ。ポピーの残り魔力は、三割程度しか残ってないから、気を付けて」(小声)
「分かったわ。ありがとう」(小声)
「サブマス、今回は、なんの魔法を使えば良いんですか?」
「そうね……カズも居ることだし、以前依頼で使ったって言ってた、ウォーターカッターにしましょう。的の岩を切断してみて」
「あれ(岩)を切断……分かりました。やってみます!」
的用の岩は、高さ幅共に2mはある。
「フゥー……〈ウォーターカッター〉」
ポピーは息を整えてから魔法を使い、手から水が勢いよく放出され続けてた。
その放出されている水を、岩に当て続けているが、水圧が弱く、表面を傷付けてるだけで、切断するには程遠い。
しかも魔法で水を放出し続けているので、魔力がみるみる減っていく。
ポピー魔力《21/336》
ポピーの魔力が、そろそろ切れそうなので、アレナリアに合図を送って、魔法を止めてもらう。
合図に気付いたアレナリアは、直ぐにポピーに魔法を止めるように指示した。
「そこまでよポピー。そろそろ魔力も切れる頃でしょ」
「わ、私なら大丈夫です」
「自分の魔力量を分かってないと、戦闘で足手まといになるし、場合によっては死ぬわよ。それで、本当にまだ出来そうなの?」
「い、いえ。少しふらつきそうに、なりました」
「魔法主体で戦う私達は、魔力が切れたら、仲間のサポートも出来なくて、自分だけならまだしも、仲間を危険にさらすことになるのよ。だから自分の使用出来る魔力量の限界を、知っておきなさい」
「はい。すいません。ご指導ありがとうございます」
「無茶をしないで、自分に見合った依頼を受けていれば、そうそう命の危険になるようなことは、ないと思うけどね。でも冒険者なんだから、常に危険が直ぐ隣に、あると思ってないと」
「はい。それで、サブマスはどうやって、私の魔力が残り少ないと、分かったんですか?」
「私の場合は、スキルで調べることが出来るから、それで分かったのよ」
「さすがサブマスですね。そういった事の出来ない私はどうしたら?」
「先ずは感覚で、残りの魔力量を感じとることね。これも特訓! まあ手っ取り早いのは、何度も魔力を枯渇させて、倒れれば分かることだけどね。ただし一人これをやると、死ぬわよ」
「そんな怖いことを、一人ではしません! 特訓で死にたくないですから!」
「なら、残りの魔力量を感じとれるまで、毎回特訓で魔力切れる寸前まで、魔力を消費することね。そうすれば自然と、分かる様になるわ」
「それでも、毎回倒れる寸前まで特訓……(やっぱり死んじゃうよ~)」
「ポピー落ち着いて、例え話しだから。取りあえず一回休もうか」
「カズは甘いわね。まぁいいわ。ポピー、少し休憩してなさい」
回復薬って、魔力も回復したってかな?
疲労してるみたいだから、ポピーに渡しておくか。
間違えて以前と同じ物を渡さないで、薄めた回復薬にしないと。
「はいこれ飲んで、少し休憩すると良いよ」
「ありがとうカズさん」
「今度はカズが魔法を使ってみて。ポピーも見て参考にしなさい」
「はい。カズさん、がんばってください」
「参考になるか分からないけど、同じ魔法を使うよ」
先程ポピーが傷を付けた的の岩に、同じ魔法を放つ。
前回はやり過ぎたから、今回は的の岩を、切断出来る程度に、威力を押さえて、ゆっくりと切断する。
「では〈ウォーターカッター〉」
ポピーの時とは違い、手から放たれた細い水は、比べ物にならない勢いのある水圧で、的の岩を縦方向に切断していき、真っ二つにした。
ゆっくりにしたつもりでも、時間は10秒と掛からなかった。
「これがカズの魔法……」(ボソッ)
「カズさんやっぱり凄い! でもサブマス、これじゃあ参考になりませんよ」
「……」
「サブマス?」
「そ、そんなことないわ。自分と何が違うか、考えることだけでも、参考になるものよ。そこでもう少し休憩しながら、考えてなさい」
「はい」
「次の的を用意するから、カズ手伝ってちょうだい」
「分かりました。ポピーは言われた通り、休んで待ってて」
「は~い」
俺とアレナリアは、ポピーから離れた場所に移動した。
するとアレナリアが、ポピーに聞こえないように、小声で話してきた。
「ねぇカズ」(小声)
「何?」(小声)
「私に魔法を習えば、カズと同じくらいの魔法が使えるって、ポピーに言ったわよね」(小声)
「……そんなことあったよ~な……」(小声)
「しらばくれないで!」
「声が大きいよ。あの時はつい誤魔化す為に……ごめん」(小声)
「ハァーどうしましょう」(小声)
「まだ習い始めたばかりだから、取りあえず、あの的にしてる岩の、半分ぐらい厚さを、切断出来るのを目標にしたら」(小声)
「そ、そうね。取りあえずそうしましょう」(小声)
「何をしたって、人それぞれ違うから」(小声)
「この借りは、今夜も一緒に寝ることで良いわよ」(小声)
「えぇー」
「カズ、声が大きいわ。それに一緒に寝るの嫌なの? 誤魔化す為に、私に押し付けたのに」(小声)
「うぐっ……わ、分かりました」(小声)
その場しのぎに、アレナリアの名前を出して誤魔化したツケが、ここで回ってきてしまった。
やはり知らない相手と、パーティーを組むのは、しんどい。
なので、これからも一人で依頼をしていこうと思った。
この後もポピーの特訓に付き合い続け、特訓を終える頃には、夕方になっていた。
結局今日の特訓は、魔力操作を重点的にしていった。
ポピーは何度も、自分の魔力量を見極めようと、魔力切れをおこし倒れていた。
その度にアレナリアが【魔力譲渡】をして、魔力の回復をしてあげていた。
魔力譲渡は、お互いの魔力適性や、魔法属性の相性が良くないと、譲渡率が悪く、あまり使うことはないと言う。
アレナリアとポピーは、どちらも水魔法の適性が有り、しかも得意とするので、譲渡率は良いらしい。
今日の特訓を終了したので、帰りがけに回復薬をポピーにあげた。
俺とアレナリアは、ギルドには戻らず、そのまま家に帰る事にした。
「ふぅ~、やっと家に帰って来たわ」
「ふぅ~って、アレナリア殆ど動いて無かったと思うけど」
「魔力譲渡は疲れるのよ。自分の魔力を、相手に渡しちゃうんだから」
「魔力譲渡なんて、初めて知ったよ」
「使える相手が限られてるし、魔力量が渡す相手より多くないと、意味無いからね。上手くいかないと、魔力の無駄遣いだから、訓練とかじゃなければ、やらないのよ」
「へぇー! そうなんだ」
「カズもそろそろ依頼を受けなくちゃ。暫くの間は、ポピーの特訓もお休みだしね」
「何かあるの?」
「五日後には、収穫祭の前夜祭が始まるから、人が増えて忙しくなるのよ」
「収穫祭! そう言えば、そんなことがあるって聞いたな」
「アヴァランチェ以外の都市や、街に村からも人が集まるから、揉め事も増えるし、面倒な依頼も来るのよ。しかも今回は、盗賊が潜伏してる可能性があるから、とても厄介だわ」
「サブマスは大変だね」
「そうよ! しかもギルマスが、さぼり癖のあるあれ(ロウカスク)だから。昨日の書類も、収穫祭に関する物ばかりだったしね」
「ロウカスクさんには、しっかり働いてもらわないと」
「いざとなったら、ギルドの職員全員で、ロウカスクを縛り上げてでも、働かせるわよ! そうすれば収穫祭を、カズと回れる時間が取れるわ」
「んっ?」
「嫌なの?」
「嫌じゃないけど、アレナリア大丈夫? 凄い人が多いんでしょ」
「大丈夫よ……多分。それより夕食を食べたら、お風呂に入って……ムフフッ」
「……」
残ってる材料で夕食を作り食べて、その後湯船にお湯を入れ、お風呂に入ったら、またアレナリアの部屋で、一緒に寝ることに……
いつか一線を越えてしまいそうな、自分が怖い。
アレナリアは好意をよせてくれているけど、俺はまだ……
念の為に、お互いに何もしないと、今回もしっかり約束をした。
アレナリアは俺がまた、抱き枕と間違えて、抱き付くと思ってるらしいが、そう毎回抱き付きはしない……と思う。
「ポピー、何をそんなに喜んでいるの?」
「サブマス出来ました! 魔力操作で言われた通り、水玉を操りました」
「それじゃあ、見せてもらいましょうか。たまたま出来ただけじゃあ、意味がないからね」
「はい。見ててください」
「ポピー、さっきと同じように、慌てずにやれば大丈夫」
「カズさん。ありがとう」
「ポピー」
「お待たせしました。始めます!」
ポピーは成功した時と同じように、一回一回を慌てずに、自分の行動を確認しながら、魔力操作を行う。
ゆっくりではあったが、水玉を出し、それを崩さずに操作することが出来た。
「どうですかサブマス!」
「そうね、時間は掛かったけど、出来たから取りあえずは、良しとしましょう」
「アレナ…サブマス、もうちょっと褒めてあげても、良いんじゃないの?」
「まだ基礎よ。ここで褒めて調子に乗ったら、実戦で死に目に会うわ。そうならない為に、キツイ特訓をしてるんだから。全部ポピーの為よ」
「た、確かに(正論を言われたら、何も言えない)」
「そこまで私のことを、考えてくれたんですね。ありがとうございます。これからも、よろしくお願いします」
「わ、分かったわよ。ただし音を上げたら、もっと厳しくするから、覚悟しなさい」
嬉しかったらしく、アレナリアは、ちょっと照れている。
「お、お手柔らかに(早まったかしら)」
ポピーは若干後悔したような、表情している。
「それでポピー、魔力の方は大丈夫そうなの?」
「自分の感じでは、もう少し大丈夫だと思います」
「そう。じゃあ今度は、攻撃魔法の特訓をするから、向こうに移動して」
「はい」
「カズちょっと」(小声)
「何?」(小声)
「ポピーの魔力の残量を、常に見ておいて。倒れずに使用出来る、魔力量の限界を測る為の、特訓でもあるから。本人には、まだ内緒にしてるけどね」(小声)
「分かったけど、アレナリアも確か
アナライズ(分析)が使えるんでしょ? ならステータス見れるはずじゃ?」(小声)
「使えるけど、私はポピーの身体的なとこを見ておきたいのよ。魔法を使った時に、体への負担が、どの程度現れるか気になるしね。だからカズには、魔力量の変化を常に見ていてほしいの」(小声)
「分かったよ。ポピーの残り魔力は、三割程度しか残ってないから、気を付けて」(小声)
「分かったわ。ありがとう」(小声)
「サブマス、今回は、なんの魔法を使えば良いんですか?」
「そうね……カズも居ることだし、以前依頼で使ったって言ってた、ウォーターカッターにしましょう。的の岩を切断してみて」
「あれ(岩)を切断……分かりました。やってみます!」
的用の岩は、高さ幅共に2mはある。
「フゥー……〈ウォーターカッター〉」
ポピーは息を整えてから魔法を使い、手から水が勢いよく放出され続けてた。
その放出されている水を、岩に当て続けているが、水圧が弱く、表面を傷付けてるだけで、切断するには程遠い。
しかも魔法で水を放出し続けているので、魔力がみるみる減っていく。
ポピー魔力《21/336》
ポピーの魔力が、そろそろ切れそうなので、アレナリアに合図を送って、魔法を止めてもらう。
合図に気付いたアレナリアは、直ぐにポピーに魔法を止めるように指示した。
「そこまでよポピー。そろそろ魔力も切れる頃でしょ」
「わ、私なら大丈夫です」
「自分の魔力量を分かってないと、戦闘で足手まといになるし、場合によっては死ぬわよ。それで、本当にまだ出来そうなの?」
「い、いえ。少しふらつきそうに、なりました」
「魔法主体で戦う私達は、魔力が切れたら、仲間のサポートも出来なくて、自分だけならまだしも、仲間を危険にさらすことになるのよ。だから自分の使用出来る魔力量の限界を、知っておきなさい」
「はい。すいません。ご指導ありがとうございます」
「無茶をしないで、自分に見合った依頼を受けていれば、そうそう命の危険になるようなことは、ないと思うけどね。でも冒険者なんだから、常に危険が直ぐ隣に、あると思ってないと」
「はい。それで、サブマスはどうやって、私の魔力が残り少ないと、分かったんですか?」
「私の場合は、スキルで調べることが出来るから、それで分かったのよ」
「さすがサブマスですね。そういった事の出来ない私はどうしたら?」
「先ずは感覚で、残りの魔力量を感じとることね。これも特訓! まあ手っ取り早いのは、何度も魔力を枯渇させて、倒れれば分かることだけどね。ただし一人これをやると、死ぬわよ」
「そんな怖いことを、一人ではしません! 特訓で死にたくないですから!」
「なら、残りの魔力量を感じとれるまで、毎回特訓で魔力切れる寸前まで、魔力を消費することね。そうすれば自然と、分かる様になるわ」
「それでも、毎回倒れる寸前まで特訓……(やっぱり死んじゃうよ~)」
「ポピー落ち着いて、例え話しだから。取りあえず一回休もうか」
「カズは甘いわね。まぁいいわ。ポピー、少し休憩してなさい」
回復薬って、魔力も回復したってかな?
疲労してるみたいだから、ポピーに渡しておくか。
間違えて以前と同じ物を渡さないで、薄めた回復薬にしないと。
「はいこれ飲んで、少し休憩すると良いよ」
「ありがとうカズさん」
「今度はカズが魔法を使ってみて。ポピーも見て参考にしなさい」
「はい。カズさん、がんばってください」
「参考になるか分からないけど、同じ魔法を使うよ」
先程ポピーが傷を付けた的の岩に、同じ魔法を放つ。
前回はやり過ぎたから、今回は的の岩を、切断出来る程度に、威力を押さえて、ゆっくりと切断する。
「では〈ウォーターカッター〉」
ポピーの時とは違い、手から放たれた細い水は、比べ物にならない勢いのある水圧で、的の岩を縦方向に切断していき、真っ二つにした。
ゆっくりにしたつもりでも、時間は10秒と掛からなかった。
「これがカズの魔法……」(ボソッ)
「カズさんやっぱり凄い! でもサブマス、これじゃあ参考になりませんよ」
「……」
「サブマス?」
「そ、そんなことないわ。自分と何が違うか、考えることだけでも、参考になるものよ。そこでもう少し休憩しながら、考えてなさい」
「はい」
「次の的を用意するから、カズ手伝ってちょうだい」
「分かりました。ポピーは言われた通り、休んで待ってて」
「は~い」
俺とアレナリアは、ポピーから離れた場所に移動した。
するとアレナリアが、ポピーに聞こえないように、小声で話してきた。
「ねぇカズ」(小声)
「何?」(小声)
「私に魔法を習えば、カズと同じくらいの魔法が使えるって、ポピーに言ったわよね」(小声)
「……そんなことあったよ~な……」(小声)
「しらばくれないで!」
「声が大きいよ。あの時はつい誤魔化す為に……ごめん」(小声)
「ハァーどうしましょう」(小声)
「まだ習い始めたばかりだから、取りあえず、あの的にしてる岩の、半分ぐらい厚さを、切断出来るのを目標にしたら」(小声)
「そ、そうね。取りあえずそうしましょう」(小声)
「何をしたって、人それぞれ違うから」(小声)
「この借りは、今夜も一緒に寝ることで良いわよ」(小声)
「えぇー」
「カズ、声が大きいわ。それに一緒に寝るの嫌なの? 誤魔化す為に、私に押し付けたのに」(小声)
「うぐっ……わ、分かりました」(小声)
その場しのぎに、アレナリアの名前を出して誤魔化したツケが、ここで回ってきてしまった。
やはり知らない相手と、パーティーを組むのは、しんどい。
なので、これからも一人で依頼をしていこうと思った。
この後もポピーの特訓に付き合い続け、特訓を終える頃には、夕方になっていた。
結局今日の特訓は、魔力操作を重点的にしていった。
ポピーは何度も、自分の魔力量を見極めようと、魔力切れをおこし倒れていた。
その度にアレナリアが【魔力譲渡】をして、魔力の回復をしてあげていた。
魔力譲渡は、お互いの魔力適性や、魔法属性の相性が良くないと、譲渡率が悪く、あまり使うことはないと言う。
アレナリアとポピーは、どちらも水魔法の適性が有り、しかも得意とするので、譲渡率は良いらしい。
今日の特訓を終了したので、帰りがけに回復薬をポピーにあげた。
俺とアレナリアは、ギルドには戻らず、そのまま家に帰る事にした。
「ふぅ~、やっと家に帰って来たわ」
「ふぅ~って、アレナリア殆ど動いて無かったと思うけど」
「魔力譲渡は疲れるのよ。自分の魔力を、相手に渡しちゃうんだから」
「魔力譲渡なんて、初めて知ったよ」
「使える相手が限られてるし、魔力量が渡す相手より多くないと、意味無いからね。上手くいかないと、魔力の無駄遣いだから、訓練とかじゃなければ、やらないのよ」
「へぇー! そうなんだ」
「カズもそろそろ依頼を受けなくちゃ。暫くの間は、ポピーの特訓もお休みだしね」
「何かあるの?」
「五日後には、収穫祭の前夜祭が始まるから、人が増えて忙しくなるのよ」
「収穫祭! そう言えば、そんなことがあるって聞いたな」
「アヴァランチェ以外の都市や、街に村からも人が集まるから、揉め事も増えるし、面倒な依頼も来るのよ。しかも今回は、盗賊が潜伏してる可能性があるから、とても厄介だわ」
「サブマスは大変だね」
「そうよ! しかもギルマスが、さぼり癖のあるあれ(ロウカスク)だから。昨日の書類も、収穫祭に関する物ばかりだったしね」
「ロウカスクさんには、しっかり働いてもらわないと」
「いざとなったら、ギルドの職員全員で、ロウカスクを縛り上げてでも、働かせるわよ! そうすれば収穫祭を、カズと回れる時間が取れるわ」
「んっ?」
「嫌なの?」
「嫌じゃないけど、アレナリア大丈夫? 凄い人が多いんでしょ」
「大丈夫よ……多分。それより夕食を食べたら、お風呂に入って……ムフフッ」
「……」
残ってる材料で夕食を作り食べて、その後湯船にお湯を入れ、お風呂に入ったら、またアレナリアの部屋で、一緒に寝ることに……
いつか一線を越えてしまいそうな、自分が怖い。
アレナリアは好意をよせてくれているけど、俺はまだ……
念の為に、お互いに何もしないと、今回もしっかり約束をした。
アレナリアは俺がまた、抱き枕と間違えて、抱き付くと思ってるらしいが、そう毎回抱き付きはしない……と思う。
106
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化!
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。
どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。
- カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました!
- アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました!
- この話はフィクションです。
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。
チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!?
“真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる