225 / 912
三章 王都オリーブ編2 周辺地域道中
216 休養 4 空への憧れ
しおりを挟む
「この事(空間転移魔法)を知ってるのは、王都で俺が所属している第2ギルドのギルマスと、第1ギルドのAランク冒険者が一人。それとテイムしたモンスター。あとは……白真だけかな」
「所属してるギルドマスターは分かるけど、他のギルドに所属してる冒険者はどうして? それに白真って誰なの?」
クリスパはもっともな疑問を、カズに投げ掛ける。
「ギルマスと、そのAランク冒険者とは、依頼で一緒になって、その時に白真ってのが口を滑らせて、二人に知られちゃったんだ。まあ、二人とも悪い人じゃなかったから、良かったんだけど」
「何その白真って。考えも無しに喋るなんてバカなの? その調子じゃあ、他にも話してるかも知れないわよ」
「それは大丈夫よ」
「どうしてアレナリア?」
「クリスパも白い災害って知ってるわよね?」
「アヴァランチェの北にある山を住みかにしてるっていう、噂のフロストドラゴンでしょ」
「ええ。そのフロストドラゴンの名前が白真で、カズが従えてるみたいなのよ。白き災害に自分から会いに行く、命知らずなんて居ないでしょ」
「……はぁ? 何よそれ。本当なのカズさん!?」
クリスパは椅子から立上がり、テーブルを叩いて身を乗りだし、カズに詰め寄る。
「ま、まぁ」
「ハァー……驚きを通り越して、呆れるわね」
クリスパはため息をつきながら椅子に座り、テーブルに肘をついて、その手に顎を乗せ、目を細めてカズを見る。
カズはクリスパから目を反らし、アレナリアの方を見て、無言で助けを求める。
しかしアレナリアはそれに気付かず、頬を赤くして照れるだけ。
「私の前で、なにイチャついてるのよ。キッシュに言うわよ」
「別にイチャついてなんて。そうだろアレナリア」
「え、ええ。そんなこと……」
「アレナリアは満更でもないみたいよ」
「……あれぇ、キッシュどうしたのかなぁ?(早く戻って来て)」
カズはクリスパに凝視され、アレナリアは隣で赤い顔をしてニヤついていた。
三人が黙ったままでいると、そこにキッシュが嬉しそうに戻って来た。
「今日のお客さんは、お昼も夕食も外で取るから、行って来ても良いって。あれ、皆黙ってどうしたの?」
「なんでもないわ。さぁ、義母さんが良いって言ったなら、行きましょうか」
クリスパが席を立ち、それに続きカズとアレナリアも椅子から立ち上り、四人でココット亭を出る。
人混みを避けるため路地裏を通り、四人は門を抜けて街の外に出る。
カズが先頭を歩き、来るときにマイヒメから降りた草原に向かった。
カズは念話でマイヒメに話し掛け、降り立った場所に来るように連絡した。
「ねぇカズ兄、テイムしたモンスターってどこに居るの?」
「大抵はテイマーと共に居るはずだけど、テイムしたモンスターが大きかったりする場合は別よ。例えば他に、水中でしか生きられないモンスターだったりとかね」
「へぇーそうなんだ。さすがクリ姉ぇ」
「へぇーそうなんだ。さすがクリスパだ」
「テイムしたカズさんが驚いてどうするんですか」
「アハハは。すいません」
「ハァ……それでテイムしたモンスターは、どこから来るの? キッシュがお待ちかねよ」
「そろそろ来る……あ、来たよ」
カズは上空を見て指差すと、三人はその方向を向いた。
「何かが飛んでくるわね」
「カズ兄がテイムしたのって、鳥さんなの?」
「二人とも驚くから、覚悟しておいた方がいいわよ」
「えっ」
アレナリアの言葉に、息を呑んだキッシュは、そっとカズの後ろに隠れる。
するとそこへ、マイヒメがフジと共に降りてきた。
「『どうしたのカズ。またどこかに移動するの?』」
「いや、そうじゃないんだ。この街にも紹介する人が居たから、連れてきたんだ。二人がマイヒメに会いたいって言ったもんでさ。何度も悪いな」
「『そう。別にいいわよ』」
「カズさん。これがテイムしたモンスターなの?」
「カズ兄怖いよ」
クリスパは驚き、キッシュは怯えていた。
「だから言ったでしょ。覚悟しておきなさいって」
「アレナリアさんは、怖くないの?」
「まだ少し怖いけど、テイムしてるのがカズだから平気よ」
「フジ、こっち来てキッシュに挨拶してあげて(フジならキッシュも大丈夫だろ)」
カズが呼ぶと、フジがキッシュ所に寄って来る。
「じゃあ、紹介するよ。こっちの大きい方がマイヒメで、小さい方が子供のフジ。それで、俺の後ろに隠れてるのがキッシュで、もう一人がクリスパ」
「『キッシュとクリスパね』」
「キッシュはただの女の娘だから、マイヒメは冗談でも、つついたりしないように」
「『弱いのね』」
「まぁそうだね」
「カズ兄……触っても、大丈夫かな?」
「さっきまでの威勢はどうしたの? キッシュ」
「だって、あんな大きな生き物見たことないんだもん。怖いよ」
「マイヒメは怖くても、フジなら平気でしょ」
「う、うん。大丈夫だと思う」
「フジ。つついたりしちゃ駄目だからね」
「『優しそうなお姉さんだから、そんなことしないもん』」
「うん。良い子だ(……ん? 優しくなさそうだったら、つつくのか?)」
最初は少し怯えていたが、フジとじゃれあってる内に、キッシュの表情もやわらいできた。
つくづくフジが居て良かったと、カズは思っていた。
キッシュとフジが遊んでいるのを、カズが見ている時、クリスパはマイヒメをじっと見ていた。
「どうしたのクリスパ?」
「ねぇアレナリア。カズさんがテイムしたマイヒメに乗って、ここまで来たって言ったでしょ」
「ええ。それがどうしたの?」
「私も乗って、空高く飛んでみたいわ。ねぇマイヒメ、一度私も乗せてくれない?」
「『ワタシに乗りたいの?』」
「クリスパは怖くないの? 山よりも高く上がるのよ」
「それは怖いわよ。でもこんな機会は滅多にないでしょ。空を飛べる魔法なんて使えないんだから」
「『やっぱりカズじゃないと、言葉は通じないわね』」
「それはそうだけど。私もマイヒメの言葉は分からないから、カズに聞いてみましょう」
「そうね。カズさ~ん」
クリスパは少し離れた所に居るカズを呼ぶと、キッシュとフジを連れて、マイヒメの近くにやってきた。
「どうしたの?」
「お願いがあるんだけど。一度でいいから、私もマイヒメに乗せてくれない?」
「クリスパも空高く飛んでみたいんだって」
「そう言ってるけど、マイヒメはどう?」
「『聞いていたわ。カズの友人なんでしょ。なら良いわよ』」
「マイヒメが良いってさ」
「やったぁ! キッシュも行こう」
「私は怖いからいいよ。フジと遊んでるから、クリ姉は行ってきなよ」
「そう。じゃあそうするわ。よろしくねマイヒメ」
「『ええ』」
「クリ姉気を付けて。怪我しないようにね」
「大丈夫よ。怪我した時は、カズさんに責任とって、一生面倒見てもらうから」
「なんですと!?」
「一生なんて冗談よ」
「冗談か……(ん? 一生じゃないけど責任は取れと?)」
クリスパの笑顔が、何かを企んでるのではと、冗談ながらにカズは思っていた。
「それじゃあアレナリアは、キッシュとフジを見てて。ちょっとクリスパと行ってくるから」
「カズも行くの?」
「そりゃあ、マイヒメの言葉が分かるの俺だけだから(怪我でもされたら後が怖いからな)」
「そ、そうよね。分かったわ。キッシュとフジは、私が面倒見ておくわ」
「よろしく(上空は寒いから、クリスパにも耐性を)」
カズはマイヒメに乗るときクリスパの手を引き、そっと寒冷耐性を与えた。
背中に乗ったのを確認すると、マイヒメは大空高く飛び立った。
「きゃ!」
飛び立った時の勢いで、驚き目を閉じたクリスパは、落ちないようにカズの腕をにしっかりと掴む。
少ししてカズがクリスパを呼ぶと、ゆっくり目を開けた。
「スゴ…い。こんな景色初めて。リアーデの街があんなに小さく」
「喜んでもらえた?」
「ええ、最高の気分。ありがとうカズさん。ありがとうマイヒメ」
「『こんな事で喜んでもらえるなんて』」
「飛べる人なんて居ないから、大空に憧れるんだよ」
「『でもカズは飛べるでしょ』」
「まぁ、俺はね(探せば他にも、フライの魔法を使える人が居るだろうよ)」
十分程の遊覧飛行を終え、カズとクリスパを乗せたマイヒメは、地上へと降りる。
クリスパは満足そうな顔をしていた。
「クリ姉、怖くなかった?」
「気持ち良かったわ」
「クリスパは相変わらず度胸あるのね」
「アレナリアとは違うわよ」
「でも最初に、きゃ、ってかわいい声出してたけどね」
「へぇ。クリスパがねぇ」
「ちょ、カズさん」
珍しくクリスパが顔を赤くして、恥ずかしがっていた。
「ごめんごめん」
「もういいわよ。カズさんのテイムしたモンスターも見れたんだし、街に戻りましょうか。お昼もまだだったから、お腹空いたわ」
「そうね。そうしましょう」
「わ~い。皆でご飯だ!」
「キッシュの食いしん坊は健在だな」
「カズ兄ひど~い。もうそんなに、食いしん坊じゃないも~んだ」
「よく言うわねキッシュ。昨日だってつまみ食いして、義母さんに怒られてたでしょ」
「クリ姉ぇ、それは言わないでよ」
「『カズ。ワタシ達も狩りに行くわ』」
「分かった。アヴァランチェには、ゲートで戻るから」
「『分かったわ。白真の所にでも行ってるわね。フジが話したがってたから』」
「分かった。今日は何度も乗せてもらって、悪かったな。ありがと」
「『別に構わないわよ。しかし主人が仕える……いいえ、なんでもないわ』」
「ん? そうか」
主であるカズに対して、変わっていると発言しようとしたマイヒメだったが、機嫌を損ねてはと言葉を飲み込んだ。
出会ってから数日しか経ってないが、そんな事でカズが怒ったりはしないと思ってはいたが、せめて主の知り合いの前では、敬意をもって接した方が良いのではと考えた。
カズ達四人が街に戻って行くと、マイヒメはフジを乗せて飛び立っていった。
「所属してるギルドマスターは分かるけど、他のギルドに所属してる冒険者はどうして? それに白真って誰なの?」
クリスパはもっともな疑問を、カズに投げ掛ける。
「ギルマスと、そのAランク冒険者とは、依頼で一緒になって、その時に白真ってのが口を滑らせて、二人に知られちゃったんだ。まあ、二人とも悪い人じゃなかったから、良かったんだけど」
「何その白真って。考えも無しに喋るなんてバカなの? その調子じゃあ、他にも話してるかも知れないわよ」
「それは大丈夫よ」
「どうしてアレナリア?」
「クリスパも白い災害って知ってるわよね?」
「アヴァランチェの北にある山を住みかにしてるっていう、噂のフロストドラゴンでしょ」
「ええ。そのフロストドラゴンの名前が白真で、カズが従えてるみたいなのよ。白き災害に自分から会いに行く、命知らずなんて居ないでしょ」
「……はぁ? 何よそれ。本当なのカズさん!?」
クリスパは椅子から立上がり、テーブルを叩いて身を乗りだし、カズに詰め寄る。
「ま、まぁ」
「ハァー……驚きを通り越して、呆れるわね」
クリスパはため息をつきながら椅子に座り、テーブルに肘をついて、その手に顎を乗せ、目を細めてカズを見る。
カズはクリスパから目を反らし、アレナリアの方を見て、無言で助けを求める。
しかしアレナリアはそれに気付かず、頬を赤くして照れるだけ。
「私の前で、なにイチャついてるのよ。キッシュに言うわよ」
「別にイチャついてなんて。そうだろアレナリア」
「え、ええ。そんなこと……」
「アレナリアは満更でもないみたいよ」
「……あれぇ、キッシュどうしたのかなぁ?(早く戻って来て)」
カズはクリスパに凝視され、アレナリアは隣で赤い顔をしてニヤついていた。
三人が黙ったままでいると、そこにキッシュが嬉しそうに戻って来た。
「今日のお客さんは、お昼も夕食も外で取るから、行って来ても良いって。あれ、皆黙ってどうしたの?」
「なんでもないわ。さぁ、義母さんが良いって言ったなら、行きましょうか」
クリスパが席を立ち、それに続きカズとアレナリアも椅子から立ち上り、四人でココット亭を出る。
人混みを避けるため路地裏を通り、四人は門を抜けて街の外に出る。
カズが先頭を歩き、来るときにマイヒメから降りた草原に向かった。
カズは念話でマイヒメに話し掛け、降り立った場所に来るように連絡した。
「ねぇカズ兄、テイムしたモンスターってどこに居るの?」
「大抵はテイマーと共に居るはずだけど、テイムしたモンスターが大きかったりする場合は別よ。例えば他に、水中でしか生きられないモンスターだったりとかね」
「へぇーそうなんだ。さすがクリ姉ぇ」
「へぇーそうなんだ。さすがクリスパだ」
「テイムしたカズさんが驚いてどうするんですか」
「アハハは。すいません」
「ハァ……それでテイムしたモンスターは、どこから来るの? キッシュがお待ちかねよ」
「そろそろ来る……あ、来たよ」
カズは上空を見て指差すと、三人はその方向を向いた。
「何かが飛んでくるわね」
「カズ兄がテイムしたのって、鳥さんなの?」
「二人とも驚くから、覚悟しておいた方がいいわよ」
「えっ」
アレナリアの言葉に、息を呑んだキッシュは、そっとカズの後ろに隠れる。
するとそこへ、マイヒメがフジと共に降りてきた。
「『どうしたのカズ。またどこかに移動するの?』」
「いや、そうじゃないんだ。この街にも紹介する人が居たから、連れてきたんだ。二人がマイヒメに会いたいって言ったもんでさ。何度も悪いな」
「『そう。別にいいわよ』」
「カズさん。これがテイムしたモンスターなの?」
「カズ兄怖いよ」
クリスパは驚き、キッシュは怯えていた。
「だから言ったでしょ。覚悟しておきなさいって」
「アレナリアさんは、怖くないの?」
「まだ少し怖いけど、テイムしてるのがカズだから平気よ」
「フジ、こっち来てキッシュに挨拶してあげて(フジならキッシュも大丈夫だろ)」
カズが呼ぶと、フジがキッシュ所に寄って来る。
「じゃあ、紹介するよ。こっちの大きい方がマイヒメで、小さい方が子供のフジ。それで、俺の後ろに隠れてるのがキッシュで、もう一人がクリスパ」
「『キッシュとクリスパね』」
「キッシュはただの女の娘だから、マイヒメは冗談でも、つついたりしないように」
「『弱いのね』」
「まぁそうだね」
「カズ兄……触っても、大丈夫かな?」
「さっきまでの威勢はどうしたの? キッシュ」
「だって、あんな大きな生き物見たことないんだもん。怖いよ」
「マイヒメは怖くても、フジなら平気でしょ」
「う、うん。大丈夫だと思う」
「フジ。つついたりしちゃ駄目だからね」
「『優しそうなお姉さんだから、そんなことしないもん』」
「うん。良い子だ(……ん? 優しくなさそうだったら、つつくのか?)」
最初は少し怯えていたが、フジとじゃれあってる内に、キッシュの表情もやわらいできた。
つくづくフジが居て良かったと、カズは思っていた。
キッシュとフジが遊んでいるのを、カズが見ている時、クリスパはマイヒメをじっと見ていた。
「どうしたのクリスパ?」
「ねぇアレナリア。カズさんがテイムしたマイヒメに乗って、ここまで来たって言ったでしょ」
「ええ。それがどうしたの?」
「私も乗って、空高く飛んでみたいわ。ねぇマイヒメ、一度私も乗せてくれない?」
「『ワタシに乗りたいの?』」
「クリスパは怖くないの? 山よりも高く上がるのよ」
「それは怖いわよ。でもこんな機会は滅多にないでしょ。空を飛べる魔法なんて使えないんだから」
「『やっぱりカズじゃないと、言葉は通じないわね』」
「それはそうだけど。私もマイヒメの言葉は分からないから、カズに聞いてみましょう」
「そうね。カズさ~ん」
クリスパは少し離れた所に居るカズを呼ぶと、キッシュとフジを連れて、マイヒメの近くにやってきた。
「どうしたの?」
「お願いがあるんだけど。一度でいいから、私もマイヒメに乗せてくれない?」
「クリスパも空高く飛んでみたいんだって」
「そう言ってるけど、マイヒメはどう?」
「『聞いていたわ。カズの友人なんでしょ。なら良いわよ』」
「マイヒメが良いってさ」
「やったぁ! キッシュも行こう」
「私は怖いからいいよ。フジと遊んでるから、クリ姉は行ってきなよ」
「そう。じゃあそうするわ。よろしくねマイヒメ」
「『ええ』」
「クリ姉気を付けて。怪我しないようにね」
「大丈夫よ。怪我した時は、カズさんに責任とって、一生面倒見てもらうから」
「なんですと!?」
「一生なんて冗談よ」
「冗談か……(ん? 一生じゃないけど責任は取れと?)」
クリスパの笑顔が、何かを企んでるのではと、冗談ながらにカズは思っていた。
「それじゃあアレナリアは、キッシュとフジを見てて。ちょっとクリスパと行ってくるから」
「カズも行くの?」
「そりゃあ、マイヒメの言葉が分かるの俺だけだから(怪我でもされたら後が怖いからな)」
「そ、そうよね。分かったわ。キッシュとフジは、私が面倒見ておくわ」
「よろしく(上空は寒いから、クリスパにも耐性を)」
カズはマイヒメに乗るときクリスパの手を引き、そっと寒冷耐性を与えた。
背中に乗ったのを確認すると、マイヒメは大空高く飛び立った。
「きゃ!」
飛び立った時の勢いで、驚き目を閉じたクリスパは、落ちないようにカズの腕をにしっかりと掴む。
少ししてカズがクリスパを呼ぶと、ゆっくり目を開けた。
「スゴ…い。こんな景色初めて。リアーデの街があんなに小さく」
「喜んでもらえた?」
「ええ、最高の気分。ありがとうカズさん。ありがとうマイヒメ」
「『こんな事で喜んでもらえるなんて』」
「飛べる人なんて居ないから、大空に憧れるんだよ」
「『でもカズは飛べるでしょ』」
「まぁ、俺はね(探せば他にも、フライの魔法を使える人が居るだろうよ)」
十分程の遊覧飛行を終え、カズとクリスパを乗せたマイヒメは、地上へと降りる。
クリスパは満足そうな顔をしていた。
「クリ姉、怖くなかった?」
「気持ち良かったわ」
「クリスパは相変わらず度胸あるのね」
「アレナリアとは違うわよ」
「でも最初に、きゃ、ってかわいい声出してたけどね」
「へぇ。クリスパがねぇ」
「ちょ、カズさん」
珍しくクリスパが顔を赤くして、恥ずかしがっていた。
「ごめんごめん」
「もういいわよ。カズさんのテイムしたモンスターも見れたんだし、街に戻りましょうか。お昼もまだだったから、お腹空いたわ」
「そうね。そうしましょう」
「わ~い。皆でご飯だ!」
「キッシュの食いしん坊は健在だな」
「カズ兄ひど~い。もうそんなに、食いしん坊じゃないも~んだ」
「よく言うわねキッシュ。昨日だってつまみ食いして、義母さんに怒られてたでしょ」
「クリ姉ぇ、それは言わないでよ」
「『カズ。ワタシ達も狩りに行くわ』」
「分かった。アヴァランチェには、ゲートで戻るから」
「『分かったわ。白真の所にでも行ってるわね。フジが話したがってたから』」
「分かった。今日は何度も乗せてもらって、悪かったな。ありがと」
「『別に構わないわよ。しかし主人が仕える……いいえ、なんでもないわ』」
「ん? そうか」
主であるカズに対して、変わっていると発言しようとしたマイヒメだったが、機嫌を損ねてはと言葉を飲み込んだ。
出会ってから数日しか経ってないが、そんな事でカズが怒ったりはしないと思ってはいたが、せめて主の知り合いの前では、敬意をもって接した方が良いのではと考えた。
カズ達四人が街に戻って行くと、マイヒメはフジを乗せて飛び立っていった。
104
あなたにおすすめの小説
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。
どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!
スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!
天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる