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四章 異世界旅行編 2 トカ国
340 マジックカプセル
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《 カズが廃村へと向かいキ町を出てから三時間 》
冒険者ギルドではトリンタの書類仕事の手伝いというなの暇潰しに、アレナリアがレラとビワを連れて一緒に来ていた。
パーティー登録の話をした日に、グリズに気が向いたら短時間だけでも書類仕事を手伝ってくれと頼まれいた。
気が進まなかったが、小さな町で行く所もなく、まあいいかと毎日来ていた。
アレナリアが手伝う書類仕事といっても、さすがに個人情報が多く書かれたのをやらせるわけにはいかず、終わった依頼書の整理など簡単な仕事をしていた。
ある程度時間を見てギルドに来て手伝えば、カズが依頼を終えて戻るのを、ギルドで待つことができるからだった。
そうすれば四人一緒に夕食の買い物をして宿に戻れると、レラとビワも承諾してギルドに来ていた。
正直レラとビワにとっては、最初ギルドに来てもすることがなく暇であった。
ただここ数日でトリンタと親しくなり、話すのが楽しくなっていた。
初めてフェアリーを見たトリンタは驚いていたが、レラの馴れ馴れしい話し方も相俟って、すぐに打ち解けていた。
依頼者や冒険者に見つからないように、ギルドに居るときは、レラはいつも受付の内側に隠れていた。
「これで依頼書の整理は終わりね」
「ありがとうございます。皆さんが来てくれたお陰で、溜まってた依頼が片付きました」
「私がやったのは、ごちゃごちゃになった依頼書の整理だけ、依頼事態はカズ任せ」
「それでもアレナリアさんに手伝ってもらえて助かりました」
「あちしとビワには?」
「そうですね。二人もありがとう」
「ビワは掃除してくれたりしたけど、レラは何もしないでしょ」
「あちしは居るだけで癒しを与えてるからいいの」
「はいはい」
アレナリアはレラの癒し発言をさらっと流しす。
「ねぇトリンタ、他の職員は?」
「副長はお昼過ぎに一度来たんですが、アレナリアさん達が来る少し前に、他の用事でまた出掛けました」
「あらそう。お客も冒険者もあまり来ないから、この程度ならトリンタ一人でも回せそうね。ただ防犯は心配ね。一人くらいは警護として、戦闘に長けた者をギルドに居させた方がいいわよ」
「それはギルド長がしてくれてるんですが」
「そういえば見かけないわね。二階でサボり?」
「あの、今日はちょっと大事な案件で……」
一瞬トリンタがぎこちなくなった。
「ロウカスクとは違って、しっかり仕事してるのね。それと頼んでおいた商人の情報は分かった?」
「あ、はい。もう少しで」
リザードマンを騙した商人について、アレナリアはトリンタに聞いていた。
「そう。はい、終わった依頼書よ。しまっておいて」
手を伸ばして、アレナリアから依頼書の束を受け取ろうとするトリンタ。
「カズ来ないね~。いつもなら依頼を終わらせて戻って来る頃なのに」
レラの言葉を聞いたトリンタは、依頼書の束を受け取りそこね、バラバラと床に落とした。
「ちょっと何してるの、しっかり受け取りなさい。カズを待たせないように、出れるようにしておきたいんだから」
カズという言葉を聞いて、トリンタは動揺する。
「ねぇトリンタ」
「な、なんでしょう」
「カズがどうかしたの?」
「い、いえ…あの……」
依頼書を拾う手が止まるトリンタ。
その反応が気になり、アレナリアは下を向くトリンタの顔を上げさせた。
「何か隠してるわね。正直に言いなさい」
正面からジト目でトリンタを見るアレナリア。
トリンタの目は泳ぎ冷や汗をかく。
「黙ってどうしたのかしら?」
伏し目がちになり、トリンタは語りだした。
グリズが向かった廃村に、カズを向かわせたこと。
廃村にモンスターが住み着いてること。
初めは黙って行かせようとしたことを。
怒鳴られるのではと思い、トリンタは目を閉じ身体は強張る。
「そんなこと」
「ふへ?」
予想外の返答に、トリンタは変な声が出た。
「黙ってようとしたのは許せないわね。でもカズに言ったんでしょ」
「……はい」
「カズが良いって受けたんなら、別に構わないわよ」
「怒ら…ないんですか?」
「正直に話したんだから、別に怒らないわよ」
「でも危険な依頼を」
「二人なら大丈夫よ」
「そうそう。廃村に住み着いたモンスターって言っても、ドラゴンじゃないんだから」
何も心配してないような発言に、トリンタはあっけに取られた。
「カズさんならきっと大丈夫ですよ。ハーブティーを入れましたから、座って落ち着いてください。ここは私が片付けますから」
散らばった依頼書をアレナリアとビワが片付け、トリンタは椅子に座ってビワが用意したハーブティーを一口飲み落ち着く。
「ギルド長が向かったとはいえ、未確認のモンスターの調査をお願いしたのに。皆さんはカズさんを信頼してるんですね」
「カズだから、たかがモンスターの十体や二十体なんてことないわよ」
「あちしという美少女を守る為なら、モンスターの五十体や百体一捻りよ」
また言ってると、レラの美少女発言をアレナリアは無視する。
「そんなに強いんですか?」
「ここまで来るのに、でっかいワームやカニの群を倒し……最近カニ食べてない!」
デザートクラブのことを思い出し、今日の夕食はカニだと決意するレラ。
「カニ?」
「デザートクラブのことよ。私達、砂漠を越えてきたから。あとはそうね、トレントも何体か倒したわよ。カズが」
「もしかして、ここから北西にあるトレントの森ですか?」
「ええ。あの森にトレントが住み着いてるなんて知らなかったから、森を抜けるのに面倒だったわ。蛭も大量に襲ってきて」
「やめてやめて! せっかくカニのこと考えてたのに、あの蠢くの思い出しちゃうから」
「レラもアレナリアさんも、そのくらいにしないと」
「そ、そうね。喋り過ぎはいけないわね」
ビワに感化されて、アレナリアとレラは話す内容を選ぶようにした。
《 トリンタに旅の話を聞かせる二時間前 》
「誰だ!?」
「ど、どうも」
「カズ! どうしてここに?」
「依頼で」
「採取の依頼か! それはさせないようにと、トリンタに言っておいたんだが」
「それはついでで、そのトリンタさんが心配して、戻りが遅いグリズさんの様子を見て来てほしいと頼まれまして」
「そうか。廃村のモンスターについては」
「聞いてます。何か分かりましたか?」
「オークとコボルトだ。何処からか流れてきたか知らんが。どちらもレベルは30前後くらいだろう」
「オークと言うと、この前捕まえた盗賊と同じ」
「いや、今回の連中は野生種だ。だから共通語は話さない」
「共通語を話さない野生種? (前に助けたハーピィと同じ様な感じかな? 話しが通じれば、戦闘せずに済むかも)」
「大戦前と同じ様に好き勝手に生きてる奴らだ。気性が荒く放っておけば町を襲ってくる。強さは大したことないが、今回は数が多い。一体でも逃がせば、今度は直接町にやって来るだろ」
「それは厄介ですね」
「ここまで来たんだ、手伝ってもらうぞ」
「了解です(話して解決は無理そうだ)」
「わいは裏手から先に攻める。奴らが騒ぎ出して、こちらに来たら頼むぞ」
カズが頷くと、グリズは大きく迂回して廃村の裏手に回った。
五分程すると廃村の建物が大きな音を立てて崩れ、数体のオークとコボルトがカズが居る方へと走って来る。
草陰から姿を見せたカズは、一応話し掛けてみた。
しかしオークとコボルトの言葉が片言で、殆ど理解できなかった。
スキルで言葉が解るはずだが、相手に話す気がなければ、通じないようだった。
今までの敵意あるモンスターの言葉が分からなかったも、そういうことだろう。
グリズの言ったよう倒すことだけに意識を移し、カズは現れたオークとコボルトを《分析》した。
レベル26から30のコボルトが四体、レベル28から32のオークが四体、グリズの言った通りレベルだった。
オークは棍棒を持ち、二足歩行の犬のような見た目のコボルトは、己が爪をカズに向け、容易く倒せるだろうと、牙を見せながらコボルトの一体が迫る。
「〈ストーンブレット〉」
コボルトの頭部を礫が高速で貫通する。
一体のコボルトはバタリと倒れ動かなくなった。
それを見た他のコボルトとオークは、奇声を上げながらカズに襲い掛かる。
「〈ウィンドカッター〉」
扇状に広がる飛ぶ風の刃が、三体のコボルトと二体のオークを切り裂く。
上半身と下半身に別れオークとコボルトは、大量の血を吹き出し地面に転がる。
それを見た残りのオーク二体の内一体が、グリズの居る廃村の方へと走って戻り、残りのオーク一体が地面に転がる棍棒を拾い、両手の棍棒を振り回しながらカズに迫る。
廃村へと戻ったオークは、グリズの豪腕で振り回した丸太で頭を潰され倒れた。
残るオーク一体は、カズがアイテムボックスから取り出したトレカを実体化させた刀で、二本の棍棒ごと真っ二つ。
廃村に住み着いたモンスターを全て倒した。
カズの方へと歩いてくるグリズは、ドスンと持っていた大木を投げ捨て、代わりに腰に下げた入れ物から小さな円筒状の物を出し、それを廃村目掛けて投げた。
それが崩れた建物にぶつかり壊れると、廃村内に一気に炎が広がり、倒したオークとコボルトごと燃やしていった。
「息も切らさずに倒すとは流石だ。向こうの処理はあれで大丈夫だろ。あとはカズが倒したこれを燃やせば終わりだ。このまま放置すると、他のモンスターが寄って来かねないからな」
「さっき何を投げました?」
「『マジックカプセル』を知らないのか?」
「マジックカプセル?」
「ああ、コイツだ。少し離れるぞ」
カズが倒したコボルトとオークから離れ、グリズが先程と同じマジックカプセルを投げ、死体を燃やし処理する。
「帝国領土なら誰でも知ってるアイテムだ。本土では使う者が少なくなってきてるがな。まあこの話は町に戻りながらしてやる。少しくらい焼け残っても、この辺りに居るスライムが食って片付けてくれる」
「戻る前に木の実の収穫を」
「残念だが、あの連中に全部食われちまって無い。それは依頼主に話して納得してもらう。他に変更してもらうか、次に実るまでってことで」
危険を排除したカズはグリズは、キ町に戻って行く。
冒険者ギルドではトリンタの書類仕事の手伝いというなの暇潰しに、アレナリアがレラとビワを連れて一緒に来ていた。
パーティー登録の話をした日に、グリズに気が向いたら短時間だけでも書類仕事を手伝ってくれと頼まれいた。
気が進まなかったが、小さな町で行く所もなく、まあいいかと毎日来ていた。
アレナリアが手伝う書類仕事といっても、さすがに個人情報が多く書かれたのをやらせるわけにはいかず、終わった依頼書の整理など簡単な仕事をしていた。
ある程度時間を見てギルドに来て手伝えば、カズが依頼を終えて戻るのを、ギルドで待つことができるからだった。
そうすれば四人一緒に夕食の買い物をして宿に戻れると、レラとビワも承諾してギルドに来ていた。
正直レラとビワにとっては、最初ギルドに来てもすることがなく暇であった。
ただここ数日でトリンタと親しくなり、話すのが楽しくなっていた。
初めてフェアリーを見たトリンタは驚いていたが、レラの馴れ馴れしい話し方も相俟って、すぐに打ち解けていた。
依頼者や冒険者に見つからないように、ギルドに居るときは、レラはいつも受付の内側に隠れていた。
「これで依頼書の整理は終わりね」
「ありがとうございます。皆さんが来てくれたお陰で、溜まってた依頼が片付きました」
「私がやったのは、ごちゃごちゃになった依頼書の整理だけ、依頼事態はカズ任せ」
「それでもアレナリアさんに手伝ってもらえて助かりました」
「あちしとビワには?」
「そうですね。二人もありがとう」
「ビワは掃除してくれたりしたけど、レラは何もしないでしょ」
「あちしは居るだけで癒しを与えてるからいいの」
「はいはい」
アレナリアはレラの癒し発言をさらっと流しす。
「ねぇトリンタ、他の職員は?」
「副長はお昼過ぎに一度来たんですが、アレナリアさん達が来る少し前に、他の用事でまた出掛けました」
「あらそう。お客も冒険者もあまり来ないから、この程度ならトリンタ一人でも回せそうね。ただ防犯は心配ね。一人くらいは警護として、戦闘に長けた者をギルドに居させた方がいいわよ」
「それはギルド長がしてくれてるんですが」
「そういえば見かけないわね。二階でサボり?」
「あの、今日はちょっと大事な案件で……」
一瞬トリンタがぎこちなくなった。
「ロウカスクとは違って、しっかり仕事してるのね。それと頼んでおいた商人の情報は分かった?」
「あ、はい。もう少しで」
リザードマンを騙した商人について、アレナリアはトリンタに聞いていた。
「そう。はい、終わった依頼書よ。しまっておいて」
手を伸ばして、アレナリアから依頼書の束を受け取ろうとするトリンタ。
「カズ来ないね~。いつもなら依頼を終わらせて戻って来る頃なのに」
レラの言葉を聞いたトリンタは、依頼書の束を受け取りそこね、バラバラと床に落とした。
「ちょっと何してるの、しっかり受け取りなさい。カズを待たせないように、出れるようにしておきたいんだから」
カズという言葉を聞いて、トリンタは動揺する。
「ねぇトリンタ」
「な、なんでしょう」
「カズがどうかしたの?」
「い、いえ…あの……」
依頼書を拾う手が止まるトリンタ。
その反応が気になり、アレナリアは下を向くトリンタの顔を上げさせた。
「何か隠してるわね。正直に言いなさい」
正面からジト目でトリンタを見るアレナリア。
トリンタの目は泳ぎ冷や汗をかく。
「黙ってどうしたのかしら?」
伏し目がちになり、トリンタは語りだした。
グリズが向かった廃村に、カズを向かわせたこと。
廃村にモンスターが住み着いてること。
初めは黙って行かせようとしたことを。
怒鳴られるのではと思い、トリンタは目を閉じ身体は強張る。
「そんなこと」
「ふへ?」
予想外の返答に、トリンタは変な声が出た。
「黙ってようとしたのは許せないわね。でもカズに言ったんでしょ」
「……はい」
「カズが良いって受けたんなら、別に構わないわよ」
「怒ら…ないんですか?」
「正直に話したんだから、別に怒らないわよ」
「でも危険な依頼を」
「二人なら大丈夫よ」
「そうそう。廃村に住み着いたモンスターって言っても、ドラゴンじゃないんだから」
何も心配してないような発言に、トリンタはあっけに取られた。
「カズさんならきっと大丈夫ですよ。ハーブティーを入れましたから、座って落ち着いてください。ここは私が片付けますから」
散らばった依頼書をアレナリアとビワが片付け、トリンタは椅子に座ってビワが用意したハーブティーを一口飲み落ち着く。
「ギルド長が向かったとはいえ、未確認のモンスターの調査をお願いしたのに。皆さんはカズさんを信頼してるんですね」
「カズだから、たかがモンスターの十体や二十体なんてことないわよ」
「あちしという美少女を守る為なら、モンスターの五十体や百体一捻りよ」
また言ってると、レラの美少女発言をアレナリアは無視する。
「そんなに強いんですか?」
「ここまで来るのに、でっかいワームやカニの群を倒し……最近カニ食べてない!」
デザートクラブのことを思い出し、今日の夕食はカニだと決意するレラ。
「カニ?」
「デザートクラブのことよ。私達、砂漠を越えてきたから。あとはそうね、トレントも何体か倒したわよ。カズが」
「もしかして、ここから北西にあるトレントの森ですか?」
「ええ。あの森にトレントが住み着いてるなんて知らなかったから、森を抜けるのに面倒だったわ。蛭も大量に襲ってきて」
「やめてやめて! せっかくカニのこと考えてたのに、あの蠢くの思い出しちゃうから」
「レラもアレナリアさんも、そのくらいにしないと」
「そ、そうね。喋り過ぎはいけないわね」
ビワに感化されて、アレナリアとレラは話す内容を選ぶようにした。
《 トリンタに旅の話を聞かせる二時間前 》
「誰だ!?」
「ど、どうも」
「カズ! どうしてここに?」
「依頼で」
「採取の依頼か! それはさせないようにと、トリンタに言っておいたんだが」
「それはついでで、そのトリンタさんが心配して、戻りが遅いグリズさんの様子を見て来てほしいと頼まれまして」
「そうか。廃村のモンスターについては」
「聞いてます。何か分かりましたか?」
「オークとコボルトだ。何処からか流れてきたか知らんが。どちらもレベルは30前後くらいだろう」
「オークと言うと、この前捕まえた盗賊と同じ」
「いや、今回の連中は野生種だ。だから共通語は話さない」
「共通語を話さない野生種? (前に助けたハーピィと同じ様な感じかな? 話しが通じれば、戦闘せずに済むかも)」
「大戦前と同じ様に好き勝手に生きてる奴らだ。気性が荒く放っておけば町を襲ってくる。強さは大したことないが、今回は数が多い。一体でも逃がせば、今度は直接町にやって来るだろ」
「それは厄介ですね」
「ここまで来たんだ、手伝ってもらうぞ」
「了解です(話して解決は無理そうだ)」
「わいは裏手から先に攻める。奴らが騒ぎ出して、こちらに来たら頼むぞ」
カズが頷くと、グリズは大きく迂回して廃村の裏手に回った。
五分程すると廃村の建物が大きな音を立てて崩れ、数体のオークとコボルトがカズが居る方へと走って来る。
草陰から姿を見せたカズは、一応話し掛けてみた。
しかしオークとコボルトの言葉が片言で、殆ど理解できなかった。
スキルで言葉が解るはずだが、相手に話す気がなければ、通じないようだった。
今までの敵意あるモンスターの言葉が分からなかったも、そういうことだろう。
グリズの言ったよう倒すことだけに意識を移し、カズは現れたオークとコボルトを《分析》した。
レベル26から30のコボルトが四体、レベル28から32のオークが四体、グリズの言った通りレベルだった。
オークは棍棒を持ち、二足歩行の犬のような見た目のコボルトは、己が爪をカズに向け、容易く倒せるだろうと、牙を見せながらコボルトの一体が迫る。
「〈ストーンブレット〉」
コボルトの頭部を礫が高速で貫通する。
一体のコボルトはバタリと倒れ動かなくなった。
それを見た他のコボルトとオークは、奇声を上げながらカズに襲い掛かる。
「〈ウィンドカッター〉」
扇状に広がる飛ぶ風の刃が、三体のコボルトと二体のオークを切り裂く。
上半身と下半身に別れオークとコボルトは、大量の血を吹き出し地面に転がる。
それを見た残りのオーク二体の内一体が、グリズの居る廃村の方へと走って戻り、残りのオーク一体が地面に転がる棍棒を拾い、両手の棍棒を振り回しながらカズに迫る。
廃村へと戻ったオークは、グリズの豪腕で振り回した丸太で頭を潰され倒れた。
残るオーク一体は、カズがアイテムボックスから取り出したトレカを実体化させた刀で、二本の棍棒ごと真っ二つ。
廃村に住み着いたモンスターを全て倒した。
カズの方へと歩いてくるグリズは、ドスンと持っていた大木を投げ捨て、代わりに腰に下げた入れ物から小さな円筒状の物を出し、それを廃村目掛けて投げた。
それが崩れた建物にぶつかり壊れると、廃村内に一気に炎が広がり、倒したオークとコボルトごと燃やしていった。
「息も切らさずに倒すとは流石だ。向こうの処理はあれで大丈夫だろ。あとはカズが倒したこれを燃やせば終わりだ。このまま放置すると、他のモンスターが寄って来かねないからな」
「さっき何を投げました?」
「『マジックカプセル』を知らないのか?」
「マジックカプセル?」
「ああ、コイツだ。少し離れるぞ」
カズが倒したコボルトとオークから離れ、グリズが先程と同じマジックカプセルを投げ、死体を燃やし処理する。
「帝国領土なら誰でも知ってるアイテムだ。本土では使う者が少なくなってきてるがな。まあこの話は町に戻りながらしてやる。少しくらい焼け残っても、この辺りに居るスライムが食って片付けてくれる」
「戻る前に木の実の収穫を」
「残念だが、あの連中に全部食われちまって無い。それは依頼主に話して納得してもらう。他に変更してもらうか、次に実るまでってことで」
危険を排除したカズはグリズは、キ町に戻って行く。
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