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五章 テクサイス帝国番外編 3.5 魔族領一人旅
751 海の近くの村落へ
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日が昇ったが雲が多く、今のところ雨は降りそうにないが、今日は一日曇り空か。
視界の端から正面に移動させたマップを見ていたら、海沿いを約5キロ移動したところでリールが止まった。
場所が海から近い林の中、自宅に戻ったという感じではない。
木の陰に身を隠して、休憩しながら追って来てないか周囲を伺っている事だろう。
具沢山のスープを食い逃げされた事や、黙って逃げ去った事を問い詰めるつもりはない。
漂流しているところを助けたからと、見知らぬ人物を信用しろというのは難しいだろう。
それでも構わないが、現在地が魔族領の何処になるのか確かめる必要がある。
リールが自宅のある集落に戻れば、少なからず数十人は居る筈。
道を尋ねる程度なら、誰かしら話してくれるだろうと考え、視界の端にマップを移動させ、リールの行動を確認しながら後を追う。
林に入るとマップには獣の反応がちらほらと。
どれもネズミなどの小動物で危険はなさそう。
止まっていたリールが動き出したのをマップで見て、やはり休憩を取っていたのだろう、と。
リールは林の奥へと歩を進めていた。
海から3キロ程の場所で右へ左へと、おかしな動きをしていた。
十分もすると真っ直ぐに歩き出し、暫くすると同じ様に右へ左へ、行ったり来たりとしていた。
距離を取りつつ後を追い、最初におかしな動きをした場所に着いた。
周囲を見渡すも、木と草だけで他に何かあるわけではない。
よくよく観察すると、草をむしった跡が見て取れた。
そこで周囲の草木を【鑑定】すると、傷薬や毒を取り除く効果のある草が生えていた。
この事からリールは薬草を摘んでいたと考えられた。
逃げている割には、随分と余裕がある。
リールから距離にして1キロ程を保ち、五時間以上移動して来たところで、リールに近付く人物の反応が一つ現れた。
少しの間立ち止まっていると、一緒に同じ方向に歩き出した。
《気配感知》と《魔力感知》を使い、リールともう一人が向かった先を探る。
する複数人の反応を感知し、それと同時にマップに反応が出た。
現状分かる限りで、新たに現れた反応は三十四。
一定の場所からあまり移動してないところを見ると、小さな集落があると思える。
これで現在地が分かるかも知れないと、集落があると思える場所に向かって行く。
途中で海から村に通じる道があるのを発見して、林を抜けるよりそちらの方が怪しまれないだろうと道に出る。
道幅は2メートル程と狭く、深い車輪の跡があったので、荷車が頻繁に通っていると考えられる。
漁をして魚介類を他の村か町に流通しているのであれば、大きな街の情報が得られるかも知れない。
といってもこれは勝手な考えであって、実際に漁をして周辺の村や町に魚介類を卸しているかは分からない。
深い車輪がある狭い道を外れて林の中に入り、リールがたどり着いた村を目視で確認。
分かるだけで村人の多くは中年以上が多く、若者や子供は一人二人しか確認できなかった。
人族を恨んでいる頭の固い老人がいなければと、深い車輪がある道に戻り、村に向かって歩いて行く。
さてどういった反応をされるか。
問題事を起こしたくなければ、見知らぬ土地の住人と関わらなければいいのだが、どうしても現在地を知りたいので、誰かしらと関わらなければならはい。
リールが好意的であれば、この場所から東西南北それぞれの方向に、何があるかを聞けたのだが、残念な事にそれは叶わなかった。
元居た世界の人見知りがここに来て出て来てしまったのか、なんか緊張してきたような気がする。
村の数十メートル手前で一度止まり、カズは大きく深呼吸して、胸を張り歩を進める。
村には柵や門などはなく、すんなりと入る事は出来た。
見知らぬ人物が村に入って来たのを、浅黒い中年男性が気付き、近くに居た同年代くらいの女性に声を掛けてカズを見る。
カズはそれに気付いていたが、たった今気付いて目が合ったかの様にして、浅黒い中年男性と女性に軽く会釈をした。
敵意がないと思ってくれたかは分からないが、浅黒い中年男性がカズに近付いて来た。
何か言われるよりも先に挨拶をした方がいいと考え「こんにちは。道を聞きたくてこちらに寄らせてもらいました」と、浅黒い中年男性に話し掛けた。
浅黒い中年男性はカズを足元から頭の上までを見ると「あんたがリールを助けたって人か?」と言ってきた。
どうかやらリールが村人達に話していたらしく、浅黒い中年男性がカズを村長宅へと案内すると。
流石に断ると面倒になるので、ここは大人しく浅黒い中年男性に付いて行き、村長宅に向かう事に。
村にある住宅はどれも外見はほぼ同じ様な作りになっていた。
窓や扉の隙間から、怪しむ視線がカズに向けられる。
他の村人とすれ違う事なく、住宅の間を抜けて村の奥へと進み、浅黒い中年男性が一軒の家の前で止まった。
外から声を掛けると家の引き戸が開き、肩より少し長いくらいの髪を後ろで一つに結んだ中年女性が顔を出した。
浅黒い中年男性からカズに視線を移し、家の中に入るよう招かれる。
家に入るのはカズ一人で、浅黒い中年男性は村長宅から離れて行く。
靴を脱ぎ村長宅に上がり、髪を後ろで一つに結んだ中年女性に、一室へと案内される。
部屋には見た目、四十歳後半から五十歳前半くらいだと思える、ガタイのいい男性が座っていた。
案内してきた髪を後ろで一つに結んだ中年女性に、テーブルを挟んでガタイのいい男性の向い側に座るよう促される。
カズは入室の際に軽く会釈をして、ガタイのいい男性の向い側に座る。
ここまで案内してきた髪を後ろで一つに結んだ中年女性も部屋に入り、カズの斜め後ろの部屋の隅に座った。
さてどうしたものかと考え、取り敢えず挨拶と簡単な自己紹介でもしておこうかと言葉を発しようとしたが、先に「話は聞いている。なんでも漂流していたリールを助けてくれたとか」と、話を振ってきた。
どうやって助けたかは話さず、漂流していたリールの服を脱がせて濡れた体を拭き、テントで休ませ食事を与えたと話した。
嘘は付いてない。
漂流していたのをどうやって見付け、陸地まで運んだのか気になっている様子だった。
「道をたずねに来たと言う事だが、そちらも船が流されてでもしたのか? でなければ、こんな所には来ないでしょうからね」
「訳あってここより西にある島から来ました。それで実はここがどこかもわからなくて」
嘘は言ってないが、無人島から一人で来たと聞き、カズを怪しむ素振りを見せた。
そこへカズを村長宅に案内してきた浅黒い男性の声が外からした。
当事者のリールを連れて来たと。
するとカズの斜め後ろに座っていた、髪を後ろで一つに結んだ中年女性が立ち上がり、部屋を出て玄関へと向かった。
一分もしない内にリールと共に村長の部屋に戻って来た。
リールはカズの姿を見ると、気不味そうに目を泳がせていた。
髪を後ろで一つに結んだ中年女性が先程の位置に座り、リールは手招きをされてその隣に座った。
カズと出会った時の事を話すように言われていたらしく、リールは昨日テント内で目が覚めたとこから、これまでの経緯を話した。
カズが火に焚べる枯れ枝を拾い集めにテントを離れた後、残った具沢山のスープを平らげて、黙って村に逃げ帰った事を話す。
流石に食い逃げをしたのを正直に話す時は、気不味くて小声になっていた。
そこは適当に嘘を付くものかとカズは思っていたが、村長の前では誤魔化しがきかないと思ったのか、リールは素直に全部話した。
当然鋭い視線が二人からリールに飛ぶ。
視界の端から正面に移動させたマップを見ていたら、海沿いを約5キロ移動したところでリールが止まった。
場所が海から近い林の中、自宅に戻ったという感じではない。
木の陰に身を隠して、休憩しながら追って来てないか周囲を伺っている事だろう。
具沢山のスープを食い逃げされた事や、黙って逃げ去った事を問い詰めるつもりはない。
漂流しているところを助けたからと、見知らぬ人物を信用しろというのは難しいだろう。
それでも構わないが、現在地が魔族領の何処になるのか確かめる必要がある。
リールが自宅のある集落に戻れば、少なからず数十人は居る筈。
道を尋ねる程度なら、誰かしら話してくれるだろうと考え、視界の端にマップを移動させ、リールの行動を確認しながら後を追う。
林に入るとマップには獣の反応がちらほらと。
どれもネズミなどの小動物で危険はなさそう。
止まっていたリールが動き出したのをマップで見て、やはり休憩を取っていたのだろう、と。
リールは林の奥へと歩を進めていた。
海から3キロ程の場所で右へ左へと、おかしな動きをしていた。
十分もすると真っ直ぐに歩き出し、暫くすると同じ様に右へ左へ、行ったり来たりとしていた。
距離を取りつつ後を追い、最初におかしな動きをした場所に着いた。
周囲を見渡すも、木と草だけで他に何かあるわけではない。
よくよく観察すると、草をむしった跡が見て取れた。
そこで周囲の草木を【鑑定】すると、傷薬や毒を取り除く効果のある草が生えていた。
この事からリールは薬草を摘んでいたと考えられた。
逃げている割には、随分と余裕がある。
リールから距離にして1キロ程を保ち、五時間以上移動して来たところで、リールに近付く人物の反応が一つ現れた。
少しの間立ち止まっていると、一緒に同じ方向に歩き出した。
《気配感知》と《魔力感知》を使い、リールともう一人が向かった先を探る。
する複数人の反応を感知し、それと同時にマップに反応が出た。
現状分かる限りで、新たに現れた反応は三十四。
一定の場所からあまり移動してないところを見ると、小さな集落があると思える。
これで現在地が分かるかも知れないと、集落があると思える場所に向かって行く。
途中で海から村に通じる道があるのを発見して、林を抜けるよりそちらの方が怪しまれないだろうと道に出る。
道幅は2メートル程と狭く、深い車輪の跡があったので、荷車が頻繁に通っていると考えられる。
漁をして魚介類を他の村か町に流通しているのであれば、大きな街の情報が得られるかも知れない。
といってもこれは勝手な考えであって、実際に漁をして周辺の村や町に魚介類を卸しているかは分からない。
深い車輪がある狭い道を外れて林の中に入り、リールがたどり着いた村を目視で確認。
分かるだけで村人の多くは中年以上が多く、若者や子供は一人二人しか確認できなかった。
人族を恨んでいる頭の固い老人がいなければと、深い車輪がある道に戻り、村に向かって歩いて行く。
さてどういった反応をされるか。
問題事を起こしたくなければ、見知らぬ土地の住人と関わらなければいいのだが、どうしても現在地を知りたいので、誰かしらと関わらなければならはい。
リールが好意的であれば、この場所から東西南北それぞれの方向に、何があるかを聞けたのだが、残念な事にそれは叶わなかった。
元居た世界の人見知りがここに来て出て来てしまったのか、なんか緊張してきたような気がする。
村の数十メートル手前で一度止まり、カズは大きく深呼吸して、胸を張り歩を進める。
村には柵や門などはなく、すんなりと入る事は出来た。
見知らぬ人物が村に入って来たのを、浅黒い中年男性が気付き、近くに居た同年代くらいの女性に声を掛けてカズを見る。
カズはそれに気付いていたが、たった今気付いて目が合ったかの様にして、浅黒い中年男性と女性に軽く会釈をした。
敵意がないと思ってくれたかは分からないが、浅黒い中年男性がカズに近付いて来た。
何か言われるよりも先に挨拶をした方がいいと考え「こんにちは。道を聞きたくてこちらに寄らせてもらいました」と、浅黒い中年男性に話し掛けた。
浅黒い中年男性はカズを足元から頭の上までを見ると「あんたがリールを助けたって人か?」と言ってきた。
どうかやらリールが村人達に話していたらしく、浅黒い中年男性がカズを村長宅へと案内すると。
流石に断ると面倒になるので、ここは大人しく浅黒い中年男性に付いて行き、村長宅に向かう事に。
村にある住宅はどれも外見はほぼ同じ様な作りになっていた。
窓や扉の隙間から、怪しむ視線がカズに向けられる。
他の村人とすれ違う事なく、住宅の間を抜けて村の奥へと進み、浅黒い中年男性が一軒の家の前で止まった。
外から声を掛けると家の引き戸が開き、肩より少し長いくらいの髪を後ろで一つに結んだ中年女性が顔を出した。
浅黒い中年男性からカズに視線を移し、家の中に入るよう招かれる。
家に入るのはカズ一人で、浅黒い中年男性は村長宅から離れて行く。
靴を脱ぎ村長宅に上がり、髪を後ろで一つに結んだ中年女性に、一室へと案内される。
部屋には見た目、四十歳後半から五十歳前半くらいだと思える、ガタイのいい男性が座っていた。
案内してきた髪を後ろで一つに結んだ中年女性に、テーブルを挟んでガタイのいい男性の向い側に座るよう促される。
カズは入室の際に軽く会釈をして、ガタイのいい男性の向い側に座る。
ここまで案内してきた髪を後ろで一つに結んだ中年女性も部屋に入り、カズの斜め後ろの部屋の隅に座った。
さてどうしたものかと考え、取り敢えず挨拶と簡単な自己紹介でもしておこうかと言葉を発しようとしたが、先に「話は聞いている。なんでも漂流していたリールを助けてくれたとか」と、話を振ってきた。
どうやって助けたかは話さず、漂流していたリールの服を脱がせて濡れた体を拭き、テントで休ませ食事を与えたと話した。
嘘は付いてない。
漂流していたのをどうやって見付け、陸地まで運んだのか気になっている様子だった。
「道をたずねに来たと言う事だが、そちらも船が流されてでもしたのか? でなければ、こんな所には来ないでしょうからね」
「訳あってここより西にある島から来ました。それで実はここがどこかもわからなくて」
嘘は言ってないが、無人島から一人で来たと聞き、カズを怪しむ素振りを見せた。
そこへカズを村長宅に案内してきた浅黒い男性の声が外からした。
当事者のリールを連れて来たと。
するとカズの斜め後ろに座っていた、髪を後ろで一つに結んだ中年女性が立ち上がり、部屋を出て玄関へと向かった。
一分もしない内にリールと共に村長の部屋に戻って来た。
リールはカズの姿を見ると、気不味そうに目を泳がせていた。
髪を後ろで一つに結んだ中年女性が先程の位置に座り、リールは手招きをされてその隣に座った。
カズと出会った時の事を話すように言われていたらしく、リールは昨日テント内で目が覚めたとこから、これまでの経緯を話した。
カズが火に焚べる枯れ枝を拾い集めにテントを離れた後、残った具沢山のスープを平らげて、黙って村に逃げ帰った事を話す。
流石に食い逃げをしたのを正直に話す時は、気不味くて小声になっていた。
そこは適当に嘘を付くものかとカズは思っていたが、村長の前では誤魔化しがきかないと思ったのか、リールは素直に全部話した。
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