人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ

文字の大きさ
835 / 912
五章 テクサイス帝国編 4 再会と帝都からの旅立ち

812 見聞きした事の報告 4 会談に向けての証拠集め

しおりを挟む
 皇族が集まる時は大丈夫なのかと、カズは心配になりレオラに尋ねる。

「第三皇女と第四皇女は姉上と仲が良い。アタシや護衛がいない時は、一緒に居るようにしてもらってる」

「クルル姉さまとライラック姉さまも、第二皇子とは仲がよろしくないので、言い寄られそうになっても、庇ってくれますのよ」

「皇族内でレスタの味方になるのは、直系の皇帝だけだが、一年程前からレスタに不信感を抱いてるらしい。だからここでレスタのやって来た事を、この会談で暴露するば確実に罪に問える。そうなれば皇族の地位を剥奪されるだろう」

「これまでやって来た事が明らかになれば、皇帝でも庇う事はしないでしょう。わたくしとレオラちゃんが嘘を言ってると反論してくるでしょうが、禁止されてる薬物を使用した証拠が第二皇子から検出されれば、言い逃れる事はできません」

「同じ皇族とはいえ、そんな簡単に検査できるの? 第二皇子てことは、二人より継承権は上で、しかも皇帝の直系なんでしょ」

 帝国の貴族相手なら、皇族のレオラやアイリスが直命を出せば、他の皇族と親しくしてない限り断るのはほぼ無理だろう。
 しかし相手は皇帝の直系である第二皇子、そう上手くいくのかとアレナリアが疑問を口にする。
 
「現状で五割。ミイからの連絡と調査で、有益な情報がどの程度得られるか。それで六割と言ったところか。あとは捕らえた賊が、禁止されてる薬物に関係してれば」

「確実性を高めるなら、九割以上ないと不安なところだな。第二皇子の屋敷に忍び込んで証拠を見つけるなら、俺が」

 失敗すればレオラは良くて数十年の投獄か国外追放、最悪の場合は極刑。
 アイリスは第二皇子レスタの婚約する事になり、生涯付き添い言いになりなる事だろう。
 それを回避するには、より確実な証拠が必要だと、カズが第二皇子の屋敷に潜入すると買って出る。

「カズが行方不明にならなければ頼んでいたろうが、今はギルマスに協力してもらってる。それにカズも言ったろ。皇族の相手は同じ皇族でないと」

「それはそうだが」

「それに今カズが生きていると知られると、それこそレスタが警戒するだろう。バイアステッチでの賊討伐の情報は、帝都ではアタシらしか知らない事だ。サイネにもミイから連絡が来たとしか知らない。だからギルドには出来る限り誰とも接触せず…あ、いや……ギルドに転移できないのか?」

「残念ながら、一度行かないと無理だな。出来るなら、レオラの屋敷に転移してる」

 カズには一度ギルド本部に行ってもらいたいと考えてるレオラだが、行方不明となっているカズを正面から行かせるのは避けたい。
 
「なら私が一人で行くわ。私ならサイネリアを呼び出す事も出来るし、個室に案内してもらえるでしょ」

「アレナリアが一人で行ってどうする? カズに行かせたいんだぞ」

 見当違いの事を言うアレナリアに、レオラは意味が分からなかった。

「カズは私達の所に転移出来るの。だから私がギルドに入って、念話でカズに連絡すれば」

「なるほど。それならカズが見られることはないか。しかしそのままでは行かせられないぞ」

「変装でしょ。わかってるわ。ネモフィラの軽装備を貸してもらえれば、どこかの貴族に仕える騎士としか見えないでしょ」

 ネモフィラも背は低く細身だが、アレナリアの方が小さいので、一堂は流石にだぼだぼ装備になるので、無理ではないかと思った。

「そんなら、あちしの方がいいっしょ。元の大きさに戻れば、こっそり飛んで行ってギルドに入れる自信あるよ」

 次にレラが名乗りを上げて、気付かれずギルド本部に入れると言い出す。
 ギルド本部にそう簡単に入れるわけはなく、誰かに見つかりでもしたら、珍しい妖精族フェアリーだと目立ってしまう。

「あのねぇ、潜入してどうするのよ。サイネリアに会って事情を説明しないと、カズを呼べないでしょ」

「そっか! えへへへッ」

 結局アレナリアがギルド本部に行き、念話でカズを呼ぶ事になった。

「ちょっと話を戻すが、ブーロキアとパラガスの関係はどうだったんだ?」

「聴取でわかったのは、接触したはブーロキアの方からだ」


 ブーロキアの方からパラガスに近付き、ビワに目を付けていたパラガスに話を持ち掛けたと、聴取してわかった。
 そしてブーロキアを裏で操っていたのが、第二皇子レスタだという証拠になり得る情報が、最近亡国セテロンから見付かった。
 帝国の皇族が、種族売買に関わっていると知られるのは大問題。
 しかもそれが皇帝の直系である第二皇子となれば、揉み消されてもおかしくない内容。
 だからこれは他の証拠が揃えば、決め手として最後に突き付ける。
 アタシが逆賊として処刑され、姉上がレスタのめかけになるか、レスタの罪が明るみに出て皇族の地位剥奪されて拘束されるか、どちらに転んでも、次回の皇族同士の会談が、帝国にとっての大きな転機を迎える。


「ふむふむ。なるほどね……で、結局どうなの?」

「ちゃんと話し聞いてたの? それともいつもみたいに寝てたの? レラ」

「寝てないよ! 起きてたの見てたっしょ! 話があれやこれやで、頭の中グチャグチャなんだもん!」

「二人ともそれくらいに。半年の情報を一気に聞かされた俺も、正直処理しきれなくなってきた。すまないが、今現在どういう状況なのか、教えてくれないか」

「カズお前……月で老化したか? それとも魔族領でアンデットや悪魔と戦い、戦闘狂にでもなったのか?」

「そんな事はないと思うんだけど(グレーターデーモンと戦った事は、黙ってるべきだったかな)」

「カズだから、今さらか」

 それはどういう意味だ? と、ツッコみたくなったが、また脱線しては話が進まなくなるのでやめた。

「で、現状どうなってるのか、レラにもわかるように教えてくれ」

「そうそう。ちょこっと、おバカなあちしにもッて! 誰がバカな美少女フェアリーだ! えへッ」

「そこまで言ってないわよ。それにレラは美少女フェアリーじゃないわよ。食い意地フェアリーの間違いでしょ」

「なにゅおぅ」

「何が、えへッ、よ。真面目な話をしてるんだから、話が終わるまでふざけるの我慢しなさい」

「だって、あれやこれやで、わかんなくなってきちゃったんだもん!」

「だからそれを、レラでもわかるように、話してくれるんでしょ」

「アレナリア、そのくらいで。レラも、もう少しだから(レオラにツッコむのをやめたのに、結局レラが飽きてボケだして、アレナリアがツッコんで脱線する。お決まりの展開になってしまったな)」

「じゃれ合いは終わったか?」

「別にじゃれ合ってるわけじゃない」

「レラが騒ぎ出す前に、現在の状況を話して終わりにしよう」

「なッ! あちしのせいで大事な話を終わらせて、二人が亡き者になったら、とり憑かれちゃう!」

「くく…アハハハはッ! ゴーストになっても自我があるのなら、それはそれでしがらみがなくなり面白そうだ」

「もぅ! レオラちゃんは何を言ってるの。そうなったら帝国は、亡国のようになるのよ」

「冗談だよ、姉上。帝国をセテロンのようにはさせない。最悪アタシ一人で……」

「ねぇねぇ、現状を話す前に、物騒な事を言わないでよ。レラもバカな事を言わないの。話が進まないでしょ」

「アレナリアの言う通りだ。レオラもレラの言ったことに乗るなよ」

 カズに注意されてレラは黙り、レオラの話が終わるまで、もう少し難しい話に耳を傾けて待つ事に。
 アレナリアも脱線しないように、レラがボケてもツッコむ事はしないようにした。

「お前達と一緒だと、退屈しなくていい。さて現状だが、かしこまらずに聞き流す程度でいいぞ」
しおりを挟む
感想 91

あなたにおすすめの小説

最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~

渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。 彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。 剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。 アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。 転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった! 剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。 ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。

異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~

タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。 時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま! 「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」 ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは―― 公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!? おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。 「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」 精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

処理中です...