不自由と快楽の狭間で

Anthony-Blue

文字の大きさ
27 / 231

27.置き去りの気持ち

しおりを挟む
 ボクが、強引なのはわかっている。相手は、あくまでもお金のためにしている行為なのである。しかし、それがここまで無機質に感じてしまう理由はボク自身がはっきり理解している。そう、「咲恵」と過ごしたあの甘美な時間が、ボクの記憶に大きく刻み込まれてしまったからだ。

 今、ボクの股間に顔を埋めて、ボクのペニスを咥えて怠惰に頭を上下させているのが、まるで人形のように冷たく感じられ、罪悪感と嫌悪感が胸の中で渦巻いている。その上、こんな陳腐な刺激でさえ反応して堅くなりかけてる自分のモノにもイラつきを覚えている。

『なんで、こんなことで勃っているんだよ』

 もう一人の自分が、頭の中で叫んでいる。

「ねぇ、立ち上がってむこう向いて」

 美貴の口からペニスを外させ、ボクの前に立たせる。

「足、もっと開いて」

「こうですか」

 美貴の開いた足の間に、車椅子を滑り込ませて美貴の背中を押して前屈みにさせる。

「えっ、なにするんですか」

 その問いには応えず、大まかに位置を合わせて美貴の腰をつかんで押し下げる。湿り気を帯びた膣口にボクの硬くなったペニスが押し込まれてゆく。

「あっ、なにするんですか」

 逃げようとする美貴を後ろから抱きしめて、さらに深く根元までペニスを突っ込んだ。

「ダメです。ゴムもしてないのに」

「我慢出来ないんだよ。すぐ抜くから」

 ボクは、できるだけ足に力を入れて、下から突き上げる。

「うっうっーん」

 ボクの動きに反応して、美貴が息を荒げて声を上げる。逃げる気配がないのを感じて、腰をつかんでいた腕をほどいて、お尻の間に手を入れて上下運動を助けた。

「自分で動いてみてよ」

 美貴の返事は聞こえなかったが、両手で車椅子のフレームを持ちゆっくりと腰を動かし始めた。腰の動きは、徐々に動きを早めていった。

「あっ、あっ」

 動きを止めたボクの上で、美貴は声のボリュームを上げながら動きを早めていった。上下運動だけだった腰の動きは、前後に動きを変えて、そして骨盤だけを前後に振り始めていた。

「いっ、いきそうです」

 美貴は、そう言って尻の筋肉を痙攣させたかと思うと、前身をガクガクと震わせて動きを止めた。激しく背中で呼吸をしている美貴からペニスを抜くと、ソファーに体を投げ出した。ジーンズの間からそそり立っているボクのペニスは、美貴の愛液でベトベトに濡れて光っている。

「ボクのパンツまで、キミのお汁で濡れてしまったよ」

 ボクは、ジーンズのホックを外して、湿り気を含んだボクサーパンツにペニスを納めた。

「ご、ごめんなさい」

「案外、エッチは好きなんだね」

「そんなことはないんですけど・・・」

「あんなに感じといて」

「ああ、あんなに気持ちよかったのは久しぶりだったので」

「そうなんだ」

「はい。ああいう体位でやったことなくて」

 美貴は、オーガズムの波が落ち着いたようで、ソファーに起き上がって応えた。相手がどんな生活してるのか、どんな人となりなのかも知らないまま、体の関係を持つことの不自然さがボクの快感をそぎ落としてしまったような感じだった。絶頂感もないまま勃ち続けているモノに違和感を抱いていた。

「まだ、元気なんですね」

 美貴は、大きく膨らんだままの股間に目線を移して言った。

「そうだね、ぼくは、まだ満足してないし」

「お風呂入りましょうか」

 今日、出会って初めて、美貴の能動的な言動を聞いた気がした。

「そうだね」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...