不自由と快楽の狭間で

Anthony-Blue

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31.心とカラダ

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「もう、上がりましょうか」

 美貴はそう言って、浴槽から立ち上がった。

「車椅子、持ってきます」

「ありがとう」

 ボクは浴槽から引き上げられて、車椅子に乗せられた。バスタオルで体を拭いてベッドに移動する。ベッドの上に移ると、カラダにバスタオルを巻いた美貴もボクの隣に横になった。

「初めて会った男とエッチするのって、どんな気持ちなんだろう」

 ボクの発した言葉とは裏腹に、美貴のカラダを包んでいるバスタオルに手をかけて剥ぎ取った。裸になったカラダを、こちらに向かすと乳房とお腹の肉が寄って、余計にグラマラスに見える。「普通の女性だったら、抵抗感があるんでしょうけど、私はそういう感情の部分が壊されてたので、今さらっていう感じはします」

「お金のためだと、割り切ってる」

「そうですね。怖い人はイヤですけど、ある意味、元の主人が一番恐ろしかったですから」

「暴力とか振るわれてたの」

「ええ、気に入らないことがあると、手を上げられてましたね。手元にお金がある時はよその女と浮気してるんですけど、お金がなくなると、私にカラダを求めてきてました。狭いアパートだったので、娘の前でも私を求めてきて。娘が小学生になっても、お構いなしでやってましたね。それを拒むと、娘に手を出しそうで怖かったです」

「娘さんは、大丈夫だったの」

「彼は、『どうせオレの子じゃないかもしれないんだから』とよく言ってました。私が仕事に出ている間になにかされたのかもしれません。仕事から帰ってくると下着を履いてない娘が泣いて抱きついて来たことがありました。私がなにかされるのは我慢すればいい事ですが、娘に手を出していたのは我慢出来なくて、実家に娘を連れて帰ってましたね」

「それで離婚されたんですね」

「はい、もう限界になってしまって。でも、お金に困って、男性のお世話になってしまうんですよ。それでも、私にカラダは反応してしまうんです。頭が真っ白になるくらい気持ちよくなって、逝ってしまったりする私のカラダが許せなくって。ダメですね、私って」

 そういうと美貴は、シーツに顔を埋めた。

 今日のボクがいつもと違うのは、美貴のそんな匂いを感じ取っていたかもしれない。

「今日は、これでやめて帰りませんか」

「えっ、」
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