緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

文字の大きさ
38 / 178

38話 ミドリムシのダンジョンで家族が増える

しおりを挟む

 ヒカリが山頂を目指し飛んでいると徐々にその山肌が白くなっていく。



 そんな中、山肌でも木が多く茂っている所に猿のモンスター達を発見する。上空からなぜ発見できたかというと木が生い茂っている中にポッカリ穴が開いた場所がありそこに生えている1本の木にモンスター達が群がっていたからであった。



 ヒカリは、その木に近づいていくと声が聞こえ始める。



「あんた達また来たわね! 私の実は上げないわよ! 」



 その言葉はその木の小さなドライアドが発していた。その言葉は気の強いものであったがヒカリが見ている間にみるみる弱弱しいものに変わっていった。



「うえ~ん! 最近やっと木から顕現できるようになったらこんな猿のモンスターに目を付けられるし、このまま結界を張り続けたらただの木に戻っちゃうよ~ 誰か助けて~! 」



 そんな声を聞いたヒカリは急降下し猿のモンスター達を子供達と一緒に討伐するのであった。



「ひぃ! でっかいキラービー! 私の実をあげるから殺さないで~ 」



「あなたの実も要りませんし殺しもしません。だから少し落ち着きなさい」



 困った顔をしながらヒカリはドライアドの子供に話かける。胡蝶の時もそうであったがヒカリは子供に弱かった、特に蟲人や虫のモンスター、ドライアドなどの子供には目が無かった。



 ドライアドが緑の波長と近いのかヒカリは最近顕現したばかりの子供のドライアドが可愛くて仕方がなくぜひ友達になりたいと考えていた。



 そんなヒカリはドライアドに尋ねる。



「あなた達ドライアドはみんな顕現して間もない時は小さな子供の姿をしてるの? 」



「うん、そうだよ! お姉さんたちもそっちのキラービー達も小さ時があったでしょ?」



 確かにとヒカリも頷く。ヒカリはそのまま警戒心を解こうと話しかける。



「私はこの山の山頂付近に生えてるという草を取りに来たのだけれどこんな草をみたことありますか?」



 そう言ってギルドで貰った採取目標の草の絵を見せると。



「これなら山頂まで行かなくてもすこし歩いたところに、たくさん生えてるよ」



「それならばそこまで、案内してもらってもいいですか?」



 ヒカリがそう言うとドライアドが案内し始める。







 そこからしばらく歩き目的の草が群生している場所に着く。



「これだけあればいけるよね?」



「確かにこんなに生えているなら全部刈り取らずに残しても結構な量が取れますね。これならダンジョンで育てる事が出来るかも・・・・」



 そうヒカリが言うとドライアドは悲しげな顔になり呟く。



「それじゃあ、帰っちゃうよね・・・・」



「どうしました?」



「私が顕現してから初めて喋ったお姉ちゃんにはここにずっといて欲しいと思って・・・・・」



「ここで一緒に暮らすことはできませんね。でもあなたが一緒に行くことはできますよ? 」



「無理だよお姉ちゃん・・・・私の本体はあの木だもの・・・・お姉ちゃん達でもはこべないよぉ」



「もし運べたとして、貴方は周りの環境が変わっても大丈夫ですか? 」



 下を向いていたドライアドは顔あげてヒカリに答える。



「全然雨の降らないとこでなければ大丈夫だけど・・・・ここより温かいなら天国だしでも・・・・やっぱりいけなよ・・・・ 」



 2人はそんな会話をしながら本体の木の元に戻り、ヒカリはダンジョンの扉を開ける。



 ダンジョンに入るとヒカリとクウの子供達が集まって来る。ヒカリはクウの子供達にお願いをして土魔法でドライアドの本体をダンジョンの中に運ぶのであった。





 ダンジョンに入ったドライアドは騒ぎ始める。



「すごーい! ここは温かいし土も元気にあふれてる! 周りの木の子達も顕現してないだけで直ぐにでも顕現できそうだよ! 」



 そう、言ってドライアドが駆け回って戻ってくると不意に叫ぶ。



「みんな出ておいで! 」



 ドライアドがそう言った瞬間、大量のドライアドが顕現するのであった。







 「「できた~! 」」



 大量に出てきたドライアド達は顕現できたことに喜ぶ。そんなドライアド達を見ながらヒカリは考える。



「さて、大量に住人が増えてしまいましたがどうしましょう・・・・。まぁ、緑様なら怒る事などありませんが・・・・むしろ喜ぶ?」



 ダンジョンの家族が増える事を考えるヒカリであったが何も問題ないと結論づける。



 その後、ダンジョンのドライアド達はヒカリやクウの子供達と一緒になって大騒ぎをするのであった。









「おいし~」「おいち~」「うまい」



 ヒカリはドライアド達に緑の蜂蜜入りの紅茶を配っていた。



「スノーお味はどうですか? 」



 ヒカリは連れてきたドライアドにスノーと名付けていた。これはスノーを連れてきた山の山頂付近が雪で覆われていたためであった。



「すごくおいし~! お姉さんに助けられて良かったよ♪ 元気な土に温かい空気、美味しい水ここはまさにドライアドの天国だよ♪ 」



「それは良かった・・・・」



 そう呟きヒカリはニコリと笑うのであった。







 その後、ヒカリが帰ってきた緑にスノーの事を話すと緑は、1人猿のモンスターの襲われていたところで涙ぐみ連れ帰って来て、ここは天国と言っていた部分で号泣する。



 緑は泣き笑いしながらヒカリとスノーを抱きしめて頭を撫でるのであった。



 ヒカリはその時心の中で思っていた。頭を撫でるだけでなく、撫でられるのもいいものだと。



 依頼から帰ってきたクウ、兜、レイ、ファントムはダンジョンの中に増えていたドライアドに驚きつつ親睦の輪を広げるのであった。



「紳士のおじ様はいないのですね・・・・やはり私の心のよりどころはファントムさんだけですね・・・・」



 そう言って少し残念そうなレイは子供紳士のファントムに頬づりをしながら呟いているのであった。







 後日、大量のドライアドの中に紳士の様に話す男の子を発見し喜びに舞うレイがダンジョンの中で見られるのであった。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

元構造解析研究者の異世界冒険譚

犬社護
ファンタジー
主人公は持水薫、女30歳、独身。趣味はあらゆる物質の立体構造を調べ眺めること、構造解析研究者であったが、地震で後輩を庇い命を落とす。魂となった彼女は女神と出会い、話をした結果、後輩を助けたこともあってスキル2つを持ってすぐに転生することになった。転生先は、地球からはるか遠く離れた惑星ガーランド、エルディア王国のある貴族の娘であった。前世の記憶を持ったまま、持水薫改めシャーロット・エルバランは誕生した。転生の際に選んだスキルは『構造解析』と『構造編集』。2つのスキルと持ち前の知能の高さを生かし、順調な異世界生活を送っていたが、とある女の子と出会った事で、人生が激変することになる。 果たして、シャーロットは新たな人生を生き抜くことが出来るのだろうか? ………………… 7歳序盤まではほのぼのとした話が続きますが、7歳中盤から未開の地へ転移されます。転移以降、物語はスローペースで進んでいきます。読者によっては、早くこの先を知りたいのに、話が進まないよと思う方もおられるかもしれません。のんびりした気持ちで読んで頂けると嬉しいです。 ………………… 主人公シャーロットは、チートスキルを持っていますが、最弱スタートです。

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

処理中です...