緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

文字の大きさ
40 / 178

40話 ミドリムシの家族は解体屋さん

しおりを挟む

 解体場にレイを案内する受付嬢がそこにいたギルド職員に声をかける。



「すいませーん! 解体の手伝いの依頼を受けてくれた冒険者をつれてきました~! 」



「おー! こっちに来てくれー! 」



 解体場では、あちこちで解体が行われている中、解体場の責任者と思われる男がギルド職員に自分の元に来るように叫ぶ。



 呼ばれた方に向かう受付嬢とレイ。2人は男の近くまで行くと少し待つように言われる。一区切りついたのか今まで背中を向けていた男が振り返り2人を見たとたん顔を青ざめてあわて始める。



「あ、あ、あ、あんたは確か【軍団レギオン】のレイじゃないか? 」



 男は恐る恐る尋ねるとレイが返事をする。



「そうですよ~ 宜しくお願いしま~す」



 そんな返事をするレイを見た男が今度は受付嬢に尋ねる。



「依頼の内容はちゃんと説明したのか? 今、王都で注目の的のチームの1人がこんな【赤い依頼】をうけるのか? 」



「私も依頼の確認をしたんですが受けてくれるようで・・・・」



「本当にいいのか・・・・しかしこんな美人で細い姉ちゃんが解体をできるのか? 」



「大丈夫だと思います~ 緑様に力を貰う前はデッドマンティスでしたので~ 」



「デッドマンティス・・・・」



「力を貰ってからは伸縮自在で形もある程度変えられる鎌があるので~ 解体にはもってこいだと思うんですが~ 」



 そう言ってレイが手首の内側より鎌を出し解体場の男に見せると男は黙って鎌を様々な角度から見始める。





 しばらくして満足したのか男が鎌からレイの目に視線を移すと謝り始める。



「すまねぇ。あまりにも見事の鎌だったもんだからついじろじろ見ちまった」



「大丈夫ですよ~ お気になさらず~ 」



「それじゃあ頼む! 俺はジャックってんだ宜しくな! 」



「レイです~ 改めて宜しくお願いします~ 」



 その2人のやり取りを見ていた受付嬢は2人に挨拶をしてその場を離れるのであった。







「じゃあ早速だが手伝ってくれ。ここに運ばれてくるのは冒険者達が倒したモンスターでも小さいくて解体が難しい物が多いんだ。あんたの鎌はそんな解体に非常にありがたい! 」



 モンスターの中でも小さくて解体場に運ばれるものはその体の中に非常に希少で価値のあるものを持つものが多く特殊な解体を要求されるのであった。



 そのため今回の依頼は希少部以外の力仕事が要求されるものであったがジャックが試しに指示を出したところレイがなんの苦もなく一瞬でジャックの指示されたとおりに鎌で綺麗に処理をする。



 そんなレイを見てジャックが目を見開き呟く。



「それほど力を使っている様に見えないがやはり鎌の性能がいいのか・・・・ 」



 そんなジャックの呟きを聞き取ったレイはジャックに説明する。



「元がデッドマンティスですので力もそこそこ強いですよ~ 」



 そう答えるとジャックが考え込む。







 しばらくしてジャックはレイに向き直ると。



「今から重要な部分の解体の手伝いを頼みたいのだがいいか? 」



 そう言ったジャックがレイを別の解体している場所に案内する。そこにはすでに何人もの職員が解体を行っていた。



 近づいてきたジャックとレイに気づいた職員が声を掛ける。



「ジャックさん冒険者との解体はおわったんですか? 」



 そう尋ねられたジャックは頷く。



「ああ、思っていた以上に早く終わったのでな。紹介する。今王都で注目の的のチーム【軍団レギオン】のレイだ」



「「レギオンの!? 」」



「レイです~ 宜しくお願いします~ 」



「「宜しくお願いします! 」」



 そう挨拶をするとジャックが早速レイに指示をだす。



「レイここの部分を頼めるか? 」



 ジャックがレイに支持をするとすかさず他の職員が止めようとする。



「待ってください! ここの解体を手伝わすのですか? 」



「ああ・・・・そう「できました」」



 ジャックが他の職員に返事をしようとした瞬間レイが終わったと言う。



 ジャックも含めその場に居た全員がレイの言葉に驚き、同時に処理の確認をする。



「できてる・・・・というよりもここまで見事な処理は見たことがない・・・・」



 レイの処理を確認した職員全員が言葉を失う。



「俺もここまでとは、思わなかったが・・・・」



 そこからは、レイの独壇場であった文字通り体の一部の鎌を操るレイの処理は他の職員達も見事と言わざる得ないできであった。



 レイはジャックや他の職員の言われるがままに処理をしていく、そんな中ふとレイが処理の手を止める。そんな姿を見た職員達がたずねる。



「レイさんどうしたんですか? ここは他と比べると難しいところではないですが? 」



「あの~ ここを言われたとおりに処理すると貴重な部位がダメになってしまうと思うのですが~ 」



「「え!? 」」



 その言葉にそばにいたジャックや周りの職員が驚きの声をあげ、レイに質問する。



「レイさんここに貴重な部位があるんですか? 」



「だと思います~」



 その言葉を聞いて職員は集まり話始める。



「なぁ、ここっていつも正体不明のよくわからない物がでてくる所だよな? 」



「ああ、たしかにいつもここだけは痛んでいて何があったのかわからない部位だ・・・・」



 話し終えた職員達はレイを見て尋ねる。



「ちなみにそこの部位を取るなら他の部位がダメになるとかありますか? 」



「いえ~ それはないと思います~ 」



 その言葉を聞いた職員達はお互いの顔を見合って頷く。



「ではレイさんそこの処理はレイさんの思う様にしてください」



「はい~ わかりました~ 」



 するとレイは処理をし始める。レイに職員達がみる目の前で行われる処理は今まで職員達がしていた処理より数十工程処理を加えられていた。



「ここまで工程が多いとは・・・・」



 レイの処理の工程数が今まで自分達がしていた処理の工程数より遥かに多いことに驚愕の表情を浮かべる。



 職員達が驚いているなか忙しく動いてたレイの手が止まる。



「できました~」



 処理を終えたレイの手には液体の入った袋があった。それは、処理されていたモンスターの消化腺であった、人間なら肝臓や膵臓の様に消化液をだす臓器であった。



 今までの処理をかんがえればこの消化液体の入った臓器を傷つけていたため、傷ついた臓器から溢れた消化液で臓器自身が溶かされていたことが判明する。



「ヒカリ大発見だ! 」



 その言葉を皮切りに周りの職員が集まって来る。



「俺達は今まで消化腺を捨てていたんだ・・・・」



「これからこの部位も何かに使えるかもしれない」



 そんな職員をよそにレイは首を傾げていた。レイにしたら何故わからなかったのかと思う。



 そんな大喜びをしている職員達の1人がレイに尋ねた。



「なんでレイさんはこの部分に気づけたんですか? 」



「相手の急所は自然とわかりませんか? 」



 そんな言葉を聞いた職員達が青い顔をして思い出したのはレイの二つ名【暗殺者アサシン】であった。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

元構造解析研究者の異世界冒険譚

犬社護
ファンタジー
主人公は持水薫、女30歳、独身。趣味はあらゆる物質の立体構造を調べ眺めること、構造解析研究者であったが、地震で後輩を庇い命を落とす。魂となった彼女は女神と出会い、話をした結果、後輩を助けたこともあってスキル2つを持ってすぐに転生することになった。転生先は、地球からはるか遠く離れた惑星ガーランド、エルディア王国のある貴族の娘であった。前世の記憶を持ったまま、持水薫改めシャーロット・エルバランは誕生した。転生の際に選んだスキルは『構造解析』と『構造編集』。2つのスキルと持ち前の知能の高さを生かし、順調な異世界生活を送っていたが、とある女の子と出会った事で、人生が激変することになる。 果たして、シャーロットは新たな人生を生き抜くことが出来るのだろうか? ………………… 7歳序盤まではほのぼのとした話が続きますが、7歳中盤から未開の地へ転移されます。転移以降、物語はスローペースで進んでいきます。読者によっては、早くこの先を知りたいのに、話が進まないよと思う方もおられるかもしれません。のんびりした気持ちで読んで頂けると嬉しいです。 ………………… 主人公シャーロットは、チートスキルを持っていますが、最弱スタートです。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

処理中です...