緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

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98話 ミドリムシは嫁の家に挨拶に行く2

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 魔緑達はフェン達が拠点とする建物を出て凜を先頭に街を歩いている。そんな中、唐突に緑が琉璃、凛、珊瑚に尋ねる。

「そういえば皆さんは獣の姿になった時の事を本来の姿といっていますが、いつもは人の姿をしていますよね?他の獣人の人達も獣の姿になれるんですか?」

「ああ、そういえば説明していなかったのう。私、達獣人の中でも獣の姿に変われるのは、ほんの一握りだけの者でのう。その獣の姿になれる獣人は獣の姿を本来の姿と言うのだ」

「そうそう、獣の姿になれる獣人は特別視されてて周りの獣人からは尊敬の目で見られんねん。魔物でもちかい種はおるけど元が人やろう、魔物のと違って連携もするし訓練や実践を繰り返してつよなっていくから魔物とは強さの桁が違うんよ」

「獣の姿になるにはすっごく大変なんです。ときたま街中で全身が毛や鱗で覆われている人達はその訓練中なんです。慣れるまでその姿を保っているのが難しいのです」

「ああ! なるほど街中でときたますごく毛や鱗が多い獣人さんは達は練習中だったんですね」

 和気あいあいと端をしていると凜が立ち止まる。

「ついたで! ここがこの街の拠点やわ! さぁ入って入って!」

 凜が建物の中に入ると大きな声で挨拶する。

「儲かりまっかぁ?!」

「「ぼちぼちでんなぁ~!!」」

 そのやり取りを聞いた緑と魔緑は驚き尋ねる。

「凜さんいまのは?」

「ああ、今のは昔うちらの先代が異世界の人となかようなってな、そん時から続いてるあいさつなんやわ」

 その時、緑と魔緑は心の中で思った。

『『もしかしたら、お好み焼き屋、たこ焼きなんかの粉物の食べ物もあるのかも。さがさないといけないな』』

 その後は先ほどのフェン達の拠点でした同じやり取りをする。ただ違う事は実際に魔緑と戦うという者がでたのであった。

 これは群れで行動する狼の習性をもつフェンのチームだったから起こらなかったことで基本的に凜のチームの者達は単独行動が多いため、チームのリーダーが負けても自分が戦うという者が多かった。

 そのため、魔緑と戦うと言った者達には珊瑚のチームにも戦う者達が出るかもしれないので珊瑚のチームの拠点に向かった後、改めて場所を決めそこで戦いたいと伝える。

 戦うと言った者達も魔緑と凜との結婚を止めようとしているわけではなく純粋に強い者と戦ってみたいとの話で、2人の結婚に不満が無い事がわかり安心する。

 話をすまし、グリン達の拠点をでた魔緑達は珊瑚を先頭にヒューイ達の拠点に向かう。

「ここです、皆すっごく魔緑さん達と会う事を楽しみにしていましたので宜しくお願いします!」

 そう言って建物の中に入る。そこでも魔緑達が結婚の話をするとチームの者達から温かく迎えられ、グリンのチーム同様に歓迎を受ける魔緑達。その後、グリンとヒューイのチームで魔緑と戦いたいもの達を引き連れギルドの訓練所に向かう。もちろん魔緑の圧勝で幕を閉じるのだが力を重んじる獣人の国の冒険者達は自分達をまとめて叩きのめした魔緑は慕うのであった。

 3チームへの挨拶にもなると時間もかかり夕飯の時間にさしかかったために珊瑚のチームの拠点で夕飯をご馳走される事になり、ご馳走になるだけでは悪いと緑も食材を提供する。ダンジョン産の野菜は肉が主食の獣人達にも好評であった。

 さらに食事と一緒に出された酒も非常に美味く緑隊も自分達の酒を出すとその酒にヒューイのチームの冒険者達が殺到する。【うわばみ】という言葉がある通り蛇の因子をもつ冒険者達は非常に酒が好きであった。

「シャー! 魔緑さん達の酒は飲んだことが無いものが多くてすっごく嬉しいです」

「シュルルル 魔緑さん私も一緒に嫁にしてくれませんか?」

「あ! ずるい私も思っていたのに!」

 蛇の因子を持つ獣人達は多夫多妻も普通に受け入れるものが多かったがそれは魔緑が断固として拒否するのであった。

 魔緑達が帰る際にチームから酒を買い取りたいと申し出があったが少量であったために無料でわたす。その後、フェンとグリンのチームにも酒を渡しに向かいダンジョンに招待する。

 翌日緑達は昼食を食べた後、市場に向かう。人族、エルフ、ドワーフの国に足を運んだ際には市場をくまなく調べる緑達、すると少しづつだが価格に違いがあることがわかる。

 人族の市場は平均的、エルフは野菜、ドワーフは酒、獣人の国は肉が割高であった。そんな中緑は自分達の口には合わなかったワイバーンの肉が高級肉に分類されていた事に驚く。それを見た緑はワイバーンの肉を獣人の国だけで出すのがいいなと思う。

 市場に行ったあと緑はギルドマスターにダンジョンの扉をギルドともう1つどこに作ればい良いか相談するためにギルドに向かう。

「ああ、そういえば初めに貸した部屋に見知らぬ扉があったな。あの時は魔物の群れのせいで忘れていたがそれなら俺の部屋に物置部屋があったからそこを片付けるからそこに扉をおいてもらえるか?」

「そんな簡単にきめていいんですか?」

「なぁに緑達がいなければ滅んでいた可能性が高い街が緑と直ぐにとれる連絡手段を断るはずがないだろう。きっと国王様に言っても許可は得られるはずだ」

「わかりましたギルドはきまったとして街は孤児院でいいでしょうか?」

「ああそれで頼む、俺も一緒に行くから今からでもいいか?」

「はい、よろしくお願いします」



 緑達とギルドマスターが孤児院に着くと神父とシスターにギルドマスターが説明する。ギルドマスターの説明を聞くと神父とシスターは使っていなかった物置に案内する。

「ではここに扉をおきますね。むむむ…… よしこれで大丈夫でうすね」

 現れた扉をみてギルドマスターが緑に少しだけ扉を開けても良いか尋ねる。緑は神父とシスターを見つめると2人も頷き、それを確認した緑が扉を開ける。

 その扉の中をみて3人は目を見開き驚き呟く。

「実際に見ても信じられないな」「ほんとうですね……」「なんと豊かな自然なんでしょう」

「扉を設置したのでこれから孤児院の子供達をダンジョンに招待したいのですがご都合はいいですか?」

「私達は大丈夫ですが…… ギルドマスターは大丈夫でしょうか?」

「ふむ、一度ギルドに戻って仕事を少しすれば戻ってこれるな」

「わかりました、それならフェンさんグリンさん、ヒューイさんのチームのメンバーも呼ぼうと思います。ここの扉はそのままで庭にもう1つ臨時で扉を出してもよいですか?」

「はい、かまいません」

 緑は神父の返事を聞き庭に人が5人ほど横に並んで入れる扉を設置する。

「ではギルドマスターここの扉から入って来てくださいね」

「ああわかった直ぐにもどってくる」

 ギルドマスターが返っていくのを見届けた後、緑はアイテムボックスよりお金の入った袋とたくさんの食材を渡す。

 その内容をみた神父とシスターは涙を流し感謝を緑に伝える。緑はすぐさま、もらい泣きをしながら2人に大丈夫と伝えるのであった。
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