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152話 ミドリムシと蜘蛛
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蟲人と竜種達が戦い続ける大陸
「オラオラ! お前達が何人束になっても俺様1人にぶっ殺されるんだぜ! ぎゃははははは!」
そう言って敵対する蟲人を虐殺し続けるのも蟲人。大陸で名を轟かせる蜘蛛の蟲人の進行を止めるために幾人もの蟲人達がその命を使い倒れていく。
「この先に通すな! この先はやっとの事で実りを迎えた土地だ! こいつに滅茶苦茶にされてたまるか!」
「そうだ! やっと新たな恵みを授かったんだ! これで弟や妹たちが少しでも楽に生活できるんだ!」
「ぐちゃぐちゃうるせぇよ! さっさと死ね!」
その蜘蛛の戦士は蜘蛛の下半身に上半身が人の形をしている。ただ上半身の人の部分は形こそ人の様だがその肌は外骨格に覆われており、人と同じような柔らかい肌をしているのは顔の部分のみであった。
地上より2mほどまでが蜘蛛の体で残りの人の部分でも1mほどあり、今対峙している者達は150cmほどの蟲人達。彼等は、その大きな蜘蛛の足で薙ぎ払われ、その鋭い足で串刺しにされもはや壊滅状態といってもよかった。
「おい! こっちだ! この蜘蛛野郎!」
そう言って倒れた仲間の槍を顔めがけて投げる者がいた。
「ああ! こんな、ゴミみたいな槍で俺の体に傷がつくと思うのか!?」
カン!
蜘蛛の戦士が人間部分の腕でたやすく投げられた槍をはじく。
「雑魚共がこれで大人しくしとけ!」
そう言って、槍を投げた蟲人に蜘蛛の戦士の下半身から白い球が発射される。その球が当たった途端、球の形は崩れ、蜘蛛の巣の様に広がり蟲人を包み込み動けなくさせる。
その白い球は次々に打ち出され対峙する者達を行動不能にしていく。
「くそっ! こっちだ蜘蛛やろう! オラッ! こっちだ! こっちだ!」
槍を投げた蟲人は、なおも標的を自分にしようと仲間の武器や落ちている石を拾い投げ続けているが蜘蛛の戦士は他の蟲人達を捕まえていく。
対峙している者で生きているのが槍を投げた蟲人のみになる。蜘蛛の戦士はそこではじめてその蟲人と目線を合わせる。
「くくくくくっ! お前みたいな奴は仲間が傷つく方が苦しむだろう!」
蜘蛛の戦士が上げた声は、対峙した彼を挑発するものでありそれは、自分の歪んだ心を現すものであった。
最後の1人になっても彼は戦い続けた。蜘蛛の戦士にいち早く槍を投げてから目を付けられた蟲人。自分よりも強い力を持った蜘蛛の戦士に挑むその心は、ただ恋人、家族、隣人愛しいものにこの戦士を近づけてはならない、その心からの願いによるもの。
「……」
「なんだ? 先ほどまでの威勢はどこにいった!? くくくくっ! 所詮お前もそこらに居る雑魚と一緒だろう? 結局自分の身が大切なんだろう?」
蜘蛛の戦士の声に蟲人は怒りでその体を震わせる。
「なんだ? 震えているのか? 雑魚が相手を見ず戦いを挑んでそのていたらくか?」
「うるさい! お前など恵まれた能力を享楽のために使っていただけであろう!? 確かに、お前は強い! 俺もここで倒れるであろう! だが! いつかきっとお前を討ち果たすものが現れる!」
そう叫んだ蟲人は蜘蛛の戦士に向かって走り出す。
「くくくくっ! その負け惜しみが最後の言葉か! 自分の妄想と一緒に死ねっ!」
そう言って蜘蛛の戦士は自分の足の一本をその蟲人に向かわせた。
ギイィン!
何もないはずの空間で蜘蛛の足が何かにぶつかり、金属同士がこすれる様な音が鳴り響く。
「おいおい! 自分より明らかに弱い相手に調子に乗ってはずかしくないのか!?」
蜘蛛の蟲人は、確実に自分が話していた矮小な存在の蟲人を攻撃をした。だが、自分の足の1本が弾かれ、更にはたしなめられた事に驚く蜘蛛の戦士。その焦りからか思わず叫ぶ。
「誰だっ!?」
蜘蛛の戦士は一気に警戒態勢を取る、大陸に名を轟かせた蜘蛛の戦士の強みそれは危険を察知する能力、それは名を知られる戦士にとって必要不可欠のもの。
無理をして良い限界のラインと無理はしてはいけないライン。
多くの者がこのラインの線引きを上手く引けない。そのラインのずいぶん手前で足を進めず命を守る者。先に進み自らの命を失う者、両者はそれぞれ自分の予想と現実に差異がありラインを踏み越えた者が命を落とす。
そのギリギリのラインを見極め戦い続ける事で力を得た戦士。それが大陸でも名を轟かせる。その戦士の前に1人の男が立っていた。
「ふむ、確かに強いが…… お前達見ておいてやるから戦ってみろ」
「「は~い!」」
魔緑の言葉に干支緑達が返事をする。
「いつの間に!?」
干支緑達はぐるりと蜘蛛の戦士を取り囲む様に姿を現す。気づかれた干支緑達は蜘蛛の戦士を逃がさない様にその輪を狭めていく。いつの間にか現れた魔緑と干支緑達をみた蜘蛛の戦士は驚くがすぐに顔を歪ませ下卑た笑い声をあげる。
「ぎゃはははは! こんな子供が俺と戦えるわけないだろう! すぐに刻んでやる!」
そいって蜘蛛の戦士は足を使い戦い始める。
「くっ! ちょこまかとうっとおしい!」
戦いが始まり干支緑達は攻撃はせず、ただ黙々と蜘蛛の戦士の攻撃をかわし続ける。まるでそれが訓練かの様に。そんな事が10分以上も続き蜘蛛の戦士も状況がおかしいことに気づき始める。
「なんだこの薄気味悪いガキどもは! 同じ様な顔しやがって! おまけにゴブリンみてぇに緑色してやがる! なんで俺の攻撃が当たらねぇ!」
干支緑達に攻撃が当たらない事にイライラしたのか蜘蛛の戦士は叫びはじめる。
「よし。お前達そろそろ攻撃をはじめろ」
「「は~い」」
「ってバカッ!」
魔緑の声に反応した干支緑達。その内の数名が魔緑に向かって振り返り返事をする。
「しょせんガキかっ!」
そのスキを蜘蛛の戦士は見逃さず攻撃を仕掛ける。蜘蛛の戦士は完全に後ろを向いている状態の干支緑に向かって自慢の足で串刺しにしようと背後から飛び掛かる。
「かかったー!」「だまされたー!」
「ぐはっ! このガキどもどっから武器を!? しかも俺の体をきりさくとは!」
蜘蛛の戦士が飛び掛かるのを待っていたと、干支緑達が殺到し手にした剣で傷をつける。傷つけられた事に驚き振り返る蜘蛛の戦士であったが干支緑達のすがたを見てさらに驚く。
「アイテムボックス持ちか!?」
干支緑達が手にした剣が何もない空間に飲み込まれていく。
「クソが……」
蜘蛛の戦士が一言そう言った後に雰囲気が変わる。今までの遊んでいたようなものから戦士の空気をただよわせる。
「ガキども認めてやるぜ、そこそこやるってな。だがこれで終わりだ!」
その瞬間蜘蛛の下半身から糸が張り巡らされる。
干支緑達が蜘蛛の戦士と戦っているのは森の中で、周りには幾つかの木々が生えている。蜘蛛の戦士の居る場所を中心としそこから周りの木に放射線状に蜘蛛の巣が張り巡らされ、その上に蜘蛛の戦士がのる。
「さぁ、こっからが俺の本領発揮だ! 遊んでやるぜ!」
蜘蛛の戦士の声を皮切りに再び戦闘が再開される。蜘蛛の戦士は巣を張ったことにより勝利を確信していた。だが、ここでも予想外が起こる。
「きゃはははは!」「すごーい!」「びょーん♪ びょーん♪」
蜘蛛の巣の上で子供達が飛び跳ね遊び始める。
そんな様子を魔緑が見上げてぼそりと呟く。
「縦糸と横糸か……」
その呟きに反応する蜘蛛の戦士。
「なぜそれを!?」
「残念だったな…… 俺達の中では常識だ」
「くそがぁあああああ!」
それからさらに数十分経ち、蜘蛛の戦士の叫びで戦闘は終了するのであった。
「オラオラ! お前達が何人束になっても俺様1人にぶっ殺されるんだぜ! ぎゃははははは!」
そう言って敵対する蟲人を虐殺し続けるのも蟲人。大陸で名を轟かせる蜘蛛の蟲人の進行を止めるために幾人もの蟲人達がその命を使い倒れていく。
「この先に通すな! この先はやっとの事で実りを迎えた土地だ! こいつに滅茶苦茶にされてたまるか!」
「そうだ! やっと新たな恵みを授かったんだ! これで弟や妹たちが少しでも楽に生活できるんだ!」
「ぐちゃぐちゃうるせぇよ! さっさと死ね!」
その蜘蛛の戦士は蜘蛛の下半身に上半身が人の形をしている。ただ上半身の人の部分は形こそ人の様だがその肌は外骨格に覆われており、人と同じような柔らかい肌をしているのは顔の部分のみであった。
地上より2mほどまでが蜘蛛の体で残りの人の部分でも1mほどあり、今対峙している者達は150cmほどの蟲人達。彼等は、その大きな蜘蛛の足で薙ぎ払われ、その鋭い足で串刺しにされもはや壊滅状態といってもよかった。
「おい! こっちだ! この蜘蛛野郎!」
そう言って倒れた仲間の槍を顔めがけて投げる者がいた。
「ああ! こんな、ゴミみたいな槍で俺の体に傷がつくと思うのか!?」
カン!
蜘蛛の戦士が人間部分の腕でたやすく投げられた槍をはじく。
「雑魚共がこれで大人しくしとけ!」
そう言って、槍を投げた蟲人に蜘蛛の戦士の下半身から白い球が発射される。その球が当たった途端、球の形は崩れ、蜘蛛の巣の様に広がり蟲人を包み込み動けなくさせる。
その白い球は次々に打ち出され対峙する者達を行動不能にしていく。
「くそっ! こっちだ蜘蛛やろう! オラッ! こっちだ! こっちだ!」
槍を投げた蟲人は、なおも標的を自分にしようと仲間の武器や落ちている石を拾い投げ続けているが蜘蛛の戦士は他の蟲人達を捕まえていく。
対峙している者で生きているのが槍を投げた蟲人のみになる。蜘蛛の戦士はそこではじめてその蟲人と目線を合わせる。
「くくくくくっ! お前みたいな奴は仲間が傷つく方が苦しむだろう!」
蜘蛛の戦士が上げた声は、対峙した彼を挑発するものでありそれは、自分の歪んだ心を現すものであった。
最後の1人になっても彼は戦い続けた。蜘蛛の戦士にいち早く槍を投げてから目を付けられた蟲人。自分よりも強い力を持った蜘蛛の戦士に挑むその心は、ただ恋人、家族、隣人愛しいものにこの戦士を近づけてはならない、その心からの願いによるもの。
「……」
「なんだ? 先ほどまでの威勢はどこにいった!? くくくくっ! 所詮お前もそこらに居る雑魚と一緒だろう? 結局自分の身が大切なんだろう?」
蜘蛛の戦士の声に蟲人は怒りでその体を震わせる。
「なんだ? 震えているのか? 雑魚が相手を見ず戦いを挑んでそのていたらくか?」
「うるさい! お前など恵まれた能力を享楽のために使っていただけであろう!? 確かに、お前は強い! 俺もここで倒れるであろう! だが! いつかきっとお前を討ち果たすものが現れる!」
そう叫んだ蟲人は蜘蛛の戦士に向かって走り出す。
「くくくくっ! その負け惜しみが最後の言葉か! 自分の妄想と一緒に死ねっ!」
そう言って蜘蛛の戦士は自分の足の一本をその蟲人に向かわせた。
ギイィン!
何もないはずの空間で蜘蛛の足が何かにぶつかり、金属同士がこすれる様な音が鳴り響く。
「おいおい! 自分より明らかに弱い相手に調子に乗ってはずかしくないのか!?」
蜘蛛の蟲人は、確実に自分が話していた矮小な存在の蟲人を攻撃をした。だが、自分の足の1本が弾かれ、更にはたしなめられた事に驚く蜘蛛の戦士。その焦りからか思わず叫ぶ。
「誰だっ!?」
蜘蛛の戦士は一気に警戒態勢を取る、大陸に名を轟かせた蜘蛛の戦士の強みそれは危険を察知する能力、それは名を知られる戦士にとって必要不可欠のもの。
無理をして良い限界のラインと無理はしてはいけないライン。
多くの者がこのラインの線引きを上手く引けない。そのラインのずいぶん手前で足を進めず命を守る者。先に進み自らの命を失う者、両者はそれぞれ自分の予想と現実に差異がありラインを踏み越えた者が命を落とす。
そのギリギリのラインを見極め戦い続ける事で力を得た戦士。それが大陸でも名を轟かせる。その戦士の前に1人の男が立っていた。
「ふむ、確かに強いが…… お前達見ておいてやるから戦ってみろ」
「「は~い!」」
魔緑の言葉に干支緑達が返事をする。
「いつの間に!?」
干支緑達はぐるりと蜘蛛の戦士を取り囲む様に姿を現す。気づかれた干支緑達は蜘蛛の戦士を逃がさない様にその輪を狭めていく。いつの間にか現れた魔緑と干支緑達をみた蜘蛛の戦士は驚くがすぐに顔を歪ませ下卑た笑い声をあげる。
「ぎゃはははは! こんな子供が俺と戦えるわけないだろう! すぐに刻んでやる!」
そいって蜘蛛の戦士は足を使い戦い始める。
「くっ! ちょこまかとうっとおしい!」
戦いが始まり干支緑達は攻撃はせず、ただ黙々と蜘蛛の戦士の攻撃をかわし続ける。まるでそれが訓練かの様に。そんな事が10分以上も続き蜘蛛の戦士も状況がおかしいことに気づき始める。
「なんだこの薄気味悪いガキどもは! 同じ様な顔しやがって! おまけにゴブリンみてぇに緑色してやがる! なんで俺の攻撃が当たらねぇ!」
干支緑達に攻撃が当たらない事にイライラしたのか蜘蛛の戦士は叫びはじめる。
「よし。お前達そろそろ攻撃をはじめろ」
「「は~い」」
「ってバカッ!」
魔緑の声に反応した干支緑達。その内の数名が魔緑に向かって振り返り返事をする。
「しょせんガキかっ!」
そのスキを蜘蛛の戦士は見逃さず攻撃を仕掛ける。蜘蛛の戦士は完全に後ろを向いている状態の干支緑に向かって自慢の足で串刺しにしようと背後から飛び掛かる。
「かかったー!」「だまされたー!」
「ぐはっ! このガキどもどっから武器を!? しかも俺の体をきりさくとは!」
蜘蛛の戦士が飛び掛かるのを待っていたと、干支緑達が殺到し手にした剣で傷をつける。傷つけられた事に驚き振り返る蜘蛛の戦士であったが干支緑達のすがたを見てさらに驚く。
「アイテムボックス持ちか!?」
干支緑達が手にした剣が何もない空間に飲み込まれていく。
「クソが……」
蜘蛛の戦士が一言そう言った後に雰囲気が変わる。今までの遊んでいたようなものから戦士の空気をただよわせる。
「ガキども認めてやるぜ、そこそこやるってな。だがこれで終わりだ!」
その瞬間蜘蛛の下半身から糸が張り巡らされる。
干支緑達が蜘蛛の戦士と戦っているのは森の中で、周りには幾つかの木々が生えている。蜘蛛の戦士の居る場所を中心としそこから周りの木に放射線状に蜘蛛の巣が張り巡らされ、その上に蜘蛛の戦士がのる。
「さぁ、こっからが俺の本領発揮だ! 遊んでやるぜ!」
蜘蛛の戦士の声を皮切りに再び戦闘が再開される。蜘蛛の戦士は巣を張ったことにより勝利を確信していた。だが、ここでも予想外が起こる。
「きゃはははは!」「すごーい!」「びょーん♪ びょーん♪」
蜘蛛の巣の上で子供達が飛び跳ね遊び始める。
そんな様子を魔緑が見上げてぼそりと呟く。
「縦糸と横糸か……」
その呟きに反応する蜘蛛の戦士。
「なぜそれを!?」
「残念だったな…… 俺達の中では常識だ」
「くそがぁあああああ!」
それからさらに数十分経ち、蜘蛛の戦士の叫びで戦闘は終了するのであった。
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