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13歳と白百合の…
違和感
しおりを挟む――最初に気付いたのは、いつだったか。
……あれは確か、戴冠式からひと月経ったかどうかという時期だった。昔から暗殺者といった類には良く狙われていたため、その日も多少食事がマズかっただけで大騒ぎするほど気に留める事ではなかった。
――だが、確かそこからたまに似たような毒が仕込まれ始めた気がする。
少し違和感があったものの特に気にせず放置していたそれが頻繁になったのが、ちょうどノエルとの攻防に脳をフル回転させて策を弄していた頃に重なる。あの時は生理であればノエルも形無し! とテンションが上がっていたため、やはりいつものことと気にはしてなかった気がする。
……回想が実に残念だな、と気付いたマリアンヌは、自身の残念さからいったん目を逸らすことにした。
そして最近では殆ど毎日、他種多用な毒類を仕込まれ続けているのである。これは実に由々しき問題である。――何故なら、食は人にとって最も大事な活力の一つだからだ。
前世では美味しいを追求してうま味を見つけ出し、他国の料理を好き勝手に改良して新たな料理を創作してしまったり、食に関して全くもって妥協しない民族出身だった記憶の残るマリアンヌにとって、これは食への立派な冒涜であった。
――もはや暗殺なんて生ぬるい。食への冒涜のほうが重罪、ギルティなのだ。
そう奮起して、マリアンヌは忙しい傍ら暗殺者の正体を探ったのだ。そうして見つけたのが2カ月ほど前から配属されたばかりの白髪の新人侍女、――ルネである。
一目で美少女お気に入り認定した矢先のことだったので、少なからずショックを受けたもののそれもほんの少しだけ。すぐさま暗殺美少女とかむしろ私得では……? と悟ったので、ショックもなんのそのであった。こうしてマリアンヌは最近、侍女に度々盛られる多種多様な毒を、退屈しのぎに面白がって受けていたのであった――。
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