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13歳と白百合の…
判明
しおりを挟む「……あ」
マリアンヌは、今日も今日とて趣味の実質隠し部屋に引きこもって女司令官ごっこを継続していた。こう、一種の現実逃避に近いかもしれないが、そもそもが13歳の少女に重い責務と激務を課すのが悪いのである。こうでもしなければやってられない、とマリアンヌはこの世界では理解されないだろう痛いコスプレを正当化していた。
その最中、狼姿で平和に蝶々と広い庭で追いかけっこしているノエルの癒し映像の横に、どこかの屋敷へと訪れたルネの姿が見えた。罠を警戒してか、やけに慎重に移動していたルネが、ついに依頼人の元へとたどり着いたようであるのだ。だが、その屋敷にマリアンヌは見覚えがあった。
「この家紋……ん~」
遠い日の記憶を思い出すように、マリアンヌは己の華奢な顎に優雅に指を添えて目を細めた。確かにその家紋には見覚えがあった。こう、なんというか……あまりよろしくない方向で。
――そうして想い出した。
「あ、……ああ!」
それは今のマリアンヌを象る原因となった過去の苦い記憶。つまり、前世の趣味嗜好を思い出したきっかけの一部だった。当時、齢7歳でまだ純真無垢だったマリアンヌは、ほんわか前世のことを覚えている程度だったのだが、そんな当時のマリアンヌの元へ教師としてやってきた男が居た。
それがルネが訪れた屋敷の家紋の主、――ピーター・フレデリック元公爵であった。見目は言わずもがな。デブな上に毛量が凄まじかった。そして何より臭い、というのが初めて会った時のマリアンヌの感想であった。――そこまでは別にいい。問題はその後。
なんと、何重顎の何重腹かと見紛う手足や顔が肉で埋もれた肉達磨。ついでに毛むくじゃらで生理的に受けつけられない野蛮人は、幼いとはいえ絶世の美姫なマリアンヌに情欲を抱いて手を出そうとしたのだ。さすがに生理前の幼児に手を出す変態は異世界でも容認されていない。むしろ処罰の対象であった。
もちろん、幼いとはいえ次期女王。マリアンヌは人前に出るより前にすでに貞操云々、夫や婚姻に関する世継ぎに関わる重大事は3歳で母に叩き込まれていた為、即座に公爵の及ぼうとした蛮行を理解して魔法で拘束した。
あっさり幼児に拘束された公爵の顔は肉で埋もれて見えなかったので不明だが、その後、権力と金だけはあったため、結局公爵は表舞台から遠ざけられるにとどまり、強制的に隠居させられただけと後から聞かされていたはずだが……。
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