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13歳と白百合の…
変化
しおりを挟む「いひぃ、ぅひぃィィぃ……ッッ!?」
今宵も今宵とて、前公爵にひたすら貪られる悪夢をマリアンヌが唇を噛んで耐えていると、珍妙な喘ぎ声を上げていた前公爵が急にぴたっ! と動きを止めた。
一瞬、また果てたのかとマリアンヌは思ったのだが、深く繋がったままなのにいつもの気持ち悪い感触がなかったので、すぐに違う理由だと考えられた。
「……ぅ?」
自分の意思ではないが、マリアンヌは喉が枯れてしまっていたため、疑問の声はか細い声だけが出た。しばらくしても前公爵はぴくりとも動かない。ここにきて、マリアンヌは自身が動けるようになっているのに気付いた。
夢だからか呪いだからか、今まで自らの自由意志で動くことが叶わなかったのだ。――だが、動けるようになったのなら容易い。
「――ふッ!」
純粋な身体能力のみでは動かせなかった前公爵の巨体を、マリアンヌは何故か使えるようになった魔法を使って両手で持ち上げ投げ飛ばした。その際に、自身の膣内からもズルリと大きな汚物がやっと抜けてくれてほっとする。
汚れている全身を魔法で清め、床に放り捨てた巨体に近付き見下ろす。やはり、ピクリとも動かない。なぜ動けるようになったかは不明だったが、マリアンヌはカッ! と両目を見開くと全身全霊の魔力と憎しみを込めて寝転がる前公爵へと躊躇なく魔法を放った。
「消えろ! 汚物がッ!」
それは、マリアンヌがここ最近呪いのせいで見せられている悪夢によって、溜まりに溜まっていた鬱憤や憎しみをたっぷり込めた呪詛の言葉であった。おかげで、前公爵は塵も残さず跡形も無く儚く消し飛んだ――。
「――清々したわ!」
そう言って久々に快適な目覚めを迎えた女王が居たとかいなかったとか……。
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