太っちょ王子と見習い召使

野々峠ぽん

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メルヘニア王国

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 地球の22世紀程度の文明と、ドラゴンや魔女の生きるファンタジーな環境とが融合した奇妙な星、メタ・アース。

 メタ・アースには数多の国々があり、そのうちの一つにメルヘニア王国という国があります。


 それが、私の生きている国です。
 メルヘニアは小さい国ですが、優れた魔導士・魔女をたくさん輩出している魔法先進国です。
 古くから、ウィザリア山脈やイビル峡谷を始めとする様々の地には、強力な魔法生物が棲みついており、しばしば人里で悪さをしました。
 それに対抗すべく、メルヘニアの人々は魔法の力を貪欲に求めたのだといいます。


 私はエルマー・バレット。
 メルヘニア王家にお仕えする、新入りの召使です。

 小さな田舎町に生まれ、そこそこ魔力の高かった私は魔導師になる夢を見て10歳で上京。
 魔法学校をそこそこ優秀な成績で卒業した私は、15歳の頃、王太子様の召使として召抱えられることになりました。

 田舎町から出てきた冴えない少年が、あれよあれよと王族お抱えという状況に夢を見ないはずもなく。
 当初は随分浮かれて、実家にも日に3度魔法通話をしてしまったりしたものです。

 しかし、お仕えして半年。
 私には現実というものが見えてきました。

 単純に、長くお仕えする人がいないだけなのです。
 それほど、王太子であるわが主人、フレデリック様は問題アリのお方だったのです。

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