実録!自サバ女(元親友)の華麗なマウントについにブチギレた結果、無事に絶縁という運びになりました。

栗尾音色

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結婚、そして子育て

第6話

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その突然の電話の後、散らかった部屋を片付けてから掃除した。

スッピンに髪もボサボサだとあんまりだったので、着替えて薄化粧をしてから子供の授乳も済ませた。

そして、しばらくして真奈美が来た。

新居に引っ越してきて以来、真奈美を招いたのは初めてのことだった。

というか、出産報告をしてから産後のその日まであまり連絡も取っていなかったのだ。

真奈美も仕事で毎日忙しいだろうし、私が産後ということで連絡も遠慮してくれていたのかもしれない。

実際、友達とお茶するどころかゆっくり電話する余裕もあまりなかったのだ。

それだけに、突然の連絡の直後に来訪というのは正直ビックリだった。


そして、会話の流れで私の方からSNSの話を出した。

「あ、そうだ。私最近フェ〇スブック始めたんだけど、真奈美もやってる?」

「うん、やってるよ。サエが珍しいよね、SNSなんて」

「うん、初めてだから使い方とかまだわかんないんだけど、日記代わりに子育ての記録とかできたらいいなーと思ってさ。後で真奈美も友達リクエストしとくね!」

「ふーん…友達登録してる人、けっこういるの?」

「まだやっと30人突破したとこだよ。リア友以外にも子育て中の人なんかからもリクエストもらえてるから、すかさず承認して30人(笑)」

それを聞いた真奈美は、自分のスマホを取り出し、操作し始めた。

「…見て、これ」

目の前で掲げられたスマホの画面には、真奈美のフ〇イスブックのアカウント画面が映し出されていた。
そこには、ざっと100人ぐらいの友達リストが軒並みに並んでいる。

「す、すごい友達の数だね」

はいはい、また『友達多いアピール』か…と思った。
が、しかし。

「あはは、違うよ!よく見て、『友達リクエスト』って書いてるでしょ?これ、全部ただの友達リクエストだから(笑)」

「え?」

「私にリクエストしてくれてるんだけど、私は承認してないの!だって嫌じゃない?来るもの拒まずみたいでさ」

「な、なんで?」

「リア友だけの繋がりでもう一杯一杯だもん。リア友以外ならよっぽど有名人だとか、影響力が高い人ぐらいしか私は承認したくないんだよね」

さらに私の予想の上をいった真奈美。

相変わらずマウンティングパワーは秀逸だった。
とにかく真奈美は昔から、いつだってどんなことでも、私に対して謎の対抗意識を燃やし続けていたのだから。
対抗心を燃やす相手をそもそも間違っている気はするけど。

マウントを取る人は、自分よりも明らかに優れている人相手にマウントを取ることは決してない。

総合的に見下しやすく、おとなしい人を選んでは遠回しに、且つ明確に蹴落とす。
こうして、ひと時の優越感を手に入れるのだ。


そして、1時間も経たないうちに真奈美の携帯に電話が入り、真奈美は私の前でそれを受けた。


「あ、もしもし?仕事終わった?……うん、待ってたよー!…うん、わかった、じゃあそれぐらいに迎えに来て」


電話を切った真奈美は、私に向き直って嬉しそうに話し始めた。


「実は今夜彼氏と会う約束してたんだけど、仕事が長引いてて終わるの待ってたんだ」

「ああ、そうだったんだ?」

「うん、それでね、待ってる間に『そういえばサエの赤ちゃんまだ見に行ってないなぁ』って急に思い出してさ!それで来ちゃったの!」 


なるほど、だから突然だったのか。
そして、間も置かずにバタバタと急いで帰り支度をした真奈美が風のように去っていってから…私はふと思った。

よくよく考えたら……もしかして、彼氏との約束の時間までの待ち時間を潰しに来ただけなんじゃ…?と。

よく考えたら、そんなことは過去にも何度かあった。

ランチに誘われて行ったら、突然他の友達と約束があるから1時間しかいられないと言い出したり。

少し違うが、夜一緒に飲みに行った帰りにカラオケに寄ろうと誘われ、翌朝仕事だった私が眠いからと断ろうとしたら『カラオケで寝ててくれてもいいから』と言われたこともあった。(もちろん断ったが)

要するに、真奈美にとって私は『都合よく使える友達要員』であり、それは完全にナメられている証拠でもあるのだ。

そして、その原因は怒ったり意見したりしない私の気弱な性格にもあったと思う。

『でもまぁ、せっかく子供の顔を見に来てくれたわけだしなぁ…。』
…とまぁ、こんな調子でモヤッとしては良いふうに思い直して処理してしまうのが、私の悪い癖でもあったのかもしれない。

しかしそれ以来、しばらく真奈美からの連絡は途絶えることとなった───。


──結婚して子供も産まれて、新婚生活は慌ただしくも充実した毎日だった。

そう、ただ一つの大きな問題を除けばの話だが。

結婚すると、もちろん夫の家族…つまりは義家族とも他人ではなくなるのが世の常だ。

夫の実家は両親、兄、夫、妹2人、末弟という7人家族で夫は二番目の次男。

けっこうな大家族だ…。

義父は関西でもそこそこ名前の知れた運送会社の経営者で、実家はうちとは比べ物にならないぐらい裕福だ。

義父は若い私から見てもとても魅力的な男性だった。

ちょっと掴みどころのない性格だが、50歳とは思えないほどアクティブで見た目も若々しくて男前なので、明らかにモテそう。

そしてその妻の義母もこれまた、若い頃のマラ〇ヤ・キャリーにそっくりな妖艶な美女だ。
……残念なことに夫にその遺伝子は残せなかったようだけれど。

そんな義両親には、妊娠中の頃から良くしてもらえた。

食べたこともなかったような高級ステーキをご馳走になったり、旅行に連れて行ってもらえたり、まさに至れり尽くせりだった。

大阪のおばちゃん丸出しの私の母とは違って何もかもがお上品な義母は、天真爛漫な性格で現役の『恋する乙女』。

そう、夫である義父にゾッコンなのだ。

父と同じ部屋で寝たくもないと嘆いているような私の母とはまさに真逆。

自分の親とは全然違うタイプの義両親だけれど、次男の嫁として歓迎してもらえて嬉しかった。

私よりも年下の義兄も無口だけど優しい人だし、義妹二人と小学生の弟もすごくいい子たちで私に懐いてくれた。

飼い犬のチワワのタロウも、私が来るたびにウレションを撒き散らしてくれた。


しかし、そのうちのただ一人だけ、私のことを猛烈に歓迎しない人物がいた。

そう、それは……


義兄嫁。


───義兄嫁との初対面は、私が敦と二人で結婚の報告をしに義実家を訪ねた時だった。

当時はまだ義兄と義兄嫁は結婚していなかったが、交際5年ということもあって家族ぐるみの付き合いだった。

それだけに、突然ひょこっと現れた私には戸惑っただろう。

なにせ、交際半年で授かり婚というのが初めての挨拶だったのだから。

義両親以外は全員私よりも年下だ。

義兄嫁も例外でなかったが、私が年上だからこそやりにくかったのかもしれない。

なぜなら義兄嫁はいわゆる、『自分中心じゃないと気が済まない人』だったからだ。

某アイスクリームショップで店長をしているだけに、テキパキと要領よく何でもこなす人だった。

帰りが遅い義妹のことを母親みたいに叱りつけたり、義実家の家の中のことも知り尽くしていていつも義母の代わりに家事をしている。

「何か手伝いますよ」と横から声をかけても、いつも「大丈夫ですよ、私一人で十分こなせますので」と突っぱねられた。

初対面時からあまり良く思われていなかったことには私も気づいていた。


そして…


義兄が私のことを『可愛い』と言って褒めてくれたらしいのだが、それを聞いた義兄嫁が激昂したらしい。


「何言ってんの?!相手は弟の嫁なのよ?!」…と。


義兄嫁もまた義兄にゾッコンであり、嫉妬深い性格なのだった。
そんな話を夫から笑い話のように聞かされていたが、実際は笑い話などではなかった。

そして、義実家に行き来するようになってわりとすぐ、義兄嫁の存在によって私の居場所はなくなってしまうのだ───。
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