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カラダの関係は、しばらくおあずけ。
秘密が明らかになる時
しおりを挟む──葵とついにやり合った(というか一方的に綾乃がキレた)その2日後の夜。
お風呂から上がった綾乃は、パンツも履かずにバスタオル1枚のままリビングへ入り、一目散にスマホを手に取った。
そしてその通知画面を確認するや否や、深いため息をつく。
昨日からずっとこの調子だ。
「…なによ、あれから丸2日も会社でもすれ違わないうえに連絡無しだなんてっ」
「葵のバカ…」
スマホを机に置き、冷蔵庫を開けて牛乳パックを手に取ろうとするが…
「…ええいっ、一人で憂さ晴らしに限る!」
結局は缶ビールを取り出し、プシュッと飲み口を開けた。
「んぐっんぐっんぐっ……」
「プッハァーッ!やっぱビールしか勝たん!…ゲフゥ!」
盛大なゲップとは裏腹に、大好きなビールの苦味はいつもよりも強く感じた。
「ビールも美味しくないなんて、そろそろ私もキツくなってきたかな…」
再びスマホを手に取り、操作し始めた。
とりあえず、誰か気の許せる相手と話して気を紛らわせたい…そんな想いで。
「咲子、今日は朝から決算で経理部は鬼の忙しさだって嘆いてたっけ…」
「まだ残業中かもな…」
まずいビールを口にしながら、咲子に電話をかけてみた。
『…もしもし綾乃?どしたの?』
わりとすぐに出てくれた咲子の声で、綾乃は少し気が和らいだ。
「あ、咲子?」
「よかった、今日は朝から会社でも全然話す機会なかったからモヤモヤしちゃってつい…(笑)」
「今日はさすがにもう疲れてるよね…?」
『いや?それが案外早めに片付いて夜7時には退社できたんだ』
『そういうあんたこそ、疲れてるんじゃないのー?』
「疲れるどころか元気すぎて困ってるよ(笑)」
「営業部の私は特にいつもと変わらず夕方6時には帰ってきてご飯食べて、お風呂も入って今は一人で晩酌中っ」
なんだかんだで飲み干したビールの缶をクシャッと潰していると、唐突に咲子が言い出した。
『あれ、そうなの?』
『あんたのことだから、桐矢くんの看病ついでにイチャつきすぎて疲れてる頃だと思ってたんだけどなぁ(笑)』
言われたことの意味がわからず一瞬思考が停止した。
「葵の看病って……どういうこと?」
『どういう…って、今朝から桐矢くん風邪で寝込んでるんでしょ?』
『毎年皆勤賞の彼が会社休むなんて初めてだから、私もちょっと心配だったんだけど…』
『具合、どうなの?』
葵が今朝、欠勤したという事実を理解するのに数秒はかかったかもしれない。
しかし、まったく知らないことを訊かれても答えられる術などなかった。
「なにそれ…私、知らない」
『……え?』
「そんなの聞いてないし、連絡すら来ないし…」
『……なんかあったの?桐矢くんと』
“何かあった”といえば2日前の夜の“ウエダさん”の件だが、それを咲子に説明する前に漠然とした疑問が口から溢れ出す。
「なんで…?」
「葵、どうして私に何も言ってくれないの…?」
しばしの沈黙の後、だいたいのことを察した咲子。
『…はいはい、そーゆう時のあんたはね、おそらく今から5秒後にはこの電話を切って身支度をして家を飛び出してるに違いないんだか──』
「ごめん!咲子!またかけ直すね!!」
2秒後に電話を切った綾乃はすぐさまパンツを履き、ブラジャーを付け、適当な服を着て家を飛び出した。
──そして息を切らしてたどり着いた葵のマンション。
玄関のドアの前で息を整えてからインターホンを鳴らしてみるも、しばらく応答がない。
「(出ない…)」
「(さっきから電話にも出ないし、まさか葵の身に何かあったんじゃ…?!)」
嫌な予感がする。
そして咄嗟に思い出してバッグの中の合鍵を手で探り始めたその時、カチャリと音を立ててドアが開いた。
「……あれ、綾乃?」
「……あ。」
見上げた目の前には、いつも通りの彼がルームウェア姿でキョトンとしてそこに立っていた。
拍子抜けのあまり、すぐに言葉が出ない綾乃。
「どうしたんだよ、こんな時間に」
「だ、だって…葵っ、今朝から風邪で会社休んでたってさっき咲子から聞いてっ…!」
「さっきから何回電話しても出ないからっ…!」
「…ああ、だってさっきまで風呂入ってたもん」
平然と答えるその濡れ髪を見て、綾乃は膝の力が抜けそうになるのだった。
「なんだ……寝込んでるんじゃなかったのぉ?」
「…風邪ひいたぐらいでわざわざここまで来てくれたんだ?」
「だって、会社休むなんてよっぽどだと思ったし…」
「ねぇ、ほんとは風邪なんかじゃないんでしょ?」
「最近ちょっと痩せたし……もしかして、何か病気なんじゃないの…?」
「私と会おうとしなかったのも、そのせいなんじゃ…」
そこまで言いかけた所で、小さくため息をついた葵が言った。
「違うよ、多分……疲れの溜まりすぎ」
「39度の熱と目眩で出勤したって仕事にならないと思って、さすがに休んだんだよ」
「…ま、朝から撃たれたようにさっきまで寝てたら熱も下がったからこの通り風呂にも入れたし…大丈夫だって」
そう言って笑う彼は、どことなくまだ無理をしているふうにも見える。
「そっか、よかった…」
「私、こないだつい意地になっていろいろ問い詰めちゃったから、もしそのせいで葵のこと追い詰めてたりしてたらどうしようって思って…!」
「葵には葵の事情だってあったのかもしれないのに…っ」
黙って聞いているだけの葵の目を改めて見ると、その先の言葉を見失ってしまった。
「……それで?」
期待が混じった笑みを口元に浮かべて次の言葉を待たれてしまうと、ますます言葉に詰まる。
「だ、だからっ…その…」
言いたいことも訊きたいことも山ほどあるはずなのに、まだ疲れが取れたとは思えない葵に向かってこれ以上口うるさくまくし立てる気にはなれない。
「ま、まぁ、元気になったんなら安心したしっ、私もう帰るからゆっくり休んでてねっ!」
そう笑って踵を返そうとした時、
手を掴んだ彼に力強く抱きしめられて体が固まった。
「あ、葵…っ」
「…ダメ、もう帰さない」
「でも…」
「今までのこと、ちゃんと全部話すから……行くなよ」
そう言って一層強く抱きしめる腕も、いつもより少し熱い体温も、寂しくてすがるようなその声も、そのすべてがそこから立ち去る気力を奪っていった…。
──リビングのソファーの前にいつもあるローテーブルの上には、あの日見た婚約指輪のカタログが積まれて置かれていた。
それをチラリと横目で流し見て、綾乃は視線を逸らす。
相変わらず綺麗に片付いた部屋。
その一角のスペースに、立派なデスクトップパソコンが1台の他に、ノートパソコンやタブレットやその他の機材が置かれたデスクがあった。
「(あれ…こんなの前までなかったよね?)」
見慣れないスペースをじーっと眺めている綾乃の後ろで、キッチンに立つ彼が話し始める。
「頭ん中にやりたいことがギューッていっぱい詰まってて…そのうちのどれか1つですら手を抜いたり妥協することがどうしてもできなくてさ」
「…で、結果的にパンクしちゃったって感じ(笑)」
ティーバッグの入った2つのマグカップの隣でケトルに水を入れ、湯沸かしのスイッチを入れる葵を振り返った。
「そのやりたいことって…何?」
「もしかして、あのウエダさんって人に関係あるの…?」
なんとなく、あの日スーツを纏った葵が会っていた女性との繋がりを感じた。
「あれは……俺の個人的なクライアント先の女社長だよ」
「“ diverse”のコスメなら、お前も1つや2つは使ったことあるんじゃない?」
マグカップにお湯を注ぐ後ろ姿に唐突に訊かれて、綾乃はハッとした。
「それはもちろんあるけど、まさかあの人がその社長なの?!」
「でも、そんな人と葵がどうして…っ」
「知り合いのツテで俺のこと紹介してもらって3ヶ月ぐらい前に一度顔合わせしてみたんだけど、えらく気に入ってもらえちゃって」
「だからもういろいろ必死だったよ、あんな大手メーカーの商品パッケージのデザインや広告宣伝の専属契約してもらえたら、スタートラインとしては最高だし」
「じゃあ、“個人的な”っていうのは…」
綾乃が立つそばのダイニングテーブルに紅茶の入ったマグカップを置いて、葵は言った。
「そこのデスク見たらわかると思うけど、独立してフリーランスのデザイナーになったんだ」
「…って言っても、今勤務してる会社の方が現段階では本業だから、あくまで副業として…だけどな」
「フリーランスの方が軌道に乗ったら、こっち一本でやってくつもり」
キッチンの台に腰からもたれて立つ彼が、紅茶を一口すする。
「…でもどうして?」
「これまでの実績が認められてディレクターっていう役職にも就いてるのに」
「そう、だからなんだよ」
「確かに責任ある仕事にはやり甲斐も感じてる、けど…」
「ディレクターって言ってもそれは会社内での肩書きなだけで、実際は自分の手でやりたい仕事も人に任せなきゃいけなくて、ちょっと歯痒かったりするんだ」
「それに、これはずっと前から思ってたことなんだけど…」
「営業部の人間が受注してきた案件をこなしてれば確かに安定した経験と収入は入ってくるけど、俺……苦労してでも自分のスキルとアイデアを売り物にして、人から買われたいんだ」
「企業に属するデザイナーじゃなくて、いち個人として…一流になりたい」
その目は、綾乃が今まで見たこともないぐらいに力強く自らの夢を見据えていた。
そして、ふっとその表情を緩ませると、前に立つ綾乃に語りかけるのだ。
「…でもさ、現実ってそんなに甘いもんじゃないだろ?」
「一人でやってくためにはデザイナーとしてのスキルだけじゃなくて、集客力…つまりは営業力や経営学なんかも必要不可欠だから、独学だけどずいぶん勉強もしてきた…」
「デスクに突っ伏したまま朝を迎えることもザラだったし、そりゃあ疲れも取れなくて当然だよな(笑)」
綾乃が知らない所で密かに努力を重ねていた葵。
あの温泉デートの時ですら微塵もそんな態度を見せることなく、目の前で微笑んでいた彼。
それだけに、突然聞かされただけですぐに実感が湧くものではなかったのだ。
「そんなの……私、全然知らなかったよ…」
「当たり前だよ、社長にしか話してないもん」
「え…なんで?」
「本当は同業種の副業するのって暗黙のルールみたいな感じでさ、あんまり良く思わない人だっているんだよな」
「だから、そのせいで周りが俺と一緒に仕事しにくくなるのだけは避けたかったんだ」
「……じゃあ、葵は会社の仕事も今まで通りにこなしながら、勉強もして、個人の仕事までしてたってこと…?」
「うん、会社が休みの日はもちろん、早めに切り上げた日なんかは自分の足でいろんな企業に営業に回って1日終わったり…」
「そうじゃない日は一日中、受けた案件の作業に没頭してた」
「だから……会う時間が作れなくて、お前から誘われても毎回言い訳して逃げてたんだ」
「ごめんな、綾乃…」
もはや謝罪なんて、される覚えなどなかった。
浮気をしていたわけでも、ママ活をしていたわけでも、ホストクラブでバイトをしていたわけでもなく、ひたすら夢に向かって走っている葵の邪魔をしていたのは自分なのかもしれないのに。
しかし、そこで大きな疑問が1つ浮き上がった。
「でも、それならどうしてもっと早く独立したこと私に話してくれなかったの?」
その問いかけに、葵はピクッと反応を見せた。
「会社の人たちに黙ってたのはともかく、嘘ついてごまかしてまで私に隠してたなんて…」
「私のこと、信用してもらえてないみたいで…ショックだよ…っ」
途端に気まずそうに目を逸らすと、葵は耳の裏を指で触り始めるのだった。
「そ、それは…さ、その……っ」
「……なに?」
「……っ」
煮え切らないその態度に、ついまた苛立ってしまう綾乃。
「なによ、もうっ」
ムッとして詰め寄ろうとした時、突然葵が動き出してデスクの方へと向かった。
何をしようとしているのかまったくわからない中、葵はデスクの引き出しに手を掛けて…
「あーあ、ほんとはこんなトコで渡したくなんかなかったのになぁ」
「ハダカのままだし…」
「え…?」
そして引き出しの中から取り出した物を持って戻り、綾乃に向かってその手を差し出すと、葵は目を泳がせて言った。
「……ほい。」
ぶっきら棒に手渡されたそれは…
薄いピンク色のリングケース。
「これって……!」
一気に心臓がドクンドクン…と跳ね上がっていき、持つ手が微かに震えだした。
「先に言っとくけど、素人レベルだから出来栄えには期待すんなよなっ…」
チラチラと落ち着きなくこちらに目をやる葵の前で、綾乃はリングケースの蓋を開けた。
そこにあったのは、真っ白な布張りの真ん中に刺された1個の指輪。
ピンクゴールドのリングの中央には大きなダイヤモンドが輝き、その存在を引き立てるように両サイドを流れるラインには小さなダイヤがいくつも散りばめられている。
「土台とストーンはさすがに買ったんだけど、装飾デザインだけは自分の手で創りたくってさ」
「オーダーメイドって手もあったけど……誰の手にも触れさせたくなかったんだ」
それは、この世に1つだけしかない指輪。
どこにも売っていない、たった1つだけの…。
「……すっごく女らしくて綺麗で、可愛いデザイン…」
真っ先に出てきた言葉は、その指輪を見つめて最初に感じた感想だけだった。
「こんな指輪、ほんとに私がもらってもいいの…?」
「私なんて……お風呂上がりにバスタオル1枚で缶ビール煽ってるような女なのにっ…!」
「そ、そうなの…?(笑)」
そして、マジマジと指輪を見つめるだけの綾乃の顔を横から覗き込んで、彼はフッと笑って言った。
「お前に独立のこと黙ってたのは、その指輪を渡す時に言うんだって…ずっと心に決めてたからなんだ」
「“今まで以上に仕事が忙しくなるけど、これから先もずっと、俺のこと支えて欲しい”……って」
そんな魔法の言葉は、今までの寂しさや不安、不満、負の感情すべてを一掃するには充分すぎた。
「うそ、本当にっ…?!」
「私……で、いいの…?!」
「お前以外に誰がいるってんだよ、バカ」
照れ隠しで口が悪くなってしまうのも、いつもの癖。
そして綾乃の手の中からパシッとリングケースごとぶん取ると、葵はその手で中身の指輪をつまみ上げた。
「…あ!な、何すんのっ…?!」
「指輪をデザインするのって俺も初めてだったからカタログなんか買って参考にしたりもしたんだけど……やっぱ職業柄こだわっちゃって(笑)」
手のひらに乗せた指輪を見つめて、彼は笑った。
「やっぱ俺…相手のことを考えてイメージしながら物を創ることが好きなんだ……」
「ま、そのせいで何回も作り直したりしてるうちにお前のこと、痺れ切らして怒らせちゃうとこまで来ちゃったんだけど」
まるで、待っているのを悟られたように彼の手に取られる左手首。
「バカだよな、俺って…」
「やっとの思いで昨日の朝方に完成して…これでやっとお前に何もかも話して、仲直りできるって思った途端に一気にフラーッときちゃって、このザマだもん」
薬指の先端をくぐって、葵が摘んだ指輪は付け根まで引っ掛かることなくすんなりと通っていった…。
決して死ぬまで忘れられそうにはない、この瞬間。
そして言葉も出ないまま見上げた場所には、何度も見てきた彼の照れ顔。
「これで…お前はもう予約済みっ」
「俺から離れたら契約違反だからなっ」
溢れ出してしまった想いが、愛情なのか感謝なのか安心なのか、反省からくる後悔なのか、わからないまま…
ただ、ひたすらに──
愛する人を、抱きしめた。
「ほんっとーに!あんたってバカ…!!」
「私なんかのために…倒れるまで頑張っちゃうなんて…!」
「それなのに、ごめんっ……私、何も知らずにキツく当たっちゃって!」
葵から返ってきたのは、安心しきったような声。
「でも…こうしてまた俺の所に来てくれたじゃん…それだけで、俺って満たされちゃうんだよな」
「それに、お前は俺のことを“完璧な男”だって言ったけど……俺は完璧なんかじゃない」
「お前っていうエネルギー源がそばにいないと、こんなふうに勝手に暴走して疲れて潰れちゃうから…」
「本当…?」
見上げると、自分の涙でぼやけた彼の顔。
そして、どちらからともなく引き寄せられたまま、唇が重なり合う。
もうこれ以上、言葉でお互いの愛を確かめ合う必要なんてなかった。
今までで一番、熱いキスだけが意思疎通を図り始めたのだから。
「ん、ん…」
抜け落ちそうになってしまう体の力。
唇が離れて目を開けた時、すでに動きだした彼に押されるがまま、後ろのテーブルの端へと追いやられる。
「…あ!ちょっと待っ──」
火がついてしまった彼の物言わぬ唇は尚もその言葉を封じ込め、熱い舌先同士が絡み合う。
キスだけで全身がフワフワとして、落ち着きなく動き出す両脚のつま先。
チュッチュッとお互いを求め合う合間に、彼の手がオープンフロントのカーディガンをハラハラと脱がしていく。
「……シたい、だめ?」
そんな囁きかけに同意も拒絶も言葉にできないまま、また唇を塞がれる。
とっくに疼き始めていたカラダは、服の中へと入ってきた彼の手に下着の上から胸を掴まれた瞬間にピクンと全身で反応する。
「ここよりベッドの方がいい?」
「あ……、んっ」
質問してくるくせに、答えさせる間を与えずにまたキスで黙らせる葵。
胸を揉みしだくその手つきも、彼の興奮の強さを物語っていた。
ベッドの上で、激しく愛されたい──。
彼のカラダの重みを感じながら、快楽に身を委ねてどこまでも堕ちてしまいたい。
そう願った時、首筋を伝っていた彼の唇が離れ、綾乃の肩の上にコトン…とその頭が倒れ込んできた。
「ん…?葵…?」
「ごめん、興奮したら熱…上がっちゃったかも……」
「えっ…うそっ?」
首元の肌に触れる葵の顔は、先ほどまでとは比べ物にならないほど熱かった───。
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