日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家

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7話 帝国使節団、襲来➁

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『こちらモーク。緊急報告だ。アグレシーズ帝国の使節団が来航し、二ホンと国交を持ちたいとのことらしい。繰り返す………』

 二ホンから配備された黒い箱からそう聞こえてきて、焦る。あり得ない。アグレシーズ帝国だと。
 あの列強、アグレシーズ帝国がわざわざ国交樹立を求めに来る………他国を基本見下す姿勢が強い帝国がだ。そんなことは インベルド王国 港町ベルダー ベルダー城(sideアルト)
普通有り得ない。例外だったのは他の列強国くらいだ。

 いやだがしかし、現に帝国の使節団が二ホンとの交渉をしようとやってきている。

 ということはだ………

 だとしたら、自分たちの国はとんでもない相手と戦っていたのか。それは、負けるに決まっている。

『おい、聞こえてるのか!?おい!』

 我に返る。

「あ、ああ。了解した。本国の方へと連絡する。では、一旦切るぞ」

『ああ、頼むぞ』

 これは、忙しくなりそうだ。

 ―――――――――――
 インベルド王国 ベルダー駐屯地 情報統制室

『こちらモーク。緊急報告だ。アグレシーズ帝国の使節団が来航し、二ホンと国交を持ちたいとのことらしい。繰り返す………』

「こちら17番。王国海軍モークからベルダー城へ無線が使用。アグレシーズ帝国なる国の使節団が我が国と国交樹立のためにベルダー海に来ているようです」

「な、なんだと?17番はそのまま作業を続けろ。こっちは上へ連絡する」

 駐屯地の地下にある一室で、三十人ほどの男女がパソコンや様々な機器を使って作業をしていた。彼らが行っているのは、インベルド王国へ贈与した無線を通じての盗聴である。無線の中には盗聴するための仕組みが仕込まれているのだが、インベルド王国軍はそれに気づいていないのだろう。彼らの任務は今日も順調であった。

「アグレシーズ帝国ってなんだ?聞いたことないぞ?」

「さあ………クラート方面の連中なら知っているかもしれませんが………」

「あーー。まああいつらならなんか知ってそうではあるんだよな」

 手の空いていた21番の質問に、22番がクラート王国無線を盗聴している部隊なら知っているのでは?と答える。
 クラート、リマ、インベルドの三国に無線盗聴の部隊が配備されているのだが、その中でも最も有益な情報を入手することが多いのはクラートに展開している部隊なのだ。まあそれは当然だろう。クラート王国は他の二国に比べて積極的な外交を行っていたからかその分他国に関する情報も手に入りやすいのだ。

『こちらベルダー警備隊三番隊隊長カルド。ベルダー城へ緊急連絡アリ、繰り返す。こちらベルダー警備隊三番隊隊長カルド。ベルダー城へ緊急連絡アリ』

『こちらベルダー城。どうぞ』

『沖合に巨大な船がうっすらと見える。所属は不明だが、二ホンのものではない可能性が高い』

 22番のパソコンからインベルド王国軍の会話が聞こえ始める。

「おい、そっちにも音入ったぞ」

「あ、ほんとですね」

 今日も、表向きには存在しない彼らの仕事は続く。
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