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14話 『無敵艦隊』出航!
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戦列艦エルラウド 甲板
アグレシーズ帝国の中でも最大級の軍艦であるエルラウド。その甲板上で帝国軍人の中でも最上位に位置するディメダ一等将官は海を眺めていた。
(この海をずっと進んでいけば、シルフィアラにもラファーにも、今回攻撃を加える二ホンにだって行ける。海とは不思議なものだ………)
そんな風に彼が感傷にひたっていると、一人の帝国兵が駆け寄ってくる。
「一等将官閣下、全艦隊の準備が完了いたしました!旗艦エルラウド以下640隻、何時でも出撃可能です!」
「ふむ。各艦、魔法結晶・食糧・弾薬・船員が全て揃っているのだな?予定している航路も問題はないだろうな?」
「はい!既に三回確認を行いましたが不備はありません。航路に関してもセラバダ海付近は何の異常気象もなく、極めて波が低いため安全だそうです。また、例・の・新・型・艦・も問題はないとのことです」
「そうか……二ホンの軍艦に乗せられた砲は、射程や威力が我が国のものよりはるかに高いと聞いている。だが、奴らのチナークなる飛行機は我々のアークドラゴンより性能は劣る。軍艦の性能が劣っている中だからこそ航空戦力の意味は大きい。そういう意味でも例・の・新・型・艦・は大事に扱うのだぞ」
ディメダがそんな風に持論を展開するが、それを聞いている帝国兵はあまり納得していないようだ。
「僭越ながら申し上げさせていただきます。二ホンの艦は強力な砲を有していてもたったの一門なのですよね?一門の砲では、当たる可能性は非常に低くそこまで優れた艦とは思えないのですが……」
そんな帝国兵の疑問に、ディメダは丁寧に答える。
「軍艦の砲が少ないなら、もう何個か搭載すれば良いなど、一兵卒にでも分かる話だ。なのに二ホンがそれをしないということは、あれ一門で事足りるということの裏返しとも取れる。……つまり二ホンの砲が我々の予想以上に高性能なのか、それとも二ホンの艦には他の兵器も搭載しているから砲は一門で十分なのかのどちらかが当てはまる可能性が高いという訳だ」
「な、成る程……流石一等将官閣下です。自分にはそこまで想像も及びませんでした」
帝国兵がそう賞賛の意を表しながらそう言うと、ディメダは苦笑いする。
「まあ、全部勘違いで二ホンは大したことがない可能性もあるのだがね、はっはっは!さて、ではそろそろ出撃しようか。魔法通信で全艦隊に出撃命令を下してくれ!」
「はっ!了解いたしました!」
アグレシーズ帝国海軍、総勢640隻の戦列艦で構成された日本侵攻艦隊。後の世で皮肉も込めて『無敵艦隊』と名付けられるその艦隊が日本へ向かって動き始めた。
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そんな風に彼が感傷にひたっていると、一人の帝国兵が駆け寄ってくる。
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「ふむ。各艦、魔法結晶・食糧・弾薬・船員が全て揃っているのだな?予定している航路も問題はないだろうな?」
「はい!既に三回確認を行いましたが不備はありません。航路に関してもセラバダ海付近は何の異常気象もなく、極めて波が低いため安全だそうです。また、例・の・新・型・艦・も問題はないとのことです」
「そうか……二ホンの軍艦に乗せられた砲は、射程や威力が我が国のものよりはるかに高いと聞いている。だが、奴らのチナークなる飛行機は我々のアークドラゴンより性能は劣る。軍艦の性能が劣っている中だからこそ航空戦力の意味は大きい。そういう意味でも例・の・新・型・艦・は大事に扱うのだぞ」
ディメダがそんな風に持論を展開するが、それを聞いている帝国兵はあまり納得していないようだ。
「僭越ながら申し上げさせていただきます。二ホンの艦は強力な砲を有していてもたったの一門なのですよね?一門の砲では、当たる可能性は非常に低くそこまで優れた艦とは思えないのですが……」
そんな帝国兵の疑問に、ディメダは丁寧に答える。
「軍艦の砲が少ないなら、もう何個か搭載すれば良いなど、一兵卒にでも分かる話だ。なのに二ホンがそれをしないということは、あれ一門で事足りるということの裏返しとも取れる。……つまり二ホンの砲が我々の予想以上に高性能なのか、それとも二ホンの艦には他の兵器も搭載しているから砲は一門で十分なのかのどちらかが当てはまる可能性が高いという訳だ」
「な、成る程……流石一等将官閣下です。自分にはそこまで想像も及びませんでした」
帝国兵がそう賞賛の意を表しながらそう言うと、ディメダは苦笑いする。
「まあ、全部勘違いで二ホンは大したことがない可能性もあるのだがね、はっはっは!さて、ではそろそろ出撃しようか。魔法通信で全艦隊に出撃命令を下してくれ!」
「はっ!了解いたしました!」
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