71 / 104
29話 追いかけっことは(哲学)
しおりを挟む
(sideシエラ)
あと3分。あと3分だけ遊ぼう。
本当に、追いかけっこが楽しいぞ。
………ずーっと、こうやって遊んでいたのだ。
でも、このままだとそれは出来ない。
こうやって遊ぶ前に、アイツを止めなければ、ニンゲンはみーんな居なくなってしまうだろうから。
だから、ニンゲンと遊ぶ前に少しだけ忠告を………
ん?
後ろから何か………
ドオオオオオン!
ー------------------------------------
F15J(side篠田)
『篠田ァ!大丈夫だったか!?』
『良くわからん化け物には俺たちが99式をぶちこんでやったぜ!』
『念には念を入れて四発当てたんだ。ひとたまりもあるまい』
無線越しに流れてくる、聞き覚えのある声。
「お、おいおい!やっちゃって大丈夫なのか!?」
それらに対して俺が最初に感じたのは、感謝や驚きじゃない。攻撃したことへの心配だった。
『なあに言ってんだ!上の方から許可が出てるぞ?』
『おめーが聞き逃したんだろ、ああ!?』
「あっ、そういやあなんか言ってたなあ………」
それを言われて、無線越しに上官からさっき何かを言われていたことを思い出す。とにかく振り切ることに必死で、何も聞けてなかったのだろう。
『おいおい、お前集中しすぎだろwww』
「し、仕方ねえだろ!相手がめちゃくちゃ速いうえに運動能力も化け物だったんだ!こいつで最高速を出しても振り切れなかったんだぞ!?」
『お前がヘタクソなんじゃないかあ?おいおいw』
なんだか、ホッとする。あの化け物相手に、俺は助かったんだ。生き延びたんだ。
そう思うと、なんだかやり切ったような気持ちに………
『お、おい………レーダーにまだ反応が残ってるぞ?』
『はあ?ミサイル直撃でやられねえやつなんぞ………え………』
その言葉を聞いて、慌てて周囲を見る。
「な、な………あ、あのバケモン、まだ浮いてやがるッ!?」
そこには、あのヒトの形をした化け物が浮かんでいた。
しまった!油断していたせいで回避が取れない、やられるッ!!!
『お、おーいニンゲン達よ。ワタシは遊びに来ただけで戦うつもりはないぞ~?』
は?
脳内に直接響いてくる少女のような声に、俺はただただ困惑していた。
------------------------------------
(sideシエラ)
お、追いかけっこをしていただけで、よく分からない空飛ぶ棒でこうげきされたぞ………
爆発するし、四本もくらったからそこそこ痛かった。でも、なんであんなものをワタシに………
…
…
…ひょっとしてワタシ、ニンゲン達に敵と思われてるのか?
だ、だとしたらマズいぞ!な、なんか言わなきゃ………
…
…
…
「お、おーいニンゲン達よ。ワタシは遊びに来ただけで戦うつもりはないぞ~?」
と、とりあえず思念魔法を使ってみたが、どうだ?どうだ?どうなのだ?流石に伝わったよな?
久しぶりに使ったし、間違えて別の魔法使ってないよな?
………ていうかひょっとしてさっきのは追いかけっこじゃなく、敵から逃げていただけなのか?
あと3分。あと3分だけ遊ぼう。
本当に、追いかけっこが楽しいぞ。
………ずーっと、こうやって遊んでいたのだ。
でも、このままだとそれは出来ない。
こうやって遊ぶ前に、アイツを止めなければ、ニンゲンはみーんな居なくなってしまうだろうから。
だから、ニンゲンと遊ぶ前に少しだけ忠告を………
ん?
後ろから何か………
ドオオオオオン!
ー------------------------------------
F15J(side篠田)
『篠田ァ!大丈夫だったか!?』
『良くわからん化け物には俺たちが99式をぶちこんでやったぜ!』
『念には念を入れて四発当てたんだ。ひとたまりもあるまい』
無線越しに流れてくる、聞き覚えのある声。
「お、おいおい!やっちゃって大丈夫なのか!?」
それらに対して俺が最初に感じたのは、感謝や驚きじゃない。攻撃したことへの心配だった。
『なあに言ってんだ!上の方から許可が出てるぞ?』
『おめーが聞き逃したんだろ、ああ!?』
「あっ、そういやあなんか言ってたなあ………」
それを言われて、無線越しに上官からさっき何かを言われていたことを思い出す。とにかく振り切ることに必死で、何も聞けてなかったのだろう。
『おいおい、お前集中しすぎだろwww』
「し、仕方ねえだろ!相手がめちゃくちゃ速いうえに運動能力も化け物だったんだ!こいつで最高速を出しても振り切れなかったんだぞ!?」
『お前がヘタクソなんじゃないかあ?おいおいw』
なんだか、ホッとする。あの化け物相手に、俺は助かったんだ。生き延びたんだ。
そう思うと、なんだかやり切ったような気持ちに………
『お、おい………レーダーにまだ反応が残ってるぞ?』
『はあ?ミサイル直撃でやられねえやつなんぞ………え………』
その言葉を聞いて、慌てて周囲を見る。
「な、な………あ、あのバケモン、まだ浮いてやがるッ!?」
そこには、あのヒトの形をした化け物が浮かんでいた。
しまった!油断していたせいで回避が取れない、やられるッ!!!
『お、おーいニンゲン達よ。ワタシは遊びに来ただけで戦うつもりはないぞ~?』
は?
脳内に直接響いてくる少女のような声に、俺はただただ困惑していた。
------------------------------------
(sideシエラ)
お、追いかけっこをしていただけで、よく分からない空飛ぶ棒でこうげきされたぞ………
爆発するし、四本もくらったからそこそこ痛かった。でも、なんであんなものをワタシに………
…
…
…ひょっとしてワタシ、ニンゲン達に敵と思われてるのか?
だ、だとしたらマズいぞ!な、なんか言わなきゃ………
…
…
…
「お、おーいニンゲン達よ。ワタシは遊びに来ただけで戦うつもりはないぞ~?」
と、とりあえず思念魔法を使ってみたが、どうだ?どうだ?どうなのだ?流石に伝わったよな?
久しぶりに使ったし、間違えて別の魔法使ってないよな?
………ていうかひょっとしてさっきのは追いかけっこじゃなく、敵から逃げていただけなのか?
13
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
TS? 入れ替わり? いいえ、女の身体に男の俺と女の俺が存在しています! ~俺の身体は冷蔵庫に保管中~
ハムえっぐ
ファンタジー
ある朝、目を覚ますと、鏡に映った自分はなんとセーラー服の美少女!
「なんだこれ? 昨日の俺どこいった?」と混乱する俺。
それもそのはず、右手がマシンガンに変形してるし!
驚きつつ部屋を見回すと、勉強机もベッドも昨日と変わらず安堵。
でも、胸がプルプル、スカートがヒラヒラ、男の俺が女の俺になった現実に、完全にパニック。自己確認のついでに冷蔵庫を開けたら、自分の男の肉体が冷蔵中!
頭の中で「女の俺」がささやく。
「あの肉体にマシンガン撃てば、君が私から出られるかもよ?」って。
「え、俺が俺を撃つって? それで俺、再び男になれるの?」と考えつつも、「とにかく、この異常事態から脱出しなきゃ!」と決意。
さあ、俺がどうやってこのカオスから脱出するのか、そしてなぜ冷蔵庫に男の俺がいるのか、女子高生になった俺の戦いがここに始まる!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる