95 / 104
52話 一斉攻撃
しおりを挟む
港湾都市シャベド 沿岸地域
先日の二ホン軍による空襲。被害自体はそこまでだったものの、帝国の主要都市であるシャベド近くの上空を他国の航空戦力に我が物顔で飛行されたという事実は重大であった。
当然、帝国軍としても何の対策をしないわけにもいかない。
上空で常に警戒するアークドラゴンの数を4匹から8匹に増やし、また航空基地の敷地の一部に最近帝国軍で運用されたばかりの対空魔砲や通常魔砲を投入して高密度の対空陣地を作り始めた。
アークドラゴンだけでなく通常のドラゴンやレッサードラゴンも他の都市の防衛隊から集結させて航空戦力の数もそろえた。
また、二ホンへの再度の侵攻計画を一旦取りやめて、万が一二ホン軍が上陸してきても問題ないように陸軍の部隊を要所要所へと配備した。
対空戦闘で砲弾が不足しないように、大量の砲弾も用意した。
対空戦闘をほぼしたことのない帝国軍なりに出来る限りの対策をし、万全の体制に整えた。………少なくとも、帝国軍にとっては。
それが逆効果であることは、誰も知らない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちょうどジョール城の方では戦いが始まっていたころ。
その対空陣地では、多くの兵士たちが砲弾を運んでいた。
「おーい、先にその積みあがってる砲弾の方から運んでくれ!」
「りょーかーい!………やれやれ、にしてもこの砲弾はいつもより重くねえか?」
運搬作業をしている兵士が、となりで同じように運搬している相方に問いかける。
「そりゃそうだ。何せその砲弾は対空用に高濃度の魔法結晶を詰め込んだ代物だからな。重い分、破壊力もピカイチさ。なんでも半径50m程度は吹き飛ぶらしいぜ?」
ドヤ顔でそう語る相方を内心ウザいと思いつつも、兵士はさらに問いかける。
「そりゃ凄いが………対空用なんだろ?当たればいいじゃねえか。破壊力は強くなくてもいいだろ?」
そんな質問に、相方はやれやれと言った表情で返答する。
「当たれば、な。でも実際はうろちょろ飛び回るドラゴンに砲弾を当てるなんて無理だろう?だから破壊力を向上させて、直接当たらなくても近くで爆発すれば撃墜できるようにしたのさ」
「成る程………お前、やっぱ頭いいなぁ!」
「この程度で頭が良ければ、人類皆天才の集まりだろうな。お前が馬鹿なだけさ」
いつも通りにそんな会話をしていると、怒号が耳に入ってくる。
「て、敵襲ー--っ!!!」
「な、何!?」
「う、うん?」
いきなりの出来事に二人が動揺していると、何か変な音が聞こえてくる。
ゴオオオッ………
上を見ると、20は超える数のドラゴンではない何かがとてつもない速さで飛んでいた。
「ぼさっとするな!早く魔砲の砲撃準備を………」
そんな上官の発言中に、空を飛ぶ何かから何個も何個も黒い点のようなものが落ちてくる。
「おい、なんだあれ?」
能天気にそんなことを言う彼に、相方は。
「おい、逃げ」
バアアアアアン!
とてつもない爆発音が、航空基地に響く。
本来なら滑走路を狙って落とされたそれは、いくつかがそれて対空陣地へと突入する。
特別に高威力に作られた対空用の砲弾はまだ運搬中であり、山のように積み上げられていた。
また、一部は対空陣地全体に既に運搬されている。
それらが誘爆した時………高密度な対空陣地で何が起きるかなど、分かりきった話だ。
ドオオオオオオオオオオオッッッッッ!
噴火のようなとてつもない爆発が、起きる。そのとてつもない衝撃で、各地に既に運搬されていた対空用の砲弾や通常の砲弾も爆発を起こす。
もくもくと上がるとてつもない量の赤い煙と、爆発によるとてつもない高さの温度。飛び散る砲弾の破片。
それらが全て収まった時には、そこには何も残っていなかった。
先日の二ホン軍による空襲。被害自体はそこまでだったものの、帝国の主要都市であるシャベド近くの上空を他国の航空戦力に我が物顔で飛行されたという事実は重大であった。
当然、帝国軍としても何の対策をしないわけにもいかない。
上空で常に警戒するアークドラゴンの数を4匹から8匹に増やし、また航空基地の敷地の一部に最近帝国軍で運用されたばかりの対空魔砲や通常魔砲を投入して高密度の対空陣地を作り始めた。
アークドラゴンだけでなく通常のドラゴンやレッサードラゴンも他の都市の防衛隊から集結させて航空戦力の数もそろえた。
また、二ホンへの再度の侵攻計画を一旦取りやめて、万が一二ホン軍が上陸してきても問題ないように陸軍の部隊を要所要所へと配備した。
対空戦闘で砲弾が不足しないように、大量の砲弾も用意した。
対空戦闘をほぼしたことのない帝国軍なりに出来る限りの対策をし、万全の体制に整えた。………少なくとも、帝国軍にとっては。
それが逆効果であることは、誰も知らない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちょうどジョール城の方では戦いが始まっていたころ。
その対空陣地では、多くの兵士たちが砲弾を運んでいた。
「おーい、先にその積みあがってる砲弾の方から運んでくれ!」
「りょーかーい!………やれやれ、にしてもこの砲弾はいつもより重くねえか?」
運搬作業をしている兵士が、となりで同じように運搬している相方に問いかける。
「そりゃそうだ。何せその砲弾は対空用に高濃度の魔法結晶を詰め込んだ代物だからな。重い分、破壊力もピカイチさ。なんでも半径50m程度は吹き飛ぶらしいぜ?」
ドヤ顔でそう語る相方を内心ウザいと思いつつも、兵士はさらに問いかける。
「そりゃ凄いが………対空用なんだろ?当たればいいじゃねえか。破壊力は強くなくてもいいだろ?」
そんな質問に、相方はやれやれと言った表情で返答する。
「当たれば、な。でも実際はうろちょろ飛び回るドラゴンに砲弾を当てるなんて無理だろう?だから破壊力を向上させて、直接当たらなくても近くで爆発すれば撃墜できるようにしたのさ」
「成る程………お前、やっぱ頭いいなぁ!」
「この程度で頭が良ければ、人類皆天才の集まりだろうな。お前が馬鹿なだけさ」
いつも通りにそんな会話をしていると、怒号が耳に入ってくる。
「て、敵襲ー--っ!!!」
「な、何!?」
「う、うん?」
いきなりの出来事に二人が動揺していると、何か変な音が聞こえてくる。
ゴオオオッ………
上を見ると、20は超える数のドラゴンではない何かがとてつもない速さで飛んでいた。
「ぼさっとするな!早く魔砲の砲撃準備を………」
そんな上官の発言中に、空を飛ぶ何かから何個も何個も黒い点のようなものが落ちてくる。
「おい、なんだあれ?」
能天気にそんなことを言う彼に、相方は。
「おい、逃げ」
バアアアアアン!
とてつもない爆発音が、航空基地に響く。
本来なら滑走路を狙って落とされたそれは、いくつかがそれて対空陣地へと突入する。
特別に高威力に作られた対空用の砲弾はまだ運搬中であり、山のように積み上げられていた。
また、一部は対空陣地全体に既に運搬されている。
それらが誘爆した時………高密度な対空陣地で何が起きるかなど、分かりきった話だ。
ドオオオオオオオオオオオッッッッッ!
噴火のようなとてつもない爆発が、起きる。そのとてつもない衝撃で、各地に既に運搬されていた対空用の砲弾や通常の砲弾も爆発を起こす。
もくもくと上がるとてつもない量の赤い煙と、爆発によるとてつもない高さの温度。飛び散る砲弾の破片。
それらが全て収まった時には、そこには何も残っていなかった。
13
あなたにおすすめの小説
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~
日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!
斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。
偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。
「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」
選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる