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その後02 - なんで!!!!?????

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 仕事中にガルが落馬するなんて事も少なくはない。なので引き上げてもらう練習を学校でやっていたりするので、シャルフもガルもそれなりには出来るはずなのだが、下手くそなシャルフとガルがいる。それに、落馬の時に魔法で衝撃を和らげれないガルもいる。
 そんな下手くそな人達に向けての講習だのっていうのが今日は行われていた。勿論全員参加なので休みの人も見に来ている。

「ナージャ上手だし、私は受身も上手くとれるし、下手じゃないから不参加でもいいと思うわ…」
「おや、珍しいね、優等生のキーラさんとは思えない発言」
「今作っているアイテムが後もう少しって所なのよ…この講習はルブルにとっては時間の無駄よ」
「同感だよ…キーラと私は何も問題ないからね…って事で実演する為に居たりするんだよね」
「あら、ナージャ、どこ行っていたの?というか、そうなの?」

 キーラと2人で司令塔の人が説明しているのを聞かず、後ろの方で無駄口叩いてたら、今まで居なかったナージャとウィゼルドがやっと姿を現した。

「始まる直前に司令室長に参加しなくていいか聞いたら、実演だけしろってさ。それ終わったら抜けていいからって」
「ううう早く終わらないかしら…」
「講習、始まってすらないよ」

 やっと講師が来たと思ったら引退したシャルフとガルが出てきて説明をしていて、呼ばれたナージャとキーラルブル組の引き上げ方を何度か見せつつ講師が説明するというもの。
 僕だって下手くそじゃないし落ちる事ほぼ無いし、受身も上手だから本当に時間の無駄。

「俺が引き上げる時、痛かったりしないか?」
「多分ウィゼルドはどのシャルフより上手だろうから大丈夫じゃない?」
「ええ、バロンドシャルフはとても優しいし上手ですよ」
「そうそう、そもそも落としたりもほとんど無いし、ガルをしっかり守って下さるから」
「だよね、私もバロンドシャルフと一緒で落ちた事ないもの」
「私もよ」
「戦闘中降りないといけない時くらいよね、引き上げてもらうの」
「そうだよね!」

 ウィゼルドがどれだけ優れたシャルフなのかという話がどんどん大きくなってしまい司令室の人からガルが怒られてしまった。なんで僕まで。

「でも、バロンドシャルフがここで講習受ける意味は皆無だと思います」
「シノノメシャルフみたいにとても上手ですからね」
「あーそれなら、トーマスシャルフもとても上手だし男性ガルも軽々引き上げてくれるよ」

 ああ、クルミも確かに上手だな。一度だけ機会があって上げてもらった。
 ガル達が下手なシャルフ、思いやりのないシャルフをつるし上げている公開処刑場と化したその場に残ったシャルフは半数くらいいた。

「なんでウィゼルド退席しなかったの?」
「シャロンがまだいるからな」
「そっか」
「そっかなの?バロンドシャルフはトレーニング戻っていいって許可降りたのに」
「うーん…ウィゼルド僕からなかなか離れないからなぁ」
「この時間はいつもお茶するか魔法かけてもらってのトレーニングか…アイテム作りの手伝いしているからな…1人だと何していいか…」

 いや、別に個人のトレーニングしていいんだけれど…どうやら彼の中でのトレーニングスケジュールが大まかに決まっているらしい。

「ということで、講習聞いていく」
「らしい」

 既にナージャのルブル組はいなくなったのでガル達に言われた下手くそなシャルフと真面目に受けろよ?という圧をかけているようなガル達が残った。僕もまあ仕方ないから残ってる。
 講習している引退したシャルフの説明におかしい所があったりするとすぐにウィゼルドが訂正しにいくし、引退したガルの説明がおかしいと僕が正しい方法を嫌味もなくしっかりと説明して泣かせてしまったりとなかなか楽しい講習会になった。

 シャルフ達がこれからガルを落としたりもしなくなったらいいけれど、とにかく引き上げる方法は正しく肩を傷めないようにしてもらいたいものだ。

「バロンドシャルフ、シャシャガル」
「はい」
「はーい」
「もう今後講習会関係は参加しなくていいですからね」
「何故だ?学ぶことは大切だが!?」
「そうだぞ、僕達だけハブよくない」
「講師陣が自信なくして帰っていくからです」

 講師を頼むのも大変なんだとくどくどと説明されたけれど、納得のいかない僕達が言い返して今度は司令室の人を泣かせてしまった。

「似たものカップルめ…今度から二人を講師にしてやる!」
「!?」

 そう言い残して司令室の人が走って逃げていった。
 え、ちょっ…

「なんで!!!!????」

 なんでカップルだと!?公表してないよ!!???
 それを問い詰めるために全力で追いかけたら全力で逃げられた。

 捕まえて聞いた所、はたから見たらそう見えるだけらしい。まだ公表してないんだから、距離感とか…気を付けないと…。



・・・・・・

優等生のナージャルブル組と
優等生だけれど厄介なウィシャロ組

似たものカップルです。
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