迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

文字の大きさ
4 / 221

04. 宿屋契約システム

しおりを挟む
 前世の歴史を思い出し、今は存在しない宇っ宙人と魔物の関係性を考えてみた……

 今世とは別世界ぽいんだけど、どうなんだろうか?
 わからない。

『前世の記憶』からしても前世は宇っ宙人におびえて暮らしていたみたいだし。

 今の世界の方が魔法が使えて生きやすそうだ。

 ただ、三歳にしては考え方が大人? になったのは しょうがないのか……

 そこは諦めよう。

 今はこれからの自分の身の振り方を考えないとね。
 せっかく魔法の使える世界に生まれて来たのだからいっぱい魔法を使ってみたい。
 凄く楽しみだ。

 まずは今のわたしの状況だけど、これは案外大変かもしれない。


 わたしは一歳の時にこのリエール辺境伯領に連れて来られた。

 王都で冒険者をしていた両親が亡くなり、母の兄がいるこのリエール領に連れて来られたのだ。

 この領は王都から馬車で二日かかる。
 そんな遠い領まで連れて来てもらえたのには理由があった。

 このリエール辺境伯領と王都に住んでいるリエール領出身の宿屋の人たちによる契約システムのお陰だ。

 リエール領はのどかだけど、そんなに仕事がない。
 仕事がない領の人たちは、王都で商売か冒険者をして生計を立てるしか方法がなかった。

 領の子どもたち、特に三男以上の男子は領を出て王都で手っ取り早く冒険者になる。

 六歳から誰でも見習いの冒険者仮登録ができて働けるからだ。

 そして十歳で本登録ができる。

 わたしの両親も王都で冒険者をしていた。
 二人は火と水の魔法が使えたので、そこそこ強かったと伯父さんが話してくれる。

 稼ぎがそこそこある冒険者は自分の領出身の宿屋を住処として活動し、もしもの時の契約書をしっかり交わしておくらしい。
 今回はそれでわたしがこのリエール領に来れたのだ。

 今回の契約は、もしも二人に何かあれば預かっている子どもをこのリエール領に住んでいる伯父さんの所に連れて行くこと。

 住んでいた部屋の荷物は事前に申告して渡して欲しい物(先祖からの形見)みたいな物や貯めていた大金等でない限り全て宿屋の物になるようだ。
 それで部屋の整理もしてもらえるので、まぁ理にかなっている。

 小さな子ども(わたし)がいた両親は、部屋も基本食事も子どもを預ける所(子守りの場所)も全部同じ宿屋にしていて、前金や礼金も先に渡し万全な体制で冒険者をしていた。

 信用第一の商売だなぁと思う。

 同じ領出身というのも強みみたいだ。

 宿屋の人はお金をもらって契約をし、いざという時にも安心して冒険者たちが仕事をできるようにする。

 信用のある宿屋にはお客が集まる。

 宿屋は領に人を連れて帰ったり言付けや物品を渡したりすることで信用を得る。
 商売をしながら出身地にも帰れて、久しぶりに家族や知人にも会える。
 領の人たちもいざという時に安心だ。
 双方に損はない。

 わたしも本来ならこのまま伯父さんの働いているお屋敷で雇ってもらって安泰のはずだったのに……


 伯父さんの仕えているリエール辺境伯家は、この国の一番端。

 最先端。

 海側には人の降りれる海岸はなく、崖と森。
 そして小さな丘と小さな湖が存在するだけで外敵を気にする人もいない。

 王都に向かう方向にやっと畑が存在する緩みきった、良く言えば安全な田舎の領地。

 名ばかりの辺境伯家。

 見栄っ張りの奥様さえ気を付ければ本当に暮らしやすい田舎のお屋敷。

 通常は伯父さんが働いているので、小さな子どもの身内はそのままお屋敷に置いてもらって働けるはずだったのに。


 お花畑な侯爵令嬢が余計なことを……

 親切心なんだけど……
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

処理中です...