59 / 221
59. バンブの木で水筒 作り
しおりを挟む
あわてて検索をかける。
「本当だ。急にスピードを落として近づいてきているから、これはホワイトベアー狙いだね。 もう少し離れたところで様子を見ながら確認しようか」
「はい。検索は切らないで、風下に向かってください」
「うん、わかった」
そう~っと、ホワイトベアーから距離を取る。
しばらくすると鋭い目をしたゴールデンタイガーが姿を現した。
金色ですごくキレイ!
そんなちょっとどうでもいいことを考えていると、一瞬でホワイトベアーに襲いかかっていく。
見る間に急所の首へ襲いかかられ、不意をつかれたホワイトベアーはゴールデンタイガーの餌食になった。
ものすごくはやい!
これは気をつけないと、わたしなんてあっという間に食べられてしまう。
絶対、検索は切ってはダメだ!
なんだかとても勉強になったなぁ~。
ゴールデンタイガーにマーキングだけして、その場をそっと離れる。
あとはまわりになにもいないことを確認したバンブ林で、よさそうなバンブの木を四本切り倒す。
そしてそのまま長い木を担ぎ、途中人に会わないようちょっとだけ遠回りしながら、ウロ近くまで急いで戻ってきた。
はじめに開けた場所でバンブの葉を集める。
これも薬になるそうだ。
それから程よい太さのところで、持って帰えりやすく木を切り揃えておく。
残ったバンブの木で今から水筒作りをするから、まずは魔法で木の水抜き。
この工程がすごく大切らしく、ちょうど良いところまでチェリーに教わりながら水を抜いていき、やっと水筒作りができる。
使いやすい長さに切った水筒は飲み口のところを斜めに切って、飲みやすいよう内側を少し削り、水が流れやすくなる工夫をしておく。
これもチェリーに教えてもらった。
飲み口の穴は小さく二箇所空けるか迷って、もう大きめにドンとひとつ開け中が完全にのぞけるようにした。
飲み口のセンは同じバンブの少し細い部分で簡単に作る。
普段は魔法で水が出せるからコップも作って、それで飲めば大丈夫。
人がいるときだけ水筒から水を出すことにする。
中が完全に見えるようにしたのは、カビや汚れがすぐわかるから念のため。
浄化の魔法も覚えたので使うたびかけるつもりでいるけど、やっぱり目で確認したい。
それから細い棒二本で使う『ハシ』
これもバンブで作る。
はじめハシを使いこなすのが、なかなか難しかった。
でも慣れればフォークより楽な調理道具だ。
全部チェリーに教わる。
長めと短め、それから予備と……
そうだ、お皿もバンブの木なら簡単にできる!
スープが入る深めのお皿と少し大きめの浅いお皿。
魔法を使って作るから、あっという間に完成だ!
何気にあのしおりとネックレス作りが、わたしを器用にしてくれた。
まだまだ作れるから、適当に切って持って帰ろう。
もう今回はこれと頼まれた薬草で終わりだな。
日が沈む前に戻って、リンゴを食べウロで休む。
思っていたより余裕があるなぁ。
毛布を出してくるまりホッとひと息つく。
ウロのフタは内側から二枚重ねるタイプなので、少し隙間を開けて薄い青紫の景色を眺めながら……
「チェリー 、魔物がそばまでこないかなぁ?」
「はい。ここらへんはまだダンジョンというより森になるので、大丈夫だと思います。 薬師メリッサからいただいた薬を飲まれますか?」
「んっ、飲むけどもう少し起きてるよ。夜の景色も見てみたいからね」
ウロの回りは本当に安全で、たまになにか動物が通っているのかな? でも快適だ。
夜の景色は真っ暗で、思っていたよりすぐ飽きてしまう。
しょうがないから、お姉さんからもらった薬をクイっと飲んで……気づいたら、朝だった。
「チェリー、おはよう! ホントによく眠れたみたい。昨日の夜は危なくなかった?」
「はい。おはようございます。昨日はなにごともなく、静かな夜でした」
見張ってくれていたチェリーにお礼をいって、持ってきたリンゴを食べる。
あとは頼まれた薬草採取に向かうだけ。
なれた薬草なので、場所はわかっている。
三箇所まわって丁寧に採取すればいい。
今日はみんなが心配しているだろうからウロに一度戻り、隠しておいたバンブの木を丈夫なヒモでまとめ持ちやすくし、いつもより早く帰ることにした。
自分の背より長いバンブを五本身体強化で持って歩くとちょっと目立つけど気にしない。
それでもやっぱり森近く、木の細工ものを扱っている店のおじさんが店の前で声を掛けてきた。
「お嬢ちゃん、それっバンブの木だろう? まさか、とってきたのかい?」
「はい、そうですけど?」
「頼む、それを少しわけてくれ!」
「今からギルドに持っていくので、そこでよかったらどうぞ」
「わかった、ちょっと待ってくれ! 一緒にギルドに行くから。ちょっとだけ止まっててくれよっ!」
「えっ、お店はどうするんですか?」
「大丈夫だ! おーい! 少し出てくる! あと頼むぞーっ!」
店の中から男の子が出てきた。
「親~方~、どこ行くんですか~? はやく帰ってきてくださいよって、あーっ! これ、バンブですか!」
「そうだ。ギルドまで一緒にいって買ってくるから、待ってろよ!」
「はいっ、親方! 絶対買ってきてくださいね!」
ギルドに着くまでのあいだ親方がなんだかバンブに詳しそうなのでバンブの林について聞いてみる。
あの林はホワイトベアーもでるし、あそこまで行ってこれをかついで帰ってくるヤツは珍しいと言われた。
もっといいモノがあるから、これでは割に合わないのか?
わたしのように薬草ハンターならあの奥にバンブの子や珍しいキノコもあるらしく、バンブの木だけで帰ってきたというと、残念な子を見る目でなんだか見られたけど、親方はバンブ狙いだから嬉しそうだった。
これからはギルドの二階にある図書室で、今から冒険にいく場所の地図なり獲物や薬草の分布図を確認して、それからダンジョンに向かうとよいと教えてもらう。
そんなところがギルドにあったのか!
知らなかった!
そのあとも今度またバンブの林にいってバンブの木を持って帰るなら、できるだけ太いバンブを頼まれる。
どれくらい太いのがいいか聞くと、太ければ太いほどよいという。
長さは親方の背ほどでいいようなので、またかついで持って帰ってくるよっと伝えるとすごくよろこんでくれた。
気の良さそうな親方にも出会って、ギルドの図書室のことも教えてもらったし。
ンーーッ、これで……
今回の野宿は、まずまず成功としよう!
「本当だ。急にスピードを落として近づいてきているから、これはホワイトベアー狙いだね。 もう少し離れたところで様子を見ながら確認しようか」
「はい。検索は切らないで、風下に向かってください」
「うん、わかった」
そう~っと、ホワイトベアーから距離を取る。
しばらくすると鋭い目をしたゴールデンタイガーが姿を現した。
金色ですごくキレイ!
そんなちょっとどうでもいいことを考えていると、一瞬でホワイトベアーに襲いかかっていく。
見る間に急所の首へ襲いかかられ、不意をつかれたホワイトベアーはゴールデンタイガーの餌食になった。
ものすごくはやい!
これは気をつけないと、わたしなんてあっという間に食べられてしまう。
絶対、検索は切ってはダメだ!
なんだかとても勉強になったなぁ~。
ゴールデンタイガーにマーキングだけして、その場をそっと離れる。
あとはまわりになにもいないことを確認したバンブ林で、よさそうなバンブの木を四本切り倒す。
そしてそのまま長い木を担ぎ、途中人に会わないようちょっとだけ遠回りしながら、ウロ近くまで急いで戻ってきた。
はじめに開けた場所でバンブの葉を集める。
これも薬になるそうだ。
それから程よい太さのところで、持って帰えりやすく木を切り揃えておく。
残ったバンブの木で今から水筒作りをするから、まずは魔法で木の水抜き。
この工程がすごく大切らしく、ちょうど良いところまでチェリーに教わりながら水を抜いていき、やっと水筒作りができる。
使いやすい長さに切った水筒は飲み口のところを斜めに切って、飲みやすいよう内側を少し削り、水が流れやすくなる工夫をしておく。
これもチェリーに教えてもらった。
飲み口の穴は小さく二箇所空けるか迷って、もう大きめにドンとひとつ開け中が完全にのぞけるようにした。
飲み口のセンは同じバンブの少し細い部分で簡単に作る。
普段は魔法で水が出せるからコップも作って、それで飲めば大丈夫。
人がいるときだけ水筒から水を出すことにする。
中が完全に見えるようにしたのは、カビや汚れがすぐわかるから念のため。
浄化の魔法も覚えたので使うたびかけるつもりでいるけど、やっぱり目で確認したい。
それから細い棒二本で使う『ハシ』
これもバンブで作る。
はじめハシを使いこなすのが、なかなか難しかった。
でも慣れればフォークより楽な調理道具だ。
全部チェリーに教わる。
長めと短め、それから予備と……
そうだ、お皿もバンブの木なら簡単にできる!
スープが入る深めのお皿と少し大きめの浅いお皿。
魔法を使って作るから、あっという間に完成だ!
何気にあのしおりとネックレス作りが、わたしを器用にしてくれた。
まだまだ作れるから、適当に切って持って帰ろう。
もう今回はこれと頼まれた薬草で終わりだな。
日が沈む前に戻って、リンゴを食べウロで休む。
思っていたより余裕があるなぁ。
毛布を出してくるまりホッとひと息つく。
ウロのフタは内側から二枚重ねるタイプなので、少し隙間を開けて薄い青紫の景色を眺めながら……
「チェリー 、魔物がそばまでこないかなぁ?」
「はい。ここらへんはまだダンジョンというより森になるので、大丈夫だと思います。 薬師メリッサからいただいた薬を飲まれますか?」
「んっ、飲むけどもう少し起きてるよ。夜の景色も見てみたいからね」
ウロの回りは本当に安全で、たまになにか動物が通っているのかな? でも快適だ。
夜の景色は真っ暗で、思っていたよりすぐ飽きてしまう。
しょうがないから、お姉さんからもらった薬をクイっと飲んで……気づいたら、朝だった。
「チェリー、おはよう! ホントによく眠れたみたい。昨日の夜は危なくなかった?」
「はい。おはようございます。昨日はなにごともなく、静かな夜でした」
見張ってくれていたチェリーにお礼をいって、持ってきたリンゴを食べる。
あとは頼まれた薬草採取に向かうだけ。
なれた薬草なので、場所はわかっている。
三箇所まわって丁寧に採取すればいい。
今日はみんなが心配しているだろうからウロに一度戻り、隠しておいたバンブの木を丈夫なヒモでまとめ持ちやすくし、いつもより早く帰ることにした。
自分の背より長いバンブを五本身体強化で持って歩くとちょっと目立つけど気にしない。
それでもやっぱり森近く、木の細工ものを扱っている店のおじさんが店の前で声を掛けてきた。
「お嬢ちゃん、それっバンブの木だろう? まさか、とってきたのかい?」
「はい、そうですけど?」
「頼む、それを少しわけてくれ!」
「今からギルドに持っていくので、そこでよかったらどうぞ」
「わかった、ちょっと待ってくれ! 一緒にギルドに行くから。ちょっとだけ止まっててくれよっ!」
「えっ、お店はどうするんですか?」
「大丈夫だ! おーい! 少し出てくる! あと頼むぞーっ!」
店の中から男の子が出てきた。
「親~方~、どこ行くんですか~? はやく帰ってきてくださいよって、あーっ! これ、バンブですか!」
「そうだ。ギルドまで一緒にいって買ってくるから、待ってろよ!」
「はいっ、親方! 絶対買ってきてくださいね!」
ギルドに着くまでのあいだ親方がなんだかバンブに詳しそうなのでバンブの林について聞いてみる。
あの林はホワイトベアーもでるし、あそこまで行ってこれをかついで帰ってくるヤツは珍しいと言われた。
もっといいモノがあるから、これでは割に合わないのか?
わたしのように薬草ハンターならあの奥にバンブの子や珍しいキノコもあるらしく、バンブの木だけで帰ってきたというと、残念な子を見る目でなんだか見られたけど、親方はバンブ狙いだから嬉しそうだった。
これからはギルドの二階にある図書室で、今から冒険にいく場所の地図なり獲物や薬草の分布図を確認して、それからダンジョンに向かうとよいと教えてもらう。
そんなところがギルドにあったのか!
知らなかった!
そのあとも今度またバンブの林にいってバンブの木を持って帰るなら、できるだけ太いバンブを頼まれる。
どれくらい太いのがいいか聞くと、太ければ太いほどよいという。
長さは親方の背ほどでいいようなので、またかついで持って帰ってくるよっと伝えるとすごくよろこんでくれた。
気の良さそうな親方にも出会って、ギルドの図書室のことも教えてもらったし。
ンーーッ、これで……
今回の野宿は、まずまず成功としよう!
80
あなたにおすすめの小説
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる