迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

文字の大きさ
69 / 221

69. 採取袋を買いに行く

しおりを挟む
 キラン キラン

 んーっ、この香り落ち着くなぁ~!

「あら、パールちゃんおかえりなさい! どう、うまくいけたの?」

「はい。キノコの女王をギルドに、七本売ってきました!」

「七本も?! よかったわね」

「あのぉ、これが採れた中で一番大きなキノコの女王です。あと、お土産のバンブの葉」

 カウンターの上へキノコの女王とお土産のバンブの葉、五十枚を置く。

 メリッサお姉さんはキノコの女王を丁寧に優しく持って確かめると。

「すごくよいモノだわ!」

 満足そうにうなずいて、また……

「パールちゃん。今回も非常に申し訳ないけど、明日また来てくれる? お金も明日払うわ! ホントにごめんなさい。キノコの女王はキチンと保存をしたいから、先にもらっておくわね!」

 そう告げるとお土産のバンブの葉と一緒に、細心の注意を払って店の奥へ持っていく。
 戻ってきたと思ったら……

「さあ一刻も早くギルドへ行って、キノコの女王を買いに行かなきゃっ!」

 あわててお店に鍵をかけ、看板を休憩中にするとまた走って行ってしまった。


  ♢♢


 キラン キラン

 ハーブの香りを吸い込む……

 メリッサお姉さんキノコの女王買えたのかなぁ?

「パールちゃん、いらっしゃい! 昨日はごめんなさいね。でも、二本買えたわよ! 状態もいいし、処理もバッチリよ」

 そう言ってキノコの女王のお金を渡してくれる。
 金貨一枚と大銀貨三枚だった。

 大銀貨三枚はギルドよりも多いし、金額が違う。
 そんなにいらないっと告げると、これは一本がすごく大きいから査定も高くなって当然だと言う。
 冒険者はお金をかならず受け取らなきゃダメだといつもメリッサお姉さんには教えられていたから、素直に受け取っておく。

 こんな高いキノコを使ってどんなポーションができるのか?  
 聞いても、ふ、ふ、ふっ、と笑うだけで教えてくれない。

 なんだか不気味で、それ以上は聞けないな……

 それからまた薬草を一揃え買い、銀貨五枚を支払う。
 急に野宿してもいいように揃えておくことにした。

 メリッサお姉さんから薬草は、できるだけ一年以内に使うほうが効き目が断然良いと教えてもらう。

 虫よけは、大事! 覚えておこう!

 冒険の話と細工師の親方の話を少しして、薬師メリッサを出てくる。


 これからしばらくは虫よけの薬草が効いているから、たまに野宿をしながら森とダンジョンの探検をしようかな?
 薬師メリッサの帰り道、歩きながら考え思いつく。

 そうだ!
 なら、あのウロに毛布と革と布の採取袋を置いておくと便利かも?
 毎回持っていくのも面倒だし、その分なにか持って帰れるよね!
 明日の予定が決まった。

 ウロに置いておく荷物をウロに持っていく日!

 そうなると、採取用の袋が足りないので少し買い足すことにする。
 確か、あの親方のお店の近所にそういった雑貨を売っているお店があったような……
 今日はそこに行こう!

 親方のお店が森の端、街はずれにあるとするとその雑貨屋さんは、街の端。
 少し離れているけど、お隣さん同士になるのかな?


「いらしゃい! なにかお探しかい?」

 親方と同じ歳ぐらいのお婆さんが声をかけてきた。

「採取用の袋が欲しいのだけど……」

「お客さん、若いのに冒険者かい? それなら薬草採取の袋だね! いろんなサイズがあるから、箱で金額を分けているんだよ。だいたい 大、中、小、になっていて銅貨八枚と五枚と三枚だね。あとは大袋がひとつ銀貨一枚。ほかはまたそのつど聞いておくれ」

「わかりました。あの、触ってみてもいいですか?」

 お婆さんのお許しをもらい選んでいく。
 
「お客さん、何枚かいるのかい? それならお得なセットがあるよ! 大袋一枚に大、中、小が二枚ずつそれにおまけで中袋がもう一枚ついて、その上値段もおまけして全部で銀貨四枚! お客さんの好きなのをこの箱から選んでおくれ!」

 たしかに安い…… 
 でも、そんなに布の採取袋がいるかなぁ?

「ちょっと、多いかも……革の採取袋も欲しいし」

「革の採取袋もいるのかい?! ここにあるよ! 革の袋は大と中二種類で大が銀貨一枚、中が銅貨八枚。これもセットがあるからね。これは二枚ずつで、銀貨三枚だよ。採取するならこれぐらいは必要さ! 全部買ってくれたら、そこにある髪どめの革ヒモをひとつサービスしてあげよう。これなんかお客さんのベストと似た色でかわいいだろう!」

 たしかに、ベストと似た色の革ヒモだ。
 銅貨三枚と書いてある。
 どーしよう……多いと思う……けど……
 お婆さんの笑顔のアツがすごくて、断れない……

(チェリー、どうしよう?!)

(はい。どうせ買うことになるのなら、もうひとつおまけしてもらって買うというのはどうでしょう)

 そうだね、もう断れないないよね……

「じゃあ、あとなにかもうひとつおまけしてくれたら、全部買おうかなぁ?」

「……お客さんやるね。それじゃぁ思い切って、革ヒモの替えをもうひとつ! おまけするよ!」

(思い切って? また革ヒモ……チェリー~)

(はい。なにかっと、いうからです。パールの欲しいモノを今度からは告げましょう。よい勉強です)

 わたしはお店のお婆さんとのかけ引きで負けたのか?
 チェリーは勉強だというし……

 箱から袋とおまけのヒモを選んで銀貨七枚を払い、宿屋へ帰ることにする。
 お店のお婆さんはにっこり笑顔で元気よく。

「またきておくれ! 待ってるよ!」

 もう当分こないと思う、袋がいっぱいだよ。

「……また、きます」

 心にもないことを言ってしまった……

 しょうがない、明日はこれを全部持って行こう。
 ウロにも採取ワンセットを置くと決めた。

 はぁーっ、すごい荷物になりそうな予感?
 明日はいつもよりだいぶ早めに起きて出発しよう。

 宿屋についたら一番に、オヤジさんへ告げる。


「明日の朝食は、早めでお願いしまーす!!」

 

 
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

処理中です...