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76. マジックバックの登録

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 テトリと、声を合わせて 驚かされた……

 店ごと くれるという ブロンさんにはビックリしたけど、お店の中のモノは欲しいけど お店はいらないと冷静になって キチンと 伝えておいた。

 ブロンさんは、あらっ そう~なの? と  ケラケラ 笑っている。

 テトリは、ホントに 店は いらないのか? っと聞いてくるし…… 
  いらない! っと はっきりいっておいた。

 それよりも、このブーツの 安全機能が 気になる。

「ブロンさん、このブーツの 安全機能付きって、どんな機能? 」

「あ~ぁ ブーツの安全機能はね、防水は当たり前で、岩が落ちてきたぐらいなら痛くも かゆくも ないぐらいね、噛みつかれたり 少しぐらいなら 切られても大丈夫よ。本格的にやられたら ダメだけど、結構 もつわよ 」

 本格的に やられるって…… 
 そのときは 足は 無事でも わたしは 生きてるのか?
 疑問は 残るけど、 いい 靴 を もらった。

 この国の モノ には サイズ合わせが あまりないようで、大まかに 小と 大 だという。
 それも 実は サイズより デザインわけに近いと 教えてくれた。
 だから、わたしも 履いているのよっと ブロンさんが だした足もとには さっき試着室で脱いだ 靴とは違う 真っ赤なブーツだった。

「あれ、ブロンさん、いつの間に ブーツを 替えたの?  さっきは、違う色 だったよね? 」

「まあ、なにを いっているのかしら? 靴の色は 普通 変えられるでしょ? わたしのところで扱っている モノ は 一流品よ、二百六十九色は 基本よ! ここを 押すのよ 」

 ブーツの 内側、見た目は わからないけど 触ると ちょっと プクっとしているところを 押すようだ。
 なるほど…… ね。
 でも、色 多すぎないか? まあ、いまは、いいか。

 ここからが 本番だよね、マジックバック……
 そんなことを考えていると、ブロンさんは お店の 棚の上から 小さな 腰に巻く タイプのカバンを 持ってきた。

「これは 最高級の マジックバックよ。 容量 無限に 時間停止が そろった 最高級品よ! 」

 きたーー!!  待ってました!!

 ブロンさんに 使い方を 教わる。
 まず、確認の 仕方から。

 マジックバックの口、開けた すぐ内側の横には、 サラマンダー の マークがあるそうだ。
 サラマンダー は、一匹か 三匹か 五匹 かならず マジックバックには このマークが 付いているらしい。
 一匹 なら 一匹分、五匹なら 五匹 分 の 立った サラマンダー  が 容量を あらわす シンボルマーク になる。

 時間停止付きのモノは、そのサラマンダー が 立って いないで 横に 寝ている。
 サラマンダー、三匹分 の 容量で 時間停止なら 三匹 のサラマンダー  が 寝ているらしい。

 そして、最高級品。
 容量が無限で 時間停止のモノは サラマンダー が、一匹 横 になっていて かならずその下に 無限のマーク ∞ これが あるそうだ。
 サラマンダー が 一匹 、∞  の マークの 上で 寝ているように見える。
 この 二つ の マークが 付いている モノ が 最高級品。
 あとは、時間が停止にはならないが 半分の 進み方になる モノ が あるそうで、それは サラマンダー が 上半身 だけの モノ らしい。
 上半身だけの サラマンダー  が 三匹なら、容量は 三匹分で 時間は 半分の流れになる モノ。
 容量が 無限で 流れが 半分の場合は、上半身だけの サラマンダー  が 一匹  無限 の マーク  ∞  の 上に いるらしい。
 勉強 になる。
 テトリも 知らなかったようで、二人で ブロンさんの説明に 釘付けだ!

 さっそく、もらったカバンの中を テトリと 一緒に 確認する。

「「おーーっ!! 」」

 ホント だ! サラマンダー  らしき モノ が  ∞  の マークの上で 横に なっている……
 
 あと、登録の 仕方。
 登録機能が ついた モノ は サラマンダー の マークが 白く 浮かび上がり、ない モノ は 黒く 浮かび 上がる。
 だいたい登録は 五人 まで できて、最初に登録した人が 許可しないと 残りの人は 登録が できないように なっているみたいだ。
 登録の 仕方は、はじめの人が 登録すると、サラマンダーの 横に 小さなサラマンダー の 手形 が つく。その 手形で 何人登録できるか、いま何人目か わかるようになっている。
 中には、自分だけの モノ も あるようで それは マークが 金色 なんだそうだ。

 テトリが、それを聞いて 質問する。

「それじゃぁ その人が死んだら 中の モノ は どうなるんだ?  誰にも 出せなく なるぞ?」

「そうなる前に 解除 するのが 一番 いいけど、無理な場合は、百年 待たないと ダメなのよ。どんな モノ でも 登録と 解除には その人の 魔力を 少し流す必要があるから、亡くなると その魔力が この世界から 消えて 登録した モノ が だんだん黒ずんでいくのよ。 だから 持ち主が 亡くなっていると すぐわかるんだけど、次に 登録するまで 時間が必要なの。登録した モノ が 真っ黒になるのに だいたい百年。 それから 解除するには もうひとつ 重要な ことがあって、前の持ち主より 強い多くの魔力を その モノ に 流し込まないと 解除できないことになっているのよ」

 それはまた、やっかいな……

「この国は、どこか 力 が すべてを 解決する って いう風潮があるから、力 がない モノ は 前の人の 宝 を 手にする権利も なし!  みたいな 感じなのよね」

「じゃぁ、何人も登録してある モノ は どうなるんだ!」

 おっ、テトリ ナイスな 質問!

「それは、登録した順番どおりね! 一番目の人が亡くなったら、その登録した モノ が カバンでも、他の モノ でも 二番目の 人の モノ になるのよ。だから、大切な モノ を あまりむやみに 人に 登録させたら ダメよ!  怖いことも いろいろ あるからね! とられちゃうわよ!」

「「はいっ!!」」
 
 ブロンさんに 教えてもらって、腰につける 小さなカバンに 自分の魔力を 少し流す。

 カバンが、一瞬 光った!

 中をのぞくと サラマンダー が 一匹 、∞ の上で 白く光って 寝ている。
 その横に 光っていない 手形? の マークが 四個。
 これか、あと、四人登録できるようだ。

 テトリが同じように カバンを のぞいても、もう さっき 見えた マークも なにも 見えないそうだ。

 しっかり、わたしの モノ に なったんだな。

 テトリが、ニッと 笑って。


「おめでとう! ヤッタネ!」
 
 
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