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94. 便利な魔道具がいっぱい

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 みんなに教えてもらった 詩を、思い出す。

「パール、なんだ それ?」

「わたしの国の王都に伝わっている、迷い人の 詞らしいの……」

「意味深い 詞だな …… 優しさに 未練たちきり 財をなす…… パールちゃん、帰った方がいいかもしれんな」

「はい、マプさんも 宝 をすべて交換したら、すぐに帰りなさいと忠告してくれました……  帰れなくなった 迷い人が、もっとはやくに帰るべきだったと話していたと聞いたことがあると、教えてくれたんです」

「そうか、マプが…… なら、そうかも知れん。 アイツは仕事がら王城にいくこともあるしな」

 やっぱり、泊まらずに迷いの森へ帰ることにした。
 
 もっと ケップラー王国を見学してみたいけど、なんとなく帰ったほうがいいような気がする。
 テトリも残念がっていたけど最後には、オレも帰ったほうがいいような気がするといっていた……
 竜人の 感だ そうだ……


「じゃあ もう少し、夜に安心な モノ を持ってくるから待ってなさい」

 タルボさんは、お店の奥に走っていく。

 アリオさんが、一足のブーツを持ってきてくれた。

「これはね、大きな岩場は無理だけど 普通の道なら 走らなくてもブーツが地面から 数センチだけ浮いて 滑るように進んでくれるんだよ。 実は、お年寄りのために作られた モノ だから、安全 第一 な作りをしている。 頑丈だしジャンプの補助や、キックのときのパワーアップもしっかり機能についている。 パールちゃん向きだと思うよ」

「そうだね、その手があったね! じゃあ『補助のリング』も 安全のためにつけたらいいね! ついでに 『お知らせ光』 もつけて 『遠見グラス昼夜兼用』で 完璧だね!」

 なんだか、また いろいろ でてきたけど……
 お年寄り用か……
 まだ、子ども用の方が なんだか いいけどな……

 テトリは、可哀想な子を見る目で、みていたが。

「パール。 おまえ いま、お年寄り用よりもまだ赤ちゃん用や子ども用の方が いい なんて、思ったんじゃないか? 竜人の赤ちゃんと子どもはパワフルで、止め方を知らないから、パワー を おさえる道具が多いんだぞ、そんなのパールは いらないだろう?」

 そうなんだ……
 竜人の赤ちゃんは パワフルで、止まらないんだ……

 はい。
 わたしは、お年寄り用が いいです。

 ウルグベお母さんが、補助リングや お知らせ光。
 それに遠見グラスと 腕輪や リングの魔道具をまとめて ひとつにできるリング。
 あとなにかの お薬? 
 サップリメント? を数種類、持 ってきてくれた。
  
 補助リングは、滑るブーツなどで転けそうになったときに空気のクッションを作って、からだを守って起こしてくれる モノ だそうだ。
 お知らせ光は、もし 迷子になったり、捕まったときなど 居場所を登録した者に 光 で知らせてくれる。
 特殊な光りを室内でも隙間があれば、空に向かってだす スグレモノ。
 子どもに持たせておくと便利だよ!っと 何個かセットで持たせてくれる。
 あと遠見グラスは、遠くもみれるし切り替えると、夜でも 昼間のようにみえる メガネだった。

 それから、高価な スペシャルな腕輪と 魔力を貯めておける ふたつのリングは無理だけど、あとの普通のリングは、十個 までなら ひとつにまとめておける リングをもらう。
 これを ひとつ指につけて重ねてつけたら、他のリングは吸収されて中に入るので、からだにつける モノ が 少なくて すむそうだ。
 これは うれしいかも。

「パールちゃんこれを、一粒 たべておきなさい。 これは、少しぐらい 寝なくても からだが疲れず元気になる サップリメントだよ。 寝ずに帰るなら、食べたほうがいい」

「そうだよ、パール! 食べておけ。 迷いの森で眠くなったら たいへんだぞ!」

 ウルグベお母さんにもテトリにも勧められて、一粒 食べておく。

 無味無臭…… 味が ない……
 やっぱり、お薬みたいな モノ だったのかな?

「ちょっと、お水が欲しくなる?」

 そう、食べた感想を言うと……

 ハッと した顔をして、ウルグベお母さんがお店の奥に走っていった。

 なんだか、ホント便利な モノ がいろいろあるな?

「もしかして、インクを付けなくてもいい ペン や  雨の日に外でもぬれないですむ モノ もあったりして?」

 なにもいわずにアリオさんが スッと だしてきて、おどろいた。

 ケップラー王国は、ホントに 進んだ国だ。

 店の奥から、タルボさんがフードつきのマントを持って戻ってきた。

「パールちゃん。 このマントをかぶって 帰ったら いいよ! これは変幻のマントなんだ。 いまいる場所で 一番 目立たない色を選んで変わるんだよ。 目立ちたくないときには 便利なんだ」

 すごい マントだ!

 夜なら その周辺の色に、昼ならまわりの色に合わせた色に自然に変化する。
 これは、おとなになっても補正で使えるから 一生 使えるし、マントだから防御の機能も ひと通りついているといっていた。

 ホントに すごい……

 お店の奥から、戻ってきた ウルグベお母さんが、コップと水瓶それからなにか、手のひらサイズのケースをいくつか持ってきて、まずはわたしに、お水を入れてくれる。

「おいしーー!? このお水、すごく おいしい! いままで飲んできた 中 で  一番 おいしいよ! 自分で だす魔法水よりおいしい水なんて、はじめてだよ!」

「やっぱり、そうかい。 パールちゃんの話を聞いて なんとなくそんな感じがしたのさ! これはすごく長生きした水のドラゴンの魔石を入れた 水瓶とコップの魔道具だよ。 あと他の魔石も特別長生きした ドラゴンの 火と 風と 氷に 雷の魔石さ。ケースに入れて持ってきたから ここぞっと いうときに使いな」

 よく聞くと、長生きしたドラゴンは 浄化の作用もあって、ケップラー王国でも 貴重らしい。

 冒険をして疲れたときに飲む水は、自分の魔法水では パワー も弱まっていて、のどは潤せても疲れはとれないし、逆に疲れていく 一方だという。
 そういうときは、魔石のお水がいいのだと教えてくれた。

 なるほど……

 この魔石は、特別いい モノ だから自分と同等の 魔力を持つことになる、赤ちゃんの行水や飲み水にすると強い子になるよっと 教えてもらう。
 そのかわり、弱い魔力の人にはあまりよくないそうだ。
 強すぎて、魔力酔いするらしい。
 パールちゃん専用にしたら 一生 大丈夫だよっといわれる。
 同じように、他の魔石も最高の モノ だから、使い方には気をつけてといっていた。

「パールちゃん、これは竜人の赤ちゃんが初めて身につける リングだよ。  生まれたての肌を優しく保護して動きを少し補助してくれる モノ なんだ。 パールちゃんのからだのまわりをやわらかい薄いバリアがつくし、身体強化の補助にも役立つんじゃないかな?  登録して付けておいて。  あとは、これだ…… ボクたちにくれた剣の代わりといったら怒られるけど……」

「なっ!? なんだよ! それっ アリオさん  それは、赤ちゃんのおもちゃの剣セットだよね……?」


 赤ちゃんの おもちゃーー?!

 また、これは ある意味すごいな……
 
 どう なるのかな?

これだけ いろいろもらったら、冒険だって なんだって ぜったい すごく楽しいよ!

 うふっ 

 やっぱり 迷い人 は 最高 ーー!!



 



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