迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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151. 三枚のワンピース

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 マークの準備が整うまでに、一度ピアンタへ行くことにした。
 
 親方に頼んでいたベッドがあと二つできているはずだから、それを取りに行かないとね。

 これからもちょくちょくピアンタへは行くつもりでいるから、なんとか一日コースにできないものか?
 チェリーと相談しよう。

 なんだかまた、楽しくなりそうだ!

ピアンタへ行くならと、シーナにポーションを四本頼まれる。
 上、中、下と魔力ポーション。
 揃えるならやっぱりピアンタが一番安いからね。

 さぁ、そうと決まれば今すぐモナルダのところへ向かおうか。
 メリッサに渡す荷物を受け取って、そのまま出発したらいいよね。
 マークに頼んで今日はライのところへは帰らないと伝えてもらうことにする。

「パール、そんなに慌てることはない。今日はライの家へ帰って夕食のときにでもみんなに話して、次の日の朝からモナルダのところへ行ったらいい。明日はモナルダのところで一日のんびりして、その次の日に出発してもぜんぜん遅くない。大丈夫だぞ?」

「そうよ! そんなに急ぐ必要はないのよ。マークの準備もあるし、今日はライの家に泊まりなさい。侍女さんたちも、パールのお世話の準備を始めているはずよ」

「あっ! そうか、そうだね。わかったよ。もうプラムとシルエラがいろいろ準備してくれているんだ」

 みんなの勧めで今日は、少し早めにライの家へ帰ることにした。
 
 歩いて帰っても近いんだけど、マークが一人で帰るならボードを勧める。
 安全だという……
 イヤイヤ、それはちょっと過保護すぎないか?
 もしかして、寄り道を警戒している?
 なんだかみんながボートを推してくるので、あきらめてサッサッとボートで帰っていく。

 アレっ? やっぱり。
 裏庭の囲いの位置がいつも、少しずつ違う?
 
 もう気にせずそこへ降りる。
 なぜわかるのか、すぐセバスチャンがやってきた。
 そのまま、ライたちのところへ連れて行かれる。
 
「パール、おかえりなさい。今日は早いお帰りですね」

「うん、ただいまソード。明日からしばらく留守にするんで、マークたちが早めに帰るよう勧めてくれたんだ。明日は朝からモナルダのところへ行って一泊して、そこからピアンタに行ってくるよ。帰ってきたらマークと三週間ぐらいメルの洞窟に潜ってくるから……そうだ! もうそのまま新しい家に住もうかなっ」

「えっ、なぜ? もう帰ってこないのか?」

「うーんと、そうなるかな? ライ、いままでありがとうね」

「おい、おい、パール。それは急だな……ピアンタから帰ってきたあと、そのままメルの洞窟には行かないだろう? 最低でもあと一日は町にいることになるぞ。そのときにはどこへ泊まるんだ?」

「えっ、そうか……ガント、そうだよね。帰ってきてすぐには無理だから……マークのところか、新しい家?」

「パール。シーナは妊婦ですし、トムやトーマスたちは食堂のメニュー作りに名前付けと大詰めで、みんな大変なときですよ。そんな慌ただしいときにパールがひとりで新しい家に帰るとみんなが心配して自分の仕事が手がつかなくなってしまいますよ」

 んんっ、それはマークあたりがあり得そうだ……

「それに新しい家もすぐ冒険へ行ってしまうのなら、今は侍女たちに管理してもらい、もう少し細かく整えてもらったらマークたちが遊びにきても安心でしょう。そうなると……やっぱりここへ今回は帰ってきた方が便利で良いんじゃないですか?」

「そうか、ソードの言う通りかも? みんなが慌ただしくなるのはダメだよね。ひとり立ちできる良い機会だと思ったんだけど……やっぱり冒険へ行くまでは、ここにおいてもらったほうがいいのかなぁ~」

「パール、そんなに急ぐことないだろう? ここに不満があるのか? あるなら改善するから言ってくれ」

「ライ……ない、ない。そんなのあるわけないよ! みんな良くしてくれるから、出ていくのがイヤになっちゃうぐらいだよ」

「なんだっ?! じゃあ、もっといたらいいだろ? おれなんか、家でずっと寝てないぞ」

「ガントとわたしは、違うし……」

「パール。どちらにしても、ピアンタからはこちらに帰ってきてください。そのあとのことは、そのとき話しましょう」

 また、お世話になることになってしまった。
 夜もプラムとシルエラにお風呂へ入れてもらいながら、かならず戻ってきてくださいねっ! とお願いされるし……
 出ていきにくい感じになったよ……
 もう深く考えず、気持ちよく寝てしまおう。


 朝食はいつものようにみんなで食べて、モナルダのところへ向かうときもみんなが送ってくれる……

 何度もライたちに帰ってこいよと念をおされ、こっちがお世話になっている身なのにちょっとおもしろい……ありがたいことだと思っていても、プフッと笑ってしまう。
 ボードに乗って、清々しい朝の光の中を飛んでいく。
 上空から爽やかな風を浴びながら進むと、まわりの景色が朝露に反射してキラキラ輝いて見える。
 小さく見える木々たちが、おはよう! っと合図してくれているようで、すごく気分が良い。
 最高っ!


 モナルダのところではアジュガたちが待ち構えていて、すぐブティック『オレガノ』のフィッティングルームへ連れて行かれた。
 服ができていたんだな。

「「「遅いよ~!!」」」 

「待ってたのよぉ!」

 アジュガが指さした壁には、三枚のちょっと豪華なワンピースがかけてあった。

「うわーっ! どれもステキだね、かわいい!」

「ふ ふ ふっ」

 アジュガが笑って、自分の作ったスカイブルーのワンピースを着せてくれた。

 胸の上の方で一回、腰らへんで一回、あとお尻の下で一回。
 三回の切り返しがあり、そのつどギャザーをたっぷり入れてあるので、裾が思っているより広がっていてかわいい!
 足首が見える子どもらしいワンピースだった。

「思っていた通りよ! すごく似合ってる!」

「ホントかわいい! 甘くなりすぎそうなところを、青系統の色が助けてるわねっ」

「パール、ステキよ! 次はわたしの服を着てみて!」

 セージの感想を聞いていると、サルビアがピンクのワンピースを渡してくる。

 ウエストの少し高い位置から、切り返しが一つある王道のお姫様ワンピースだった。

 すごくハリのある良い生地を使っているのがわかる。
 大きめの取り外しができるリボンがひとつ付いていた。
これも足首が見えるタイプ。
 ラメールの子どもは足首までの服が普通なのかな。

 小さなお姫様みたいだと、みんなに褒めてもらう。

「最後は、わたしの服ね! これはサルビアたちの服のような裾の広がる三角形のシルエット、トライアングルラインやプリンセスラインではないから地味なデザインのように思うけど、ワンピースと同じ色の刺繍糸で、小花を胸下切り返しのスカート部分だけにいくつも刺繍してあるのよ。みる人がみたらわかる手の込んだワンピースに仕上げてみたわ!」

「ホントだっ! これもしかして、絹糸で刺繍してあるの?」

「わかる? そうなのよっ! ツヤが違うでしょ!」

「セージはホントに遅くまで刺繍していたものね」

 うわー、たいへんだったんだ。

「 三人とも、ありがとう! すごく良いできで、大満足だよ! アジュガの服を着て海辺を散歩してみたいし、サルビアの服を着てどこかステキなお店に買い物でも行ってみたいし、 セージの服を着てゴタの図書館で、すまして本を読んでみたいよ!」

「ホントね! その場面、すごく似合っていると思うわ!」

 みんなで笑いながら、あそこにこの服。
 こっちはその服と、言い合ってとっても楽しい!

 
 オシャレな女の子に変身だ。
 
 

 
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