迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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160. レインボーサーモンの群れ

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 七色エビビだらけだー!

「パール! 見てないで、これに少し雷の魔法を当てて採取用スティックでもマジックバックでもいいから収納していけ!」

「わっ、わかったっ!」

 慌てて、伸びる棒で微量の雷を出す。
 
「おいっ、気をつけろ! 少し焦げてるぞ! もっと小さな威力でだすんだっ!」

 ヒーィ、難しいっ!  

 これはなんだか、ハードル高いぞ。
 練習にはなるけど、実戦だから失敗しづらいし大変だ!

 右手に伸びる棒で雷を微量出して、左手は採取用スティックで収納していく。

 すごいなぁー!

 七色エビビが大量にやってきたよ!
 二十センチないぐらい?

 驚くことにキラキラしていて、いろんな色に見える。

 ホントにいたんだ……

「ラメールの冒険者ギルドの図書室に『幻の七色エビビ』として紹介されていたけど、伝説じゃなかったんだね」

「ああ、おれも初めて見たよ。コイツはいくらとっても、いっぱいいるから安心だな!」

 二人で協力して捕獲する。
 段々とコツがわかってきたぞ!
 マークには少しずつ七色エビビをとってもらっていたけど、その量も増えていく。
 なんだかピアンタのヘデラの森を思い出す……

 これは、七色エビビの捕獲なのか? 魔法の特訓なのか?
 小一時間はさせられたかな?
 マークはたまに、スパルタになる……

「コツがわかってきたみたいだな、よし、ここらへんでいいだろう」

 やっと、お許しが出た……
 終われるぞ!

 あぁ、疲れた……
 ホッとして両腕を下す。

 そのときだった。
 わたしの頬に水しぶきがピットっとかかって、冷たいっと思ったら……

 ピシャ、バシャ、っと音がしだして……

「パール! レインボーサーモンだっ! うわーっ! すごいぞ、大量だ!」

 キラキラ虹色に輝いている魚が飛んでいて、ホントだ! 虹のように見える。


 ヒィャーッ! これかーっ?!

 キレイだけど、また特訓開始だよ~!
 
 レインボーサーモンちゃん……
 きてほしいけど…… 
 もう少し遅くに、きてほしかったな~ぁ。

 でもっ!

 シーナとトムさん、それにトーマスの喜ぶ笑顔を想像して…… 

 頑張って、いっぱいとりますかっ!


 わたしたちのイカダの上をピョーン、ピョーンと、飛んでいく。

 湖の水中がどうなっているのか気になって、湖に頭を入れると、大量のレインボーサーモンが七色エビビを捕まえて食べていた。

 すごいっ!

 しっかり二匹をスキルマッピングしておく。
 これで、次からは楽だぞ!

 頭を上げると、マークの目がつり上がっていた。

「パール! レインボーサーモンが来て、湖が安全なのかもわからないのに、勝手な行動はぜったいにダメだろ! ましてや、大切な頭を湖の中に確認も無しに入れるとは……ホントに危険な行為なんだぞ!」

 何度も何度も注意された。

「ごめんなさい」

「気をつけるんだっ! もっとまわりをみろ。心臓が縮んだぞ!」

 安全確保の大切さを繰り返し学びながら、漁獲していく。

 レインボーサーモンをはじめは、七色エビビと同じ雷の魔法でとっていたけど、凍らすほうがよいのではと思い始める。

 話しを変えるきっかけにもなればと、氷の魔法に変えてみると告げる。
 マークもなんとかやっと気分を変えて、レインボーサーモンをとることだけに集中してくれた。

 氷の魔法に変えることは、魔法の練習にもなるから賛成みたい。

 はじめは魔法剣で、少し凍らせてみることにする。
 難しい……
 一瞬で凍りすぎてしまう。
 カチコチすぎる!
 これは、ちょっと大変だぞっ……

 マークが網でとってわたしがそれを凍らし、そして採取用スティックに収納する。
 この繰り返しを今度は、一時間半ぐらい練習させられた。
 これは、特訓なのか?
 
 最後はレインボーサーモンがいなくなって、終了。
 マークが最後まで網で魚を集めてくれていた。

「ワッハッハー! 今回は、どっちも大量だな」

「うん。 疲れたけど、あとは味見だね! もうテントに帰って食べようよ!」

「そうだな。帰ろうか」

 焼きにしようか? 蒸しにしようか?
 
 あーっ、楽しみだ!

 ボードを出して乗り換え、イカダはボードの上から採取用スティックで収納する。
 イカダを岸に返して、昨日テントを設置した場所まで戻ってきた。

 四隅に認識されないバリアの魔道具を置き、家族用テントを出す。
 七色エビビとレインボーサーモンを、どこで調理するか?

「マーク、どこで調理しよう?」

「パールは料理が、できるのか?」

「えっ、トムさんに教えてもらったぐらいだけど?」

「わかった、蒸しにしよう。 これなら、洗って置いておくだけだしなっ」

「外? 中? どっちで作る?」

「おまえ、テントのキッチンで料理したことがあるのか?」

「ない、ない。前にも言ったけど、わたしがここに泊まったのは、マークより二回多いだけだよ~。どっちも確認と寝るためだけに泊まったんだから、料理なんてしたことないよ」


 今回は二人で、テントのキッチンを使って調理することにした。

 このキッチン、二人並んでも余裕で一緒に料理ができる広さだよ。

 まずは、七色エビビを洗うザルを探す。
 マークが流しの横にある扉を開けてみる。
 アレっ? 何もない?

「おい、パール。 何もないぞ? 確認しなかったのか?」

「キッチンは、忘れてたっ!」

 マークが開けた扉を覗いて、確認し忘れていたことに気がつく。

「あーっ、どうしよう? ザルと蒸し器は持ってないなぁ~。お鍋ならあるけど……」

 マークに説明していると、扉の中が少し光ってザルと蒸し器それにお鍋も現れた。

「えっ、これなに?」

「おい、パール……この扉は、魔道具か?」

「知らない……そこまで説明を聞いている時間もなかったし……」

 ハーッ。

 頭を抱えてしゃがみ込んでいるマークの姿をみると、なんだかちょっと落ち着くなぁ……前と一緒だ……プフ。
 

「パール、確認するぞっ!」

「はいっ!」

 それからはマークと、お鍋はいらないと言ってみたり、フライパンがほしいと言ってみたり、いろいろ試してみる。

 二人ではそんなに調理器具を知らないから、二人が知っているようなモノは全部あった。


 やっと、調理ができる!

 最初は、七色エビビ。
 はじめの方に捕まえた、少し雷で焦げたエビビを出していく。
 それをみただけで、魔法の上達がわかるとマークが笑っていた。

 まずは、百匹。

 洗うために水を出す。
 水の魔石を使って出すから、簡単だ!
 火は、コンロにあるボタンを押すだけ。
 これも火の魔石だから、安定した火が出せる。
 弱めたり強くするのも、指一本!
 マークが蒸し器をセットしてくれて、まずは半分の量五十匹ぐらいで作ってみる。

「ねえ、エビビ重なっているよ? それになにもしなくていいの? 蒸すだけ?」

「塩とか、酒か? あるのかよ?」

 ダメもとで、扉に向かって聞いてみた。

「塩とエビビに振るお酒が、ほしいなぁ~」

 扉からは、なにもでてこない。

「ハッハ! そら、そうだろう~」

 マークがわたしの頭を、クシャっとして笑っている。

 アレっ?

 なんだか、懐かしい……

 
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