迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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189. アビエス商会と面談

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 みんなの朝は、はやい。
 今回もわたしが最後に食堂へやって来た。

「パール! おはよう! 今日は一日ゆっくりするんだろ? 料理長が魔牛の料理をいろいろ作って渡してくれるそうだよ」

「おはよう! うん、ありがとうライ。昨日侍女長から、今日はゆっくり料理を待ちながらまだ覚えていない礼儀作法なんかを教えてくれるって聞いているけど……でも今日も一度は、マークのところへ顔を出さないと……マーク心配するんじゃないかな? サッと行ってこようかなぁ~」

「パール、大丈夫ですよ。家の者に今日はこっちでゆっくりすると伝言を頼めば、行かなくてもマークが心配することもないし、かえってゆっくり自分の用事をされるでしょう」

「そうかな? じゃあ、ソードお願いします」

「任せてください」

 今日は料理長の料理を待ちながら、侍女長にいろいろ教わることになっている。
 前回の王妃様のあいさつを教えてなかったことをすごく気にしているようで、今回はキッチリ教えると張り切っていた。
 別にそんなのいいのに……

 ライの料理長もなんだか張り切っていて、自分の部屋へ入った途端にもう一回目の料理がすぐ運ばれてきた。

 やっぱりはじめは、魔牛のステーキ!

 ライたちのところでは、魔牛の保存は大丈夫だったのか聞くと、まだ使わない部位は氷の魔法で凍らせたから、大丈夫なんだそうだ。

 さすがだね!

 今回の冒険の料理で、なにがおいしかったか侍女長に尋ねられる。

「全部おいしかったけどマークは魔牛ステーキかな? わたしは魔牛ステーキは当たり前として、大きなエビビにポタテやリンゴのパイ。あとは、かわいい陶器に入ったコロコロサラダが気に入ってよく食べていたけど」

「コロコロサラダ?」

「かわいい入れ物に入って、プチトマトやブドウなんかがコロコロ入って可愛かったから名付けたの!」

 そう言って空いた食器をすべて出して返しておいた。
 侍女長がうなずいて目で合図すると、サッと食器が片づけられる。

 それからその流れで、数人の新しい侍女と執事候補? の男の人を紹介される。
 あとから使用人が増えたのか聞くと、いまはいろんな場所で研修中だそうで、これからいろいろ振り分けていくそうだ。

 そうか、研修中なんだ……

 ドンドン料理が運ばれてくる。
 すごくおいしそう!

 また、冒険するのが楽しみになってきたよ!


  ♢♢♢


 昨日はライの料理長にいっぱい料理をもらった。

 三食とおやつをライたちみんなと一緒に食べたから、今回の冒険で狩ってきたコカドリーユなどの魔獣をどうするか相談もしっかりできてよかったよ。
 話し合って、数頭だけギルドへ出すことになる。
 一度に出すと、値崩れして他の冒険者に迷惑をかけてもいけないからね!

 ギルドにはライの家の者が持っていってくれるそうなので、魔獣と一緒に冒険者カードも預けておく。

「パール、明日からまたモナルダ薬師のところへ行くのですか?」

「うん、三日過ぎたら大丈夫みたいだから行こうかな?」

「なにが、大丈夫なんだ?」

「モナルダもコカドリーユを捌くみたいなんだよ。その準備に三日かかるらしくって……今日でこっちへきて三日目だから、もう大丈夫かな~って思ったんだよ、ガント」

「へぇ~。モナルダ薬師もコカドリーユを捌けるんだな」

「アレは危険ですからね。捌くことに慣れた人か、毒の特性をよく知っている人でないとね」

 ソードが説明していた。

「そう言えば、トムさんもケンシコとか少し危険な魔獣を捌きたいみたいなんだけど、誰かそういう魔獣を捌くのに詳しい人いないかな? 教えてもらいたいようなんだよ」

「そうですね、うちの料理長も似たようなことを言っていたので、一度ギルドマスターに相談してそういう解体の研修をする機会を作ってもらいましょうか」

「やったっ! トムさんとトーマスも参加できるようにしてね」

「当然です」

 きっとトムさんたちよろこぶぞ!

「いまから、知らせにいこうかな?」

「パール、それは少し待ってください。ある程度決まってからの方が良いと思いますよ。そんなに期待されても困りますしね。それに今日は、アビエス商会の者がパールに面談のため今から来ます」

「えっ! そうなの? 知らなかった」

「昨日の夕方パールがいるならと、商会から面談の申し込みがあったので午前中の許可をだしておきました。あの水着のことだそうですよ」

「そうだ、着心地を教えると言ってたんだ!」

 じゃあ今日は午前中、アビエス商会の人たちとの面談にあててゆっくり部屋で待っていよう。
 楽しみだな。

 しばらくすると、アビエス商会が兄妹でやってきた。

 わたしにはソードが一緒についてくれる。
 ライとガントは書斎で仕事のようだ。


 簡単なお兄さんのあいさつのあと、妹のタンネさんが一度頭を下げ話しだす。

「お嬢様本日は、新しい水着を持って参りました」

「新しい水着?」

「はい。以前の水着は着心地に少し問題がありましたので、それを解決してまいりました」

「そうなんだよ。透けないしよかったんだけど、少しチクチクしてたんだよね。でもマーク、伯父にも着てもらったんだけど、男の人だからなのか伯父は気にならないようだったよ」

「はい、この水着は男性の方には好評を得ています。特に仕事で海に入っている方たちからは、動きやすく乾きやすいのでからだが疲れにくいと高評価をいただきました」

「そうだね、伯父も同じようなことを言ってたよ」

「ありがとうございます!」

「パール?! この水着、マークも着たのですか?」

「そうだよ、ソード。初めは少し抵抗があったみたいだったけど、水の中に入ったらわからないし、動きやすいって」

「そうなんですね……」

「あっ、そうだ! それから、タンネさん。遅くなってしまいましたが、わたしのことはパールと呼んでくださいね。お兄さんのアベートさんも……」

「「ありがとうございます!! パール様!!」」

 昨日侍女長に教わった通り、気に入った商会には名前を呼ぶことを許可しないと、いつまででもお嬢様と呼ぶって聞いたからね!

 ほらっ、侍女長が満足気だよ。
 気づけてよかった……

 商会の人たちも、名前を呼ばせてもらえることが信用されていることにもなり、そのままステータスにつながるそうだ。
 難しいな。

 タンネさんには、女の子用の水着の改良点なんかを聞かれたので、自分が着て気づいたフリルの幅や量の違うタイプと水中に潜るときの帽子も何点か注文してみた。

「パール様! それは良いお考えです。迅速に作らせていただきます! あと、少しお聞きしたいのですが、商会で作ってみたこちらの水着など、どう思われますでしょか?」

 んっ? アーっ……  

 お兄さんアベートさんの目がチラッと動いた。
 水着に小さな宝石が何個も付いているよ。
 貴族向けにお兄さんのアベートさんが考えたのかな?

 んーっ……
 なんて、言おう……

「パール、気にせずにどうぞ。そのほうが二人もよろこびますからね」

 そうなの?

 じゃあ遠慮なく、言わせてもらいますよーーっ!



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