迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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191. 特別な砂の場所

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 部屋に入るとみんなが心配そうにこっちを見てきた。

「パール! 大丈夫か?」

「パール急に行くなよ!」

「パール、心配しましたよ?」

「ごめんね、心配かけて……なんだか、外に出たくなって……ベランダから飛び出してごめんなさい……さっき侍女長にも、謝ったんだ……」

「そうですか……もう大丈夫なんですね」

「うん。シーナにもすぐ帰って、侍女長に飛び出してごめんなさいって謝るように言われたんだよ」

 ソードが今回のことは、自分も悪かったと謝ってくれた。

「商会相手だからと、パールの能力を見誤ってしまいました。先にパールと打ち合わせするべきだったんです」

「もう、いいよ。誰も悪くないんだし……」

「いいえ、あの欲をかいた兄のアベートはしばらくここには、出入り禁止です。妹のタンネもと、言いたいところですが、パールはあのタンネを気に入ってますし、水着の注文もしていましたのでそのままにしておきました」

「うそっ?! アベートさん出入り禁止なの……」

「パール、心配いらないよ。同じ商会の妹が出入りしているんだから、アビエス商会に害はないんだよ」

 ライが優しく微笑んで教えてくれる。

「そうだぞ! 心配しなくてもいい。兄のアベートにちょっとお灸をすえただけだな」

 お灸……ガントまで当たり前のように告げてきたので、やはりアベートさんはやりすぎたんだな。
 わたしも気をつけなきゃ……

 それからソードに、お金を生み出す話しはそんな簡単に人に教えてはダメだと注意された。

 ごもっともです……

 あと新しい家のカギを渡してもらう。
 ひとりになりたい時には、やっぱり自分の家がいいしね。
 ソードも今回のことで、変なところへ行かれるよりは自分の家に帰られるほうが良いと判断したのか、すぐに渡してくれた。

 あれっ?

 なんだか、ものごとがスムーズに進んでいく?
 不思議??

 これからは家にも帰るからライのところへ来ることは少し減るけど、新しい家に住めるのは良いことだよ。
 ソードが新しい部屋には侍女はいらないのか聞いてきたので、あっちこっち行くからいらないと伝える。
 掃除が必要になるようなら、また侍女長に相談することで話は落ち着いた。

 そのままみんなで楽しく夕食を食べて、今日は早めに休むことにする。
 明日からはモナルダのところへ行って、特別な砂の場所を教えてもらうことに決めたからね。


  ♢♢♢


 朝食をみんなと食べて、モナルダのところへ出発する。

 その前に心配しているマークのところで昨日のことを報告しないと……


 着いてすぐ、シーナが聞いてきた。

 帰って正解だったと話すと、よかったと言ってくれる。
 あのままパールが帰らなければ、侍女長の責任問題に発展してもおかしくなかったそうだ……

「パールがすぐに謝ったから、侍女長も助かったのよ」

 えーっ、そんなのこわすぎる!

 はやくに言ってほしかった……

 わからないことが世の中、多すぎるよ!

 それから今度危険な部位を持っている魔獣の解体研修がギルドであるから、トムさんたちが参加できるようソードが手配してくれたと伝えておく。
 ライのところの料理長たちも一緒に研修を受けるそうだと付け加えて教えると。

「「それは楽しみだ!!」」

 思っていた以上にトムさんとトーマスがよろこんでくれたので、良かったよ。


 さあ、これでやっと安心してモナルダのところへ行ける。


 ボードで少し上空に上がってから、レベル60になってボードに出てきた初の機能を使ってみることにした。


「ワープ!!」


「うわっ!? えっ、着いた? うそ?!」

「ここは、モナルダの家の屋上だよね? すごい……」

 でも、魔力をだいぶ持っていかれたよ……

「チェリー、これすごいね」

「はい。行ったことのある場所限定で、そのボードの持ち主の魔力によって一度に行ける距離が決まるようですね」

「うん、そうみたい。メルの町からここまでなら問題ないけど、ピアンタには一度では無理だね。なんとなくわかるんだよ。あのいつも一泊しているところで一度休憩して、魔力ポーションを一本飲んでそれからまた出発したら日帰りでも行けるね」

「はい。魔力ポーションが二本必要ですが、ピアンタまでの日帰りが可能になりました」

「わたしのレベルがもっと上がるか、からだが大きくなれば魔力も増えるし、楽に行けるようになるよ!」

 これからのことを考えて、魔力ポーションをたくさん作っておかないと……


「ただいま!」

「パールおかえり。今回は朝、早いね」

「うん、少し早く来れるようになったんだ……」

 モナルダに今日の目的地、だいたいの場所を教えてもらう。

 どうもカベルネたちの村に着くまでにある川の砂みたいだ。
 あの水晶の洞窟に近い川だから、もしかしたら水晶が多い川なのかもしれない……
 
 ボードには三人で乗る。
 一応二人に確認しておいた。

「これは二人乗り用なんだよ。メルの洞窟では、マークたちと三人乗りして大丈夫だったし、これは体重が三トンまでいけるモノだけど……二人はそれでも乗ってくれる?」

「ああ、いいよ! こんな機会は滅多にないからね。楽しみだよ」

「そうだぞ! それよりすごいな、これは三トンまで大丈夫なのか……」

 ボードを出して大きくするとグレコマが叫ぶ。

「おーーっ!!」

 思っていた以上に二人がボードをよろこんでくれた。

 ある程度上に飛んで、モナルダに確認しながら進んでいく。

「こんな地形だったんだね…… 」

「高いっ! なんて速いんだ! 緑が多いな……」

「ここだよ」

 モナルダが指示した場所は、やっぱりカベルネたちが見つけた水晶の洞窟近くを流れる川の下流だった。
 上からこっそり見て確認しておく。

 やっぱりな……

 ボードで降りると、グレコマたちが教えてくれた。

「ここは、あんまり人が来ない場所なんじゃ」

「ここはね、ドワーフ族のある一族しか近くに住んでいないから、この川のことを知っている人も少ないんだよ」

「秘密なんだね!」

「ああ、そうさっ。秘密だよ」

 採取方法は、魔法だった。

 グレコマは、土と火の魔法が得意らしく。
 モナルダは、風と水の魔法が得意だと教えてくれた。

 二人で協力して採取するらしい。

「パール、そこで見ておいで」

「うん、わかった」


 まずはモナルダが川の横に、大きな布を二枚履く。

 グレコマが川に向かって土の魔法を使い、できるだけで細かい砂をイメージしてワイン樽ぐらいの量の砂を川から持ち上げる。
 それを地面に履いた一枚の布の上に移動させた。
 あとはモナルダがその細かい砂を風の魔法で乾かして魔法袋に収納する。
 そのあいだに、グレコマがもう一枚の布の上にまた細かい砂をおく。
 交互に三往復したら終了。
 
「砂が白いね。グレコマは川から砂を上げるとき白い砂をイメージしているの?」

「どうかな? 白い砂というよりも、この砂そのものを思い浮かべているぞ」

「パール、布を渡すからやってみな」

「うん!」

 グレコマが採取した砂をイメージして、ワイン樽ぐらいを思い浮かべて上げる。
 それを布の上においたら、そのまま風の魔法で乾かす。
 すぐにモナルダとグレコマが確認していた。

「十分だね」

「良い砂だ」

「よかった! これで、大丈夫なんだね」

「ああ、合格だよ」

 やったーっ! 

 合格をもらえたよっ!

 


 
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