迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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219. 我が家に詳しいナンコウさん!

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 マークもなにかを感じたのか……

 ナンコウさんにたずねていた。

「わたしの母を知っておられるのですか?」

 ナンコウさんは、目をつぶってうなずいている。

 へぇーーっ!?

 さすがエルフの血が入っているだけあって、長生きだけど……

 なんで?

 どこで、知り合ったんだろう?

 わたしがどこで知り合ったのか聞こうとしたら、珍しくソードが話に入ってきた。


「パール、マーク。お話し中申し訳ないのですが、すみませんが一つお伺いしてもよろしいでしょうか? 確認したいことがあるのです」

「どうしたの、ソード? 大丈夫だよ。どうぞ」

「はい、ありがとうございます。ナンコウ、あなたエルフ族のムメ 一族のメイズを知っていますか?」

「ムメ 一族のメイズ……大叔母さん? はい、ひとり知っております」

「侍女長、前に……」

「えっ! もしかして、侍女長の親戚?」

「はい、パール様。わたくしの兄の娘の子どもでございます」

「えーーっ! メイズおおおばさん?」

「はあーっ。久しぶりですね、ナンコウ? みんなホントに心配していましたよ……」

「うわっ! さすが、ラメール王国だな!! 知り合いだらけだよっ!」

「へぇ~。なんだ、そうなの? 侍女長の親戚さんなら、なにも心配することないね! ふっふ」

「いや~、そうか? まあ、そうなるなら……もう気楽に話してもいいかな?」

「どうぞ、どうぞ! 侍女長もナンコウさんの横に座って! ソードも座って、みんなでお茶にしよう!」

「ハァーっ、仕方ありませんね。今回は特別です。侍女長も座ってください」

「……はい。ありがとうございます」

 いいタイミングで、エリオンが全員にお茶とオレンジのパイを出してくれた。

 エリオン、タイミングよすぎ!
 あっ!
 風の魔法……
 エリオンをチラッと見ると。

 気づいたエリオンが、ニコッと笑ってきた……
 ムム……するどい。
 エリオンは意外にハイスペックだとわたしは気づいたぞ!

 食べながら、ナンコウさんの話しを聞く。
 侍女長が珍しく積極的に話して、いろいろ聞き出していた。

 わかったことは、いままで人族の人と結婚してセルバ王国にいたこと。
 ナンコウさんは、のらりくらり話しに答えている。

 人族の結婚相手が寿命で亡くなって仕事もひと段落したから、ラメール王国に自分の用事と頼まれていた、わたしのお父さんの消息を掴みにきたらしい。

 どうもお父さんはセルバ王国の人だったみたいだ……

 マークがやっぱり気になっていたようで、どうして亡くなった自分のリブランお母さんを知っているのか聞いている。

「パールちゃんを見て、思ったんだよ」

 なんとわたしの母方の曾祖母もセルバ王国の人だった!?
 わたしにとても似ていたそうだ。
 だから、まさかと思ってたずねたと話してくれる。

「失礼ですがわたしの母、リブランの母親の名前を教えてもらえますか?」

「うん。リーリエさんだよ」

「リーリエ……たしかに……合っています」

 曾祖母の名前は、リーリエ。

「わたしのひいおばあさんの名前は、リーリエさんなんだね……」

 ナンコウさんもそのことを知らなかったようで、ホントにおどろいていたみたい。

 わたしの曾祖母リーリエひいおばあさんとナンコウさんの奥さんはとても仲がよかったと優しく微笑んで話してくれる。
 だからマークのリブランお母さん、わたしにとってはリブランおばあさんのことも少しは知っているそうだ。

 それを聞いてマークがまたすぐ質問する。

「あの……どうしてわたしの母リブランは、セルバ王国に生まれているのにラメールの冒険者をしていたのか、ご存知ですか?」

 そのマークの質問に簡単なことだと、ナンコウさんが笑顔で答えをくれた。

「ああ、二十歳のときに冒険者だった君の父親を追いかけて、家出したんだよ」

「「えーーっ!!」」

「うそっ!? リブランおばあさんやるねーっ! マーク知ってた?」

「知らん! そんなこと母さんから聞いてない……」

 すごい情報でおどろいてしまう……

 侍女長がナンコウさんに、もう少しやわらかい言い方をしなさいと怒っている。

 さすが、侍女長!
 
 ナンコウさんは思っていたよりも我が家の内情に詳しい人だった。

 おどろきだよ……


 ナンコウさんはメルの町に数日前から滞在しているそうで、それを聞いた侍女長がソードにお休みをその場でもらい、滞在している近くの宿屋へ一緒に向かうと言いだした……

 侍女長はこのままナンコウさんのそばにずっといるみたい。

 よっぽどフラフラしていた人なんだと思ったけど、なんだか納得。
 すぐフラッとどこかへ行ってしまいそうな、そんな感じのする人だ……

 侍女長が謝ってきたので、気にしないでと告げておく。

「わたしのお父さんの情報とおばあさんたちの情報もくれた貴重な人だからね、ありがたいよ。ナンコウさん、侍女長。ありがとう!」


 ナンコウさんが帰り際、わたしの目をじっと見つめて伝えてきた。

「パールちゃん、もしセルバ王国へ行くことがあったなら、北の端チェスナット領まで行って、骨董屋を経営しているマローネンという人をたずねてごらん。わたしの名前をだしてお父さんのことをたずねたら、きっと詳しく教えてくれるはずだよ」

「わかった、覚えておくね。教えてくれてありがとう」

 なんだか家のことが、いっぺんにわかったなぁ……

 リブランおばあちゃんは男の人を追いかけての、家出だし……

 お父さんは? あれ?
 なんで、ラメールに来たんだろ?
 いろいろあって聞くの忘れてたよ……

 あと、お父さんの消息をナンコウさんに探すように頼んだのは、親族の人なのかな?
 お父さんの消息を掴みたくて、ナンコウさんに頼んだのに亡くなっているだなんて……伝えるのイヤだろうな……

 ふぅーっ、全部微妙だ。

 これじゃぁセルバ王国に行っても、会いに行くかはちょっとわからない。
 迷うところだな……
 
 わたしの立場って、家出した人の孫だったり。
 探していた人の子どもだったり……

 本人が亡くなっているから、わたしが行っても両方が知らない者同士になるしね。
 もう、そっとしておく方が良いのかも……

 まあ、これはあまり深く考えないでもいいか?
 セルバ王国に行ってから、どうするか決めようかな?
 

 そのままライのところへソードと二人、馬車で帰っていく。

 ソードがライに報告するから、わたしは少し休憩。
 プラムとシルエラが一緒に付いていった侍女長がいないので心配していたから、部屋で事情を軽く説明するとすごくおどろいていた。

 二人ともやはり、ナンコウさんを知っているようだ。
 二人も、ムメ 一族なのかな?

 侍女長がナンコウさんのそばに付いていたのを納得している様子だったのが、ちょっとおかしい。
 ナンコウさんらしいよね。

 ライもおどろいていて、侍女長をわたしに付けて良かったといっていた。


 それからもライの屋敷で、料理長からいろんな料理をもらったり、ソードがセルバ王国に詳しい人を呼んでくれていろいろ教わっていると、あっという間に一日が終わる……

 思っているよりも、時間が過ぎていくのは早い。

 ブレンダに負けないよう勉強して、知識を付けておかないと……

 もうすぐセルバ王国で冒険だからね。

 ブレンダ、頑張ってくれているんだろうなぁ~?

 わたしも精一杯、準備するぞぉ!!


 



 
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