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4話・適応する者、適応しない者
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悪魔神罰者として、ヒヒーンという馬型悪魔を神罰した。その魂はヒヒーンが言うには、この悪魔東京という閉鎖空間の中央にあるタワーのデビルスターツリーの魔力になるようだ。
そんな事を考えつつも、目の前に現れたヒヒーンに怯えていた人間達の相手をする。俺の戦いの野次馬達は、どうやらこの悪魔が闊歩する世界で自分達を助けてくれる人間と思っているようだ。とんでもない勘違いをしている連中だな。
「俺がお前達に手を貸す? ふざけるなよ。お前達が俺を神として敬い、役に立て。そうすればこの地で生きる事が出来るだろう」
『……!』
思ってもいない俺の言葉に、老若男女全てが同じリアクションをした。どこぞのグループ芸人のようなリアクションだ。そして、どいつもこいつも人数が多いからか文句を言い出す。どうやら俺が人間を殺さないとでも思っているようだ。
「俺は貴様等を助けるつもりは無い。この世界は自分の力で切り開く世界。俺は俺の目的の為だけに戦う。どう思われようが関係無い。共感は不要だ。俺は俺の自由に生きる。悪魔神罰としてな」
ここの人間達は、まさに悪魔を見る目で俺を見ていた。悪魔妖精のミミは環境変化に適応出来ない人間達を笑っている。そして、数が多い人々は俺に対する文句が多くなる。
「コイツは人間じゃない。このガキは人間なのに悪魔の考えを持ってるぞ」
「そうよ! 悪魔がいるなら私達も守るのが義務でしょ!? あんな化け物と戦えないわよ!」
「そうだ、そうだ! ここは人間同士で協力しないとな! 力がある人間は力の無い人間を守る義務がある。会社と同じだよ」
会社と同じ……か。
前の世界では人生の成功者のみが喜ぶ世界に成り果てていた。失敗した人間は、ただ搾取されるだけのゴミ。この世界はその失敗者こそが成功する世界になる。
俺とお前達は相容れない。
すると、ヒラヒラと舞う悪魔のミミは、紫の髪をいじるのをやめてから話し出す。
「哀れな人間達にこのミミちゃんが教えてあげる。この世界なら、人間でも「覚悟」があれば魔法が使えるの。それは心が歪んでいる程に強い魔法が使えるわ。ある意味、悪魔に近い人間ね。ほら、希望が見えた? 絶望が見えた?」
浮遊していたセーラー服を着た妖精に言われた事を、人々は理解出来ない。悪魔の言う事なんて信じられるわけも無い。そもそも、ここの人間はこの世界に順応など出来ない人間だ。ミミの言葉は正しいだろうが、今の言葉は絶望を与えただけ。そして、その絶望から立ち上がる非常の人間はいない。
そんな人間達の答えは簡単。
数の力で俺という悪を正そうと、排除する。前の世界ならそれが当たり前だ。しかし、この悪魔東京においては無為無策。それをわざわざ死を与えて教えるしかないようだな。
「揃いもそろって、棒切れやら鉄パイプやら持ちやがって。それで俺を倒すなら悪魔と戦えよ。人間は相手出来ても、悪魔とは戦えないのか?」
「うるせぇ! こんな世界はすぐに終わるぞ! こんな世界はあり得ないんだ! 変なバリアの外にいる日本や各国の人間が助けてくれる……その時、お前はただの人間を裏切った存在として処刑されるぞ!」
と、意気込んで悪魔東京外の助けを待つ中年の男は言う。それに続くように人々は俺を非難する。肩にいるミミはつまらなそうな顔をして、アクビをしていた。俺も同じ気持ちだ。
俺達の間には絶対に超えられない壁がある。
非常の時に動ける者と動けない者の差。戦国時代や幕末において、敗者であろうとも死を恐れず行動する者になれるか、なれないかの差があった。
「……ふぅ」
くだらない時間は終わらせよう。
俺は先に行く。
「無駄な戯言はやめろ。第一にいつ、どこで、どうやってこの悪魔によって閉鎖された空間に外にいる人間の助けが来るのか理解不能だ。閉鎖されているとはいえ、現実世界に悪魔が現れたんだ。向こうの人間も自分が巻き込まれて無くて良かったと思ってるだろうぜ」
『……』
「全員揃ってダンマリかよ。まぁ、いい。貴様等はその程度だ。俺は悪魔東京で自分自身の為に戦う。もし、俺の邪魔をするなら殺す。これは警告だ。じゃあな、人間共」
俺は歩き出した。
同時に、人々は俺の行く手を遮る。
どうしても、俺に悪魔から助けてもらいたいようだ。それを義務と誰もが思っている。安穏と日々を暮らしていた連中には、この悪魔東京のルールなど理解出来ないだろう。
「……先程俺は警告した。邪魔すれば殺すと。今、逃げれば生かしてやる。逃げても悪魔に殺されるのがオチだろうがな」
「確かに、確かに~。だってこの人間達、戦う気も無いのに全てを星矢に押し付けてるゴミだもーん! 早くみんな死んで、私を快感にしてぇ!」
やけにミミも目の前の連中を嫌っている。
ただ悪魔の性で人の死を見たいだけだろうが、嫌いという感情もあるようだ。この世界を戦う召使いとしては、中々良い。そして、人々は雪崩のように俺に襲い掛かる。
「俺は人間の神であり、悪魔に罰を与える者。悪魔神罰」
両手から放たれた炎は、目の前の人々を容赦無く焼いた。その黒こげになり、苦しみもがく人間達を見てミミはヨダレさえ垂らしている。すると、最後の足掻きで俺に問う者がいた。
「お前は……人間か? 違う、悪魔だ……悪魔でしかない……」
「俺は悪魔以上に悪魔だ」
そして、全ての邪魔者は消し炭になった。
悪魔神罰者である俺を、邪魔する者は全て殺す。この世界で生きる為に俺は生まれて来たと確信しているからだ。
歩き出す俺の行く手をまた遮る者がいた。それは集団であり、左腕に白い布を巻きつけた集団だった。気配を辿ると、周囲全ては囲まれていて、明らかに一般市民とは違う訓練を受けた連中に思えた。
(……何だ? 何かの組織なのか? どいつもこいつもさっきの連中とは違い、人を殺す覚悟がある目をしてやがる。こいつらは面白そうだな)
悪魔東京と化したこの渋谷地区の自警団・ルーンメイズという連中が現れた。
そんな事を考えつつも、目の前に現れたヒヒーンに怯えていた人間達の相手をする。俺の戦いの野次馬達は、どうやらこの悪魔が闊歩する世界で自分達を助けてくれる人間と思っているようだ。とんでもない勘違いをしている連中だな。
「俺がお前達に手を貸す? ふざけるなよ。お前達が俺を神として敬い、役に立て。そうすればこの地で生きる事が出来るだろう」
『……!』
思ってもいない俺の言葉に、老若男女全てが同じリアクションをした。どこぞのグループ芸人のようなリアクションだ。そして、どいつもこいつも人数が多いからか文句を言い出す。どうやら俺が人間を殺さないとでも思っているようだ。
「俺は貴様等を助けるつもりは無い。この世界は自分の力で切り開く世界。俺は俺の目的の為だけに戦う。どう思われようが関係無い。共感は不要だ。俺は俺の自由に生きる。悪魔神罰としてな」
ここの人間達は、まさに悪魔を見る目で俺を見ていた。悪魔妖精のミミは環境変化に適応出来ない人間達を笑っている。そして、数が多い人々は俺に対する文句が多くなる。
「コイツは人間じゃない。このガキは人間なのに悪魔の考えを持ってるぞ」
「そうよ! 悪魔がいるなら私達も守るのが義務でしょ!? あんな化け物と戦えないわよ!」
「そうだ、そうだ! ここは人間同士で協力しないとな! 力がある人間は力の無い人間を守る義務がある。会社と同じだよ」
会社と同じ……か。
前の世界では人生の成功者のみが喜ぶ世界に成り果てていた。失敗した人間は、ただ搾取されるだけのゴミ。この世界はその失敗者こそが成功する世界になる。
俺とお前達は相容れない。
すると、ヒラヒラと舞う悪魔のミミは、紫の髪をいじるのをやめてから話し出す。
「哀れな人間達にこのミミちゃんが教えてあげる。この世界なら、人間でも「覚悟」があれば魔法が使えるの。それは心が歪んでいる程に強い魔法が使えるわ。ある意味、悪魔に近い人間ね。ほら、希望が見えた? 絶望が見えた?」
浮遊していたセーラー服を着た妖精に言われた事を、人々は理解出来ない。悪魔の言う事なんて信じられるわけも無い。そもそも、ここの人間はこの世界に順応など出来ない人間だ。ミミの言葉は正しいだろうが、今の言葉は絶望を与えただけ。そして、その絶望から立ち上がる非常の人間はいない。
そんな人間達の答えは簡単。
数の力で俺という悪を正そうと、排除する。前の世界ならそれが当たり前だ。しかし、この悪魔東京においては無為無策。それをわざわざ死を与えて教えるしかないようだな。
「揃いもそろって、棒切れやら鉄パイプやら持ちやがって。それで俺を倒すなら悪魔と戦えよ。人間は相手出来ても、悪魔とは戦えないのか?」
「うるせぇ! こんな世界はすぐに終わるぞ! こんな世界はあり得ないんだ! 変なバリアの外にいる日本や各国の人間が助けてくれる……その時、お前はただの人間を裏切った存在として処刑されるぞ!」
と、意気込んで悪魔東京外の助けを待つ中年の男は言う。それに続くように人々は俺を非難する。肩にいるミミはつまらなそうな顔をして、アクビをしていた。俺も同じ気持ちだ。
俺達の間には絶対に超えられない壁がある。
非常の時に動ける者と動けない者の差。戦国時代や幕末において、敗者であろうとも死を恐れず行動する者になれるか、なれないかの差があった。
「……ふぅ」
くだらない時間は終わらせよう。
俺は先に行く。
「無駄な戯言はやめろ。第一にいつ、どこで、どうやってこの悪魔によって閉鎖された空間に外にいる人間の助けが来るのか理解不能だ。閉鎖されているとはいえ、現実世界に悪魔が現れたんだ。向こうの人間も自分が巻き込まれて無くて良かったと思ってるだろうぜ」
『……』
「全員揃ってダンマリかよ。まぁ、いい。貴様等はその程度だ。俺は悪魔東京で自分自身の為に戦う。もし、俺の邪魔をするなら殺す。これは警告だ。じゃあな、人間共」
俺は歩き出した。
同時に、人々は俺の行く手を遮る。
どうしても、俺に悪魔から助けてもらいたいようだ。それを義務と誰もが思っている。安穏と日々を暮らしていた連中には、この悪魔東京のルールなど理解出来ないだろう。
「……先程俺は警告した。邪魔すれば殺すと。今、逃げれば生かしてやる。逃げても悪魔に殺されるのがオチだろうがな」
「確かに、確かに~。だってこの人間達、戦う気も無いのに全てを星矢に押し付けてるゴミだもーん! 早くみんな死んで、私を快感にしてぇ!」
やけにミミも目の前の連中を嫌っている。
ただ悪魔の性で人の死を見たいだけだろうが、嫌いという感情もあるようだ。この世界を戦う召使いとしては、中々良い。そして、人々は雪崩のように俺に襲い掛かる。
「俺は人間の神であり、悪魔に罰を与える者。悪魔神罰」
両手から放たれた炎は、目の前の人々を容赦無く焼いた。その黒こげになり、苦しみもがく人間達を見てミミはヨダレさえ垂らしている。すると、最後の足掻きで俺に問う者がいた。
「お前は……人間か? 違う、悪魔だ……悪魔でしかない……」
「俺は悪魔以上に悪魔だ」
そして、全ての邪魔者は消し炭になった。
悪魔神罰者である俺を、邪魔する者は全て殺す。この世界で生きる為に俺は生まれて来たと確信しているからだ。
歩き出す俺の行く手をまた遮る者がいた。それは集団であり、左腕に白い布を巻きつけた集団だった。気配を辿ると、周囲全ては囲まれていて、明らかに一般市民とは違う訓練を受けた連中に思えた。
(……何だ? 何かの組織なのか? どいつもこいつもさっきの連中とは違い、人を殺す覚悟がある目をしてやがる。こいつらは面白そうだな)
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