『私本大江山』~酒呑童子異聞~

天愚巽五

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鬼の巻 下

炭売りの男、腐りゆく女を見ること

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 月夜に男の顔が映し出される。心のうちにある迷いを振り払った顔。しかしその顔色は異様に青白く、月明かりが余計に男の顔色を際立たせ幽鬼のようになっていた。

 この男、炭売りの螻丸は、菰子の屋の前で座ったままじっと締め切られた木戸を見つめている。

 惟丸の身柄を橋子に届け、もう五日ほどになっている。来るはずのない惟丸を待ち続けているのであろうか。それとも身体が優れぬためなのか、菰子は一向に姿を見せることはなかった。
 惟丸には橋子とその取り巻きによる『躾』が進んでいることであろう。

 表情のない螻丸の口角が奇妙に上がった。心の一番深いところに、黒いヘドロのような、腐敗した糞便のような汚らしい感情が、螻丸の中にある。

 螻丸は菰子に対する恋慕があった。さりとて立場が違う。
 菰子は農民とはいえ多くの田畑を管理する家の娘であり、螻丸は炭売りの子である。世間体が邪魔をする。それが今の菰子は、家は傾きつつあり田畑の管理も外され、本人はしもの病に悩む淫売女と評判も何も地に落ちている。

 ようやく同じになれた。
 螻丸は橋子の企みに乗ったのは、結局菰子を我物としようとする邪な考えからだった。烏丸長者の娘が何を企てたのかはわからない。しかし螻丸の目の前にある現実は、螻丸の思う通りになっている。

 これならば、これほど見捨てられ、孤独になれば、しがない炭売りの子でもきっと振り向いてくれるはず。

 声には出さない。
 しかし腹の中で、何度もその言葉が繰り返され、螻丸は自分自身を信じ込ませている。

 月明かりが菰子の部屋を照らしている。
 荒れ放題になった庭。
 埃が積もった縁側。

 螻丸は縁側に上がり、息を潜めた。木戸の向こう側に菰子がいる。もうすぐで自分の手の内に入ると思うと、興奮から息が荒くなる。

 息も聞こえない部屋。螻丸は木戸に耳を付けて音を確かめる。微かにすすり泣くような声。菰子の声が聞こえてきた。

「誰…」

 弱々しい声。喉に何かしらの異常があるのか随分としわがれている。

「惟丸?毎晩来てくれるのは嬉しいのだけれど、今夜は帰って。調子も悪いし、貴方も毎晩だと体を崩します」

 菰子の声に螻丸は笑みを浮かべた。
 間を置くと、息を大きく吸い込む。

「菰子殿…」

 螻丸の声は震えていた。
 一瞬の間、木戸を挟み沈黙が広がった。

「…誰?」
「螻丸でございます」

 炭売りの名を聞いた菰子が、木戸から離れた気配がした。

「菰子殿に話がありまして…」

 菰子は何も言わない。衣擦れの音が螻丸の耳に聞こえている。

「惟丸殿が菰子殿を娶らんが理由。良からぬことを聞きました」

 神妙な声色で話す螻丸。しかし顔は笑っていた。菰子は応えない。木戸の向こうから緊張が伝わってきていると、螻丸は感じている。

「惟丸殿が、病の貴女を娶らんとする理由。それは菰子殿の家に残る田畑であると話を聞きました。夫になれば相続の権利が生まれます。さすればこの屋も田畑も惟丸殿の物となりましょう」

 菰子の息が荒くなる。木戸の外まで過呼吸の音が聞こえている。

「橋子殿とこうも話しておりました。あの淫売女、しもの病が酷く長くはないだろうと、死ぬればすぐにでも橋子殿と一緒になろうと、そのように…」

 菰子は螻丸の話を聞いているのかどうかわからない。呼吸音は止まっている。
 皮膚を掻きむしる音。

「菰子殿。開けてもらえぬだろうか」

 螻丸の声色が優しくなる。肌を撫でつけるような気色の悪さがあった。

「菰子殿…わしはそなたをずっとお慕いしていた。みな貴女を裏切り騙して、それを陰で笑い物にしておる」

 螻丸にもはっきりと搔きむしる音が聞こえている。少し呻く声が漏れ聞こえる。

「わしだけは貴女を…」

 木戸がゆっくり開いた。

 汗の饐えた臭いが、螻丸の鼻の奥を刺激する。
 濃密な部屋の臭いに螻丸は顔をしかめた。光が差し込まない菰子の部屋。螻丸は目を細めて中を見ている。真っ暗闇に見えた部屋。螻丸が顔だけを中に入れ様子を伺った。

 螻丸の額に生暖かい雫が垂れ落ち、思わず体を引く。額に垂れ落ちた雫を掌で拭う。月明かりの中で額の雫をみた。透明で血は混じっていない。そのまま目線を上に上げた。

 部屋の闇の中から、真っ白だが皮膚がささくれ鱗のようになった足があらわれた。菰子の顔が月明かりの下に晒される。
 赤黒く出来物が重なり合わさり、鱗のようになりささくれ、何度も掻いたためか罅割れて血が滲んでいた。目玉は血走り、結膜は腫れ赤く濁っている。その瞳からタラタラと涙を流し、螻丸を見下ろしていた。

 螻丸は尻をついて菰子を見上げた。腰が抜け何とか後退り、菰子の姿に声も出せずにいた。

「あ、あなや!」

 つい声に出してしまった。螻丸は恐ろしい姿に変わり果てた菰子に、恐怖したのである。人とは思えぬ菰子。子供のころから募らせた恋心もどこかへ吹き飛んだ。

 螻丸は這って逃げた。後ろも振り向けない。振り向けば菰子であったものが螻丸を追ってきていると思い込んだ。

「妖じゃ!」

 誰かに助けを呼んでいるつもりなのである。同時に菰子の姿を晒すことにもなった。
 夜でなければ人が集まっていたことであろう。螻丸はようやく立ち上がり、転がるように菰子の屋から逃げた。闇の中に螻丸の叫ぶ声がこだましている。

 残された菰子は縁側に膝をついた。誰もいなくなった縁側で体を突っ伏し、声を出して泣いた。ひりつく喉からおのれの身に起きている不幸を呪いながら、大声を出し泣いた。

 菰子の鳴き声が闇夜に響きわたり、その悲痛な泣き声に応ずるように雲が月を隠した。


 ◇


 暖かくなるにはまだ早い。しかしその日は奇妙に空気が温かった。
 葉はとぼとぼと下を向き気怠そうにして、桶を抱えて庭を歩いている。
 
 葉は菰子の家から暇を出された後、しばらくの間、実家で過ごしていたが流石に無駄飯喰いは肩身が狭く、どうにか下働きの仕事を得ていた。
 働き先はこのところ評判の烏丸長者の屋敷である。毎日洗濯や柴刈りなど忙しくしていた。

 幾日であろうか。葉は離屋から毎日のように数人の男。それも随分と怖い風体をした男と、娘の橋子が入れ替わりで入っていくのを見ていた。
 見てはいけないと思ってもついついそちらに気が向く。水汲みに井戸を使うと、離屋の入口がどうしても見えてしまうからであった。

 葉は朝から幾度も井戸の水を汲んでいる。菰子の家では男手がやっていたことであったが、どういうわけか烏丸屋敷では葉に仕事が回っていた。
 烏丸屋敷での葉の待遇は良いものではない。それは葉だけではなかった。烏丸長者は使用人を使い捨てするかのように扱った。
 いい加減にやる気も根気も続かなくなってきていた葉は、万事にやる気がない。たまに見る橋子に至っては、下女に声をかけることなど終ぞなかった。

 その橋子お嬢様が、離屋から出てくるのを見てしまった。橋子は葉に気付いていないようである。わずかに服と髪が乱れ、少し疲れた様子である。
 一度左右を見ると、橋子は足早に離屋から離れていった。

 周りには誰もいない。
 葉は離屋に近づく。近づくなと言われていたのが、余計に好奇心を刺激した。

 離屋はまだ新しい。烏丸屋敷は古い大屋であったが、離屋は最近手入れをしたように感じられた。

 葉が離屋を回る。
 建物としては小さい。葉は烏丸長者が年末に、水尾村の土地をいくらか手に入れた。そのとき物置に使えばよいと皆が言っていたのを覚えていた。

 誰もいない。葉は枯れ枝を踏む。思いのほか高い音が響いた。

 声を掛けられたような気がする。

 肩をすくめあたりを見渡す。
 屋人に見られたら咎められる。悪ければ折檻や暇を出されてしまう。しかし辺りにはやはり誰もいなかった。

「おい…」

 今度は聴き間違えなかった。
 人がいる。ほとんどわからないが、どこかに人がいる。足元の方から男の声が聞こえ、葉の背の毛が逆立った。

 足元に目をやる。屋の壁に空気を通す穴が開いていた。

「おい、誰かおるのか?」

 穴から男の声が聞こえてきた。
 もう一度葉はあたりを見渡す。人の気配はない。葉は穴に近づく。

「誰?」

 小声で穴に話しかけた。

 離屋が半地下になっている。そこに誰かが留め置かれている。

「わしは惟丸と申す。そなたは烏丸屋敷のものか?」

 声には焦りがあった。惟丸の名を聞いて葉は声に聞き覚えがあった。

「惟丸様でございますか?」

 菰子の思い人。
 様々な男衆が菰子に思いを寄せ、菰子もそれに応えていたが、菰子が本当に心を慕っていたのは惟丸であったのではなかと、二人の間柄を葉はみていた。
 その惟丸が離屋の半地下に捕らわれている。

「惟丸様でございますね?」

 確認するように葉は半地下に向かって尋ねる。一拍の間があったのは、惟丸も人を信じ切れないところがあったのであろう。

「そうだ。わしは惟丸だ。そなたは誰ぞ?」
「覚えておられませぬか? 里山の麓の…」
「菰子殿の屋におられた、たしか葉殿か?」
「さようでございます。惟丸様どないしてこないな所にしまわれて…」

 惟丸は葉の問に答えなかった。穴から僅かの間気配が消える。
 葉はあたりを気にした。朝早いこともあるのかやはり人気は無かった。
 
「これを…」

 穴から紙が押し出されてくる。一つは恋文に使われる茜色の物。もう一つは大きさがあった。
 葉は惟丸が穴から差し出す紙を掴むと、ズルズルと引き出した。

「これは?」
「菰子殿にお渡しくだされ」

 真っ白で細長い紙。何かの札であった。

「金剛院の札を菰子殿にお渡しください。菰子の病平癒を祈祷してもらいました」

 葉は受け取った札を見つめる。所々血痕が染みついて、赤黒くこびりついていた。

「惟丸様。お怪我を?」
「わしのことは気にいたすな。必ず菰子殿を迎えに行くと伝えてくだされ。あと出来れば我が家にこのことを伝えて貰うとありがたい」

 思いのほか惟丸の声は力があった。それが葉の心配を和らげる。

「烏丸のものには見つからぬ様に。今はおそらく橋子殿の取り巻きも朝寝をしておろう」

 惟丸はそれだけ告げるとどうやら穴から身を離したらしい。声が遠ざかって聞こえていた。

 葉は乾いた血が付いた札と、文紙を持つと周りを気にしながら烏丸屋敷を後にした。
 惟丸の願いを聞き届けようと思ったのは、半分は橋子への当てつけである。いくら都で羽振りの良い大店であろうと、人を攫ってよいという理由は無かった。
 日々の仕事に対する不満もあった。それ以外でも橋子の鼻に衝く物言いにも不満があった。
 兎にも角にも葉は烏丸屋敷の全てが気に入らなかった。仕事を失ってもよい。惟丸の願いをかなえて、このいけ好かない烏丸の家に仕返しをしてやろうと腹を括っていた。


 ◇◆


 年始の挨拶もしていない。何処か後ろめたいまま葉は菰子の屋に入った。

 手入れが行き届いていない庭。葉が勤めに出ていたときには考えられない。菰子の母は信心深く偏屈で、世間体を気にする人であったが、下働きの者たちを無駄に虐めるようなことはなかった。
 父親は厳しい百姓の取りまとめをする人であったが、雇人と共に汗も流せば食事もするという物が分かった人であった。

 皆に慕われ信頼された菰子の家が、これほどまでに荒んでいることに、葉は悲しい気持ちになる。

 菰子のいる屋に近づく。人が歩いた後なのか伸び放題の草木に、一か所だけ踏み潰された道が付いている。
 葉は締め切られた木戸の前に立つと、大きく息を吐き出した。

「お久しぶりです菰子様」

 返答はない。
 人の気配がしない。

「お体を悪くしていること聞いています。このままでかまいません」

 木戸の奥から掠れ、若い女の声とは思えないほど潰れた声が聞こえる。

「帰って、誰にも会う気はないの」
「はい。すぐに帰ります。今日は言付けをされてきました」

 葉は惟丸から預かった文と、金剛院の病平癒祈願の札を縁側に置く。

「惟丸様から言付かりました。今、惟丸様は身動きが取れない様になっておりますが、必ずお嬢様を迎えに行くと、そうおっしゃております」

 返答はなかった。葉は構わず続けた。

「これは惟丸様がお嬢様の病のために用意されたお札だそうです。それと文を渡してくれと、ここに置いておきます。」

 菰子の苦しそうな嗚咽が聞こえてくる。

「お嬢様…」
「気にしないで、もういいから。葉ちゃんありがとう。ここにいると葉ちゃんにも変な噂が立つから」

 菰子の声に葉は少し安心した。思ったよりも病は悪くないと感じられる声をしている。

「それじゃあうちはこれで」
「うん。ありがとう。惟丸には会えるの?」
「今は無理です。お忙しいらしくて」
「そう、そうなの…」

 葉は喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。本当のところを伝えたところで、菰子の何が変わるのかわからない。ましてや病の身に余計な負担が増えるだけであろう。

 葉は屋から離れた。
 菰子の言うように菰子の屋に近づくだけで、橋子にどのような噂を流され、言いがかり付けられるかわからない。

 残された文と札が微かに風に揺れている。木戸が開き陽に当たるのを恐れるように菰子が夜着を被ったまま這い出して来る。
 陽に当たると痒みがあるのか、少し顔をしかめた。

 札を手に取る。
 固まった血がこびり付いた札。皮膚がささくれ固まった指先で札を拾い、震える手で文を開いた。

 真名で書かれた文字は、所どころ血が付いている。菰子は父の勧めで、文字の手習いを受けて、惟丸はそのことを知っている。
 知っていて雅な公家の真似事をしていた。恋文など百姓や商人が渡し合うなど本来は身の丈に合わない。それでも雅に憧れた菰子のために、惟丸は恋文を書いた。

 菰子は恋文を読む。
 和歌など惟丸は作れない。ただただ菰子の身を案じ励ますことが、ツラツラと綴られている。

 小さな恋文を読み進めるうちに、菰子の赤く腫れあがった瞼からポタリポタリと涙が落ちる。

 信じてよいのかわからぬままであった。螻丸の言葉が菰子を苦しめる。
 しかしこの血は惟丸の身に何かがあったことを告げている。

 無力であった。無力で何もできない自分を恨んだ。そしてその怨みの掃き出し口がどこにもない。菰子の恨み辛みは、体の中で渦巻きその身を焦がしていく。
 全身の痒みと痛みが増していく。
 鼻汁と垂らし、菰子は暗い屋の中に引っ込むと、木戸を閉めた。

 一度大きな叫び声をあげた。すすり泣く声がいつまでも荒れ果てた庭に聞こえていた。
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