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本編
第二十七章:私の彼女は厨二病!? リアルで中2だったのは10年前の癖にイタすぎるバイト先の後輩が、夜のテクだけは大人だった件
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「……ククク。我が左手に封印されし黒炎竜が、今宵は騒ぐな……」
居酒屋のバックヤード。油の匂いとタバコの煙が染み付いた休憩室で、その女――黒木(くろき)アリス(自称)は、手首に巻いた包帯を愛おしそうにさすりながら、虚空を見つめて独り言を呟いていた。
履歴書の本名は、佐藤サトミ。二十四歳。
私、ミナトのバイト先に新しく入ってきた、年上の後輩だ。
彼女のスペックだけを見れば、誰もが羨む超優良物件だ。
透き通るような色白の肌、濡れたような黒髪ロング、切れ長の大きな瞳。黙って座っていれば、ファッション誌のモデルと言われても信じるレベルの超美人。
実際、初日は店のチャラ男たちが色めき立った。「おい、すげー美人が入ったぞ」「今日シフト入れてよかったー!」なんて大騒ぎだった。
けれど、その幻想は三時間で崩壊した。
「いらっしゃいませ!」と言うべきところで「ようこそ、混沌(カオス)の宴へ……」と囁き、オーダーミスを指摘されれば「これはシュタインズ・ゲートの選択ミスだ」と真顔で言い訳する。
極めつけは、常に左腕に巻かれた包帯(怪我はしていない)と、眼帯(視力は良い)。
そう、彼女は真正の「厨二病」だったのだ。しかも、リアル中二だったのは一昔前、大卒二年目の二十四歳で、だ。
当然、男たちは「あ、これ触れちゃいけないやつだ」と察して蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
私、ミナトは大学三年生の二十一歳。
実は隠れレズビアンで、可愛い女の子には目がない。だから最初は黒木さんの顔面偏差値に期待していたけれど、あの中身を見て即座に「ナシ」と判断した。
いくら美人でも、会話が成立しない痛い女は勘弁だ。
そう思って距離を置いていたのに。
「……おい、貴様」
「え、私ですか?」
バイト終わり、更衣室で着替えていると、黒木さんに壁ドンされた。
無駄にいい匂いがする。
「貴様からは……同族の『闇』の匂いがするぞ」
「はぁ? 柔軟剤の匂いですけど」
「とぼけるな。……貴様も、禁断の果実(オンナ)を求めているのだろう? 我が邪眼には全てお見通しだ」
ドキッとした。
この人、厨二病のふりして、私のセクシャリティを見抜いている?
黒木さんの整った顔が近づいてくる。眼帯をしていない方の瞳が、妖しく光っている。
「……契約(デート)してやる。ついて来い」
上から目線で言われたけれど、その顔があまりにも美しくて、そして私自身、久しぶりの「出会い」に飢えていた。
まあ、一回ヤるだけなら。顔は最高だし、後腐れなく終われそうだし。
そんな浅はかな性欲に負けて、私は彼女についてもホイホイとホテル街へ足を踏み入れてしまったのだ。
***
ラブホテルの部屋に入っても、黒木さんのイタさは健在だった。
「結界が張られているな……」「ここが今宵の儀式場か」などとブツブツ言いながら、部屋の照明をリモコンで赤色に変えたりしている。
私はシャワーを浴びながら、少し後悔し始めていた。
(あーあ。これ絶対、マグロか、変な世界観押し付けてきて萎えるパターンだわ……)
バスローブ姿でベッドに戻ると、黒木さんは既に全裸で待機していた。
……悔しいけど、身体つきも完璧だった。
陶器のような肌、形の良いバスト、くびれたウエスト。まさに二次元から出てきたような肢体。
でも、口を開けばこれだ。
「遅かったな。我が肉体(ボディ)に宿りし魔力が暴走しそうだ」
「はいはい。じゃあ、お手柔らかにお願いしますね」
私は適当に相槌を打ちながら、彼女に覆いかぶさった。
とりあえずキスで黙らせて、さっさと終わらせよう。
そう思って唇を重ねた、その瞬間。
ンチュッ……♥
「……ん?」
黒木さんの舌が、私の口内に侵入してきた。
その動きが、尋常じゃなかった。
絡め取り、吸い上げ、転がす。まるで熟練の職人のような舌使い。
一瞬で脳が痺れた。
「んっ……!? くろき、さん……?」
「……クク。油断したな? 我が深淵の口づけ(ディープキス)は、魂ごと吸い尽くすぞ……♥」
言ってることはイタい。
イタいのに、やってることはめちゃくちゃエロい。
彼女の手が、私のバスローブをはだけさせ、胸を揉みしだく。
その手つきが、優しく、かつ的確に性感帯を捉えてくる。
「ひゃうっ!?♥ そこっ、ピンポイントでっ……!」
「ここが貴様の弱点(コア)か? 脆い……脆すぎるぞ……♥」
黒木さんが私を押し倒し、逆に馬乗りになった。
さっきまでの「イタい変人」の雰囲気はそのままなのに、そこから放たれるオーラが「ベッドヤクザ」のそれに変貌している。
逃がさない。絶対にイカせる。そんな強烈な圧。
「貴様の秘められし泉(アソコ)、解放してやろう」
黒木さんが私の股間に顔を埋める。
ジュルッ、チュプチュプ……レロレロ……ッ!!♥
凄まじいバキュームと舌の動き。
ただ舐めるだけじゃない。強弱をつけ、焦らし、一気に攻める。
数々の職場を転々としてきた彼女の、空白の履歴書には書かれていない「夜の実務経験」が、ここで火を噴いた。
「あぎっ!♥ あひぃっ!♥ すごっ、テクニック、すごいっ! 黒木さん、何者なのぉっ!?♥」
「我か? 我は……夜の支配者(クイーン)だ……ッ!!♥」
イタいセリフと共に、指が二本、ズチュッ! と突き刺さる。
その指使いもまた、神がかっていた。
中で「こっち来い」をするような動きと、クリトリスへの舌責め。
「いぐっ! イくっ! そんな激しくされたら、頭おっかしくなるぅっ!♥」
「堕ちろ! 快楽の奈落(アビス)へ!! イキ晒せ、愚かな民よ!!♥」
「イキ晒せ」なんて言葉、普通なら笑っちゃうはずなのに。
今の私には、それが絶対的な命令に聞こえた。
逆らえない。このテクニックと、この美貌と、このイタい世界観に、完全に飲み込まれていく。
「ああっ、ああっ! イくっ! アビスに行くぅぅぅッ!!♥♥」
ビクンッ!! ビクビクッ!!♥
私は盛大に潮を吹き、黒木さんの顔を汚して絶頂した。
黒木さんは顔についた愛液を指で拭い、ペロリと舐めると、ニヤリと笑った。
「……フッ。他愛もない。これぞ、神々の遊び(フェザータッチ)だ……♥」
***
事後。
私は完全に骨抜きにされ、黒木さんの腕の中で荒い息をついていた。
「神々の遊び」とか言ってたけど、あれはどう考えても「悪魔の所業」だった。
でも、悔しいけれど……最高だった。
「……黒木さん。あんた、すごすぎ」
「当然だ。我は一万年と二千年前から、愛を説いているからな」
彼女は真顔でそう言って、眼帯を付け直している。
その姿を見て、私はふと「可愛い」と思ってしまった。
この残念すぎる言動も、圧倒的なテクニックとのギャップだと思えば、むしろ愛おしい。
イタい。イタすぎる。でも、好きかもしれない。
「……ねえ、黒木さん。また、『契約』更新してもいいですか?」
「ククク……。貴様も物好きだな。よかろう、我が眷属(カノジョ)にしてやる」
こうして私は、イタすぎる後輩の「眷属」になった。
職場では相変わらず浮いている彼女だけど、私だけが知っている。
この「闇の住人」が、ベッドの上では誰よりも光り輝く、最強のテクニシャンであることを。
……あーあ、完全に沼ったわ、これ。
私のガチ恋、厨二病患者にて終了のお知らせ、ってね♥
(第二十七章 完)
居酒屋のバックヤード。油の匂いとタバコの煙が染み付いた休憩室で、その女――黒木(くろき)アリス(自称)は、手首に巻いた包帯を愛おしそうにさすりながら、虚空を見つめて独り言を呟いていた。
履歴書の本名は、佐藤サトミ。二十四歳。
私、ミナトのバイト先に新しく入ってきた、年上の後輩だ。
彼女のスペックだけを見れば、誰もが羨む超優良物件だ。
透き通るような色白の肌、濡れたような黒髪ロング、切れ長の大きな瞳。黙って座っていれば、ファッション誌のモデルと言われても信じるレベルの超美人。
実際、初日は店のチャラ男たちが色めき立った。「おい、すげー美人が入ったぞ」「今日シフト入れてよかったー!」なんて大騒ぎだった。
けれど、その幻想は三時間で崩壊した。
「いらっしゃいませ!」と言うべきところで「ようこそ、混沌(カオス)の宴へ……」と囁き、オーダーミスを指摘されれば「これはシュタインズ・ゲートの選択ミスだ」と真顔で言い訳する。
極めつけは、常に左腕に巻かれた包帯(怪我はしていない)と、眼帯(視力は良い)。
そう、彼女は真正の「厨二病」だったのだ。しかも、リアル中二だったのは一昔前、大卒二年目の二十四歳で、だ。
当然、男たちは「あ、これ触れちゃいけないやつだ」と察して蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
私、ミナトは大学三年生の二十一歳。
実は隠れレズビアンで、可愛い女の子には目がない。だから最初は黒木さんの顔面偏差値に期待していたけれど、あの中身を見て即座に「ナシ」と判断した。
いくら美人でも、会話が成立しない痛い女は勘弁だ。
そう思って距離を置いていたのに。
「……おい、貴様」
「え、私ですか?」
バイト終わり、更衣室で着替えていると、黒木さんに壁ドンされた。
無駄にいい匂いがする。
「貴様からは……同族の『闇』の匂いがするぞ」
「はぁ? 柔軟剤の匂いですけど」
「とぼけるな。……貴様も、禁断の果実(オンナ)を求めているのだろう? 我が邪眼には全てお見通しだ」
ドキッとした。
この人、厨二病のふりして、私のセクシャリティを見抜いている?
黒木さんの整った顔が近づいてくる。眼帯をしていない方の瞳が、妖しく光っている。
「……契約(デート)してやる。ついて来い」
上から目線で言われたけれど、その顔があまりにも美しくて、そして私自身、久しぶりの「出会い」に飢えていた。
まあ、一回ヤるだけなら。顔は最高だし、後腐れなく終われそうだし。
そんな浅はかな性欲に負けて、私は彼女についてもホイホイとホテル街へ足を踏み入れてしまったのだ。
***
ラブホテルの部屋に入っても、黒木さんのイタさは健在だった。
「結界が張られているな……」「ここが今宵の儀式場か」などとブツブツ言いながら、部屋の照明をリモコンで赤色に変えたりしている。
私はシャワーを浴びながら、少し後悔し始めていた。
(あーあ。これ絶対、マグロか、変な世界観押し付けてきて萎えるパターンだわ……)
バスローブ姿でベッドに戻ると、黒木さんは既に全裸で待機していた。
……悔しいけど、身体つきも完璧だった。
陶器のような肌、形の良いバスト、くびれたウエスト。まさに二次元から出てきたような肢体。
でも、口を開けばこれだ。
「遅かったな。我が肉体(ボディ)に宿りし魔力が暴走しそうだ」
「はいはい。じゃあ、お手柔らかにお願いしますね」
私は適当に相槌を打ちながら、彼女に覆いかぶさった。
とりあえずキスで黙らせて、さっさと終わらせよう。
そう思って唇を重ねた、その瞬間。
ンチュッ……♥
「……ん?」
黒木さんの舌が、私の口内に侵入してきた。
その動きが、尋常じゃなかった。
絡め取り、吸い上げ、転がす。まるで熟練の職人のような舌使い。
一瞬で脳が痺れた。
「んっ……!? くろき、さん……?」
「……クク。油断したな? 我が深淵の口づけ(ディープキス)は、魂ごと吸い尽くすぞ……♥」
言ってることはイタい。
イタいのに、やってることはめちゃくちゃエロい。
彼女の手が、私のバスローブをはだけさせ、胸を揉みしだく。
その手つきが、優しく、かつ的確に性感帯を捉えてくる。
「ひゃうっ!?♥ そこっ、ピンポイントでっ……!」
「ここが貴様の弱点(コア)か? 脆い……脆すぎるぞ……♥」
黒木さんが私を押し倒し、逆に馬乗りになった。
さっきまでの「イタい変人」の雰囲気はそのままなのに、そこから放たれるオーラが「ベッドヤクザ」のそれに変貌している。
逃がさない。絶対にイカせる。そんな強烈な圧。
「貴様の秘められし泉(アソコ)、解放してやろう」
黒木さんが私の股間に顔を埋める。
ジュルッ、チュプチュプ……レロレロ……ッ!!♥
凄まじいバキュームと舌の動き。
ただ舐めるだけじゃない。強弱をつけ、焦らし、一気に攻める。
数々の職場を転々としてきた彼女の、空白の履歴書には書かれていない「夜の実務経験」が、ここで火を噴いた。
「あぎっ!♥ あひぃっ!♥ すごっ、テクニック、すごいっ! 黒木さん、何者なのぉっ!?♥」
「我か? 我は……夜の支配者(クイーン)だ……ッ!!♥」
イタいセリフと共に、指が二本、ズチュッ! と突き刺さる。
その指使いもまた、神がかっていた。
中で「こっち来い」をするような動きと、クリトリスへの舌責め。
「いぐっ! イくっ! そんな激しくされたら、頭おっかしくなるぅっ!♥」
「堕ちろ! 快楽の奈落(アビス)へ!! イキ晒せ、愚かな民よ!!♥」
「イキ晒せ」なんて言葉、普通なら笑っちゃうはずなのに。
今の私には、それが絶対的な命令に聞こえた。
逆らえない。このテクニックと、この美貌と、このイタい世界観に、完全に飲み込まれていく。
「ああっ、ああっ! イくっ! アビスに行くぅぅぅッ!!♥♥」
ビクンッ!! ビクビクッ!!♥
私は盛大に潮を吹き、黒木さんの顔を汚して絶頂した。
黒木さんは顔についた愛液を指で拭い、ペロリと舐めると、ニヤリと笑った。
「……フッ。他愛もない。これぞ、神々の遊び(フェザータッチ)だ……♥」
***
事後。
私は完全に骨抜きにされ、黒木さんの腕の中で荒い息をついていた。
「神々の遊び」とか言ってたけど、あれはどう考えても「悪魔の所業」だった。
でも、悔しいけれど……最高だった。
「……黒木さん。あんた、すごすぎ」
「当然だ。我は一万年と二千年前から、愛を説いているからな」
彼女は真顔でそう言って、眼帯を付け直している。
その姿を見て、私はふと「可愛い」と思ってしまった。
この残念すぎる言動も、圧倒的なテクニックとのギャップだと思えば、むしろ愛おしい。
イタい。イタすぎる。でも、好きかもしれない。
「……ねえ、黒木さん。また、『契約』更新してもいいですか?」
「ククク……。貴様も物好きだな。よかろう、我が眷属(カノジョ)にしてやる」
こうして私は、イタすぎる後輩の「眷属」になった。
職場では相変わらず浮いている彼女だけど、私だけが知っている。
この「闇の住人」が、ベッドの上では誰よりも光り輝く、最強のテクニシャンであることを。
……あーあ、完全に沼ったわ、これ。
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