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プロローグ
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何気なく放った一言が、風船のように大きくふくらんで破裂する。
ずっと続いて欲しかった関係が終わるまでのカウントダウンを、俺は――亜食有誠は耳をふさぎ、体を縮こまらせながら待っていた。
「有誠となら付き合った後も楽しいだろうね」
静寂が耳に突き刺さったような感覚におそわれる。隣でにこにこと話していた相手が、突如氷と水が混じったグラスの中身を顔面に浴びせてきたくらいの衝撃である。最悪な冗談だった。おまえは俺を好きになんてならないくせに。
俺はすべてを放棄してこの場から走り去りたくなる衝動をこらえ、実晴の冗談に付き合ってやることにした。
「じゃあ付き合うか?」
テレビ画面を眺めていた目が俺の方を向く。色素の薄い瞳が、大きく開いていくのがスローモーションのように見えた。
これでちょっとは困ればいい。返答に困るなら真に受けるなよって笑ってやる。
どうせ叶わないんだから、この冗談のやり取りで告白まがいのことをするくらいは許してほしい。
数秒かもっと短い間か、動きを停止していた実晴はすぐに元の表情に戻って逡巡する素振りを見せた。
その姿に首をかしげる。何を考えることがあるんだ。さっさと流すか困って謝るかしてこの地獄のノリを終わらせろ。
その願いがとどいたのか実晴はうつむいていた顔を上げ、俺を見据えた。細められた目と弓なりになった唇に、思わず肩がびくりと震える。
「いいね、付き合おうか」
そう言うと実晴は残りひとくちとなったアイスのかけらを飲み込んだ。
ずっと続いて欲しかった関係が終わるまでのカウントダウンを、俺は――亜食有誠は耳をふさぎ、体を縮こまらせながら待っていた。
「有誠となら付き合った後も楽しいだろうね」
静寂が耳に突き刺さったような感覚におそわれる。隣でにこにこと話していた相手が、突如氷と水が混じったグラスの中身を顔面に浴びせてきたくらいの衝撃である。最悪な冗談だった。おまえは俺を好きになんてならないくせに。
俺はすべてを放棄してこの場から走り去りたくなる衝動をこらえ、実晴の冗談に付き合ってやることにした。
「じゃあ付き合うか?」
テレビ画面を眺めていた目が俺の方を向く。色素の薄い瞳が、大きく開いていくのがスローモーションのように見えた。
これでちょっとは困ればいい。返答に困るなら真に受けるなよって笑ってやる。
どうせ叶わないんだから、この冗談のやり取りで告白まがいのことをするくらいは許してほしい。
数秒かもっと短い間か、動きを停止していた実晴はすぐに元の表情に戻って逡巡する素振りを見せた。
その姿に首をかしげる。何を考えることがあるんだ。さっさと流すか困って謝るかしてこの地獄のノリを終わらせろ。
その願いがとどいたのか実晴はうつむいていた顔を上げ、俺を見据えた。細められた目と弓なりになった唇に、思わず肩がびくりと震える。
「いいね、付き合おうか」
そう言うと実晴は残りひとくちとなったアイスのかけらを飲み込んだ。
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