貴方がそう仰るなら私は…

星月 舞夜

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前編

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「皆の者よく聞け!私 ルイ・ラルク・アイリスは
    伯爵ネモ・ローズと婚約を破棄する!」

それは突然に告げられた言葉だった…

いや、前から薄々ときずいていた…
でも、それを信じたくなかった。
 

 今宵は学園の卒業パーティーを行っている真っ最中だった。なのに王太子はそれをわかった上で婚約破棄を言っているのだろうか。

「なぜ婚約を破棄しなければならないのですか?」

「ふん…貴様は自分が何をしたのか分からないのか!   実の妹をいじめて楽しかったか?」

それはを聞いて私は、なにか妹にそんなことをしただろうかと考えた。でも、答えは出なかった。

「ルイ様、私は妹を虐めたことなど1度もありません!」

「嘘をつくな!王族の前で嘘をつくなど相当もの知らずのようだな。貴様が妹をいじめていた証拠などあるわ!それでも貴様は、というのか!」

 (これはもう引かないようね……私はあなたにとって邪魔でしたか?)

「わかりました。婚約破棄を受け入れます。」

「ようやく分かってくれたか。全く。お前いなくなれば俺は幸せになれる。」

私は最後の言葉を聞いた瞬間頭が真っ白になった。
(みんなが私を嘲笑っている。あぁ……私はそんなにも必要のない人間だったのね。私はこの世界にいてはいけないのね。
なら私は……)


 そしてどうやって屋敷に戻ったのかわからなかったが気づいたら私は自分のベットの上でうずまっていた。

「こんな世界に私のような人がいては行けないのね。家族のみんなからもいらないと言われてしまったわ。なら私がとる方法1つ下ないようね……」

そうして私は自分の机の引き出しに置いてある非常時ようにある毒薬を飲んだ……






あぁ……これでみんな少しは喜んでくれるかしら

さようなら、お父様お母さま 

さようなら、ネア

さようなら、ルイ様

あぁ、でも最後にあの人に会いたかったな
唯一私に優しくしてくれた人ーーに。
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