君の足

神通百力

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君の足

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 君ってさ、いつも足に毛布を掛けているよね。
 ずっと床に寝そべったままで動かないよね。

 ちゃんと毛布を掛けられていない点が気になるんだよね。
 毛布が沈んでいる感じがするんだよね。

 足が見えていない点も気になっているんだよね。
 せめて足の指くらいは見せてほしいんだけどね。

 僕は見えすぎているって? 確かに僕は見えすぎてすぐに中身が分かってしまうからね。まあ、中身だけで外側がないんだけどね。

 それに体が硬いだって? それは仕方がないよ。僕の魅力であり、特徴なんだからね。まあ、体というよりは骨だけどね。
 
 次のデートの時には毛布は掛けないでほしいな。どうしてかというと君の足を覚えていないからだよ。毛布を掛けている君ばかり見ているからね。

 毛布がなければ君の足がどんなだったかすぐに分かるからね。
 何を怒っているんだい? 愛しているのかだって? もちろん僕は君を心底愛しているよ。

 足を覚えていないのにだって?
 だから、君の足を思い出すために、次のデートの時は毛布を掛けないでほしいんだよね。

 今からもう一度デートしようだって? うん、いいよ。
 それじゃ、毛布は取ってくれるかい?

 ああ、そんな足をしていたね。
 すっかり忘れていたよ。

 やっぱり君はそっちの方がステキだね。
 

 ねぇ、僕の愛しいテケテケさん。

 ――ええ、私の愛するがしゃどくろさん。
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