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飛行機ハイジャック事件パターン2
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今日は×月×日の土曜日である。
気晴らしにと飛行機に乗って旅行へ出かけることにした。
準備をして家を出た。
数十分ほどで空港へ着いた。
飛行機が出発するまで私は本――もとい辞書を読むことにした。ふむふむ、勉強になりますな。心が和みますな。
飛行機の出発時間になったので私は立ち上がった。
さてさて、どんな旅行になることやら。
☆☆
遡ること数十分前。
「いいかお前ら、今日は大事な日だ。そう運命に抗う勇者と魔王の如く、本当は対立するのはいやでいやで仕方ないのに、でも対立しなければ物語が進まないから、しょうがなく対立しているぐらいに大事な日だ!」
勇者と魔王に感情移入していると思われる人物――もとい女が興奮しながら言った。
「飛行機をハイジャックして、乗客を私の奴隷にするのだ! 飛行機が到着したようだ。お前ら乗るぞ!」
女とその仲間が飛行機に乗り込んだ。
☆☆
どうやらこの飛行機の座席には小型テレビがついているようだ。
そして乗客乗務員がなぜか水着姿である。水着コンテストでもあるのだろうか? 機内で?
☆☆
さて、そろそろ始めるか。見守ってて。私の中の勇者と魔王。近くにいた部下に目で合図し、私は立ち上がると同時に、
「お前ら、そこを動くな! 喋るな! 私はハイジャック犯のリーダーだ」
☆☆
突如大勢の女たちが立ち上がり、そのうちの一人が、
「お前ら、そこを動くな! 喋るな! 私はハイジャック犯のリーダーだ」
と告げた。
どうやらハイジャック犯のようだ。
さて私は本――もとい辞書を読むことにした。
「うぬ、そこのお前」
ハイジャック犯のリーダーが私に指を向けてきた。
「私ですか?」
「そうだ、お前何を読んでいるんだ? 私にも読ませてくれ」
「辞書です」
「辞書?! 辞書読んでんの? 小説じゃねぇの?」
「違いますよ、辞書っていいんですよね。勉強になります」
「ついていけねぇな」
「頭悪いからですよ」
「何だと?! お前許さん!」
懐から何かを取り出した。スーパーボールだった。
……何で? スーパーボールで何する気? 何がしたいのか分からない。
「お前から奴隷にする」
奴隷にするのが目的のようだ。目を横にやると、他のハイジャック犯たちもスーパーボールを持っていた。奴隷にするのが目的というのは分かったが、何でスーパーボールなんだろう? 脅しにすらならない。
「そこまでよ、ハイジャック犯たち!」
声のした方をみると、水着を着た客室乗務員たちが仁王立ちしていた。
「お前たちに何が出来ると?」
「フンッ、これは仮の姿! 私たちは機動隊よ!」
「機動隊だと?! 何で水着姿なんだ?!」
「そんなの決まっているじゃない! 暑いからよ」
「いくら暑いからって……」
「うるさいわね」
「ジャマするなよな。奴隷にするんだから」
「奴隷……いい響き。私たちも協力するわ」
「いいのか?!」
「えぇ」
何でだよ!! 助けに来てくれたんじゃないの?
機動隊とハイジャック犯たちの乗客を奴隷にする計画が幕を開ける。私たち乗客はめでたく奴隷となった。
……どうしてこうなった……?
気晴らしにと飛行機に乗って旅行へ出かけることにした。
準備をして家を出た。
数十分ほどで空港へ着いた。
飛行機が出発するまで私は本――もとい辞書を読むことにした。ふむふむ、勉強になりますな。心が和みますな。
飛行機の出発時間になったので私は立ち上がった。
さてさて、どんな旅行になることやら。
☆☆
遡ること数十分前。
「いいかお前ら、今日は大事な日だ。そう運命に抗う勇者と魔王の如く、本当は対立するのはいやでいやで仕方ないのに、でも対立しなければ物語が進まないから、しょうがなく対立しているぐらいに大事な日だ!」
勇者と魔王に感情移入していると思われる人物――もとい女が興奮しながら言った。
「飛行機をハイジャックして、乗客を私の奴隷にするのだ! 飛行機が到着したようだ。お前ら乗るぞ!」
女とその仲間が飛行機に乗り込んだ。
☆☆
どうやらこの飛行機の座席には小型テレビがついているようだ。
そして乗客乗務員がなぜか水着姿である。水着コンテストでもあるのだろうか? 機内で?
☆☆
さて、そろそろ始めるか。見守ってて。私の中の勇者と魔王。近くにいた部下に目で合図し、私は立ち上がると同時に、
「お前ら、そこを動くな! 喋るな! 私はハイジャック犯のリーダーだ」
☆☆
突如大勢の女たちが立ち上がり、そのうちの一人が、
「お前ら、そこを動くな! 喋るな! 私はハイジャック犯のリーダーだ」
と告げた。
どうやらハイジャック犯のようだ。
さて私は本――もとい辞書を読むことにした。
「うぬ、そこのお前」
ハイジャック犯のリーダーが私に指を向けてきた。
「私ですか?」
「そうだ、お前何を読んでいるんだ? 私にも読ませてくれ」
「辞書です」
「辞書?! 辞書読んでんの? 小説じゃねぇの?」
「違いますよ、辞書っていいんですよね。勉強になります」
「ついていけねぇな」
「頭悪いからですよ」
「何だと?! お前許さん!」
懐から何かを取り出した。スーパーボールだった。
……何で? スーパーボールで何する気? 何がしたいのか分からない。
「お前から奴隷にする」
奴隷にするのが目的のようだ。目を横にやると、他のハイジャック犯たちもスーパーボールを持っていた。奴隷にするのが目的というのは分かったが、何でスーパーボールなんだろう? 脅しにすらならない。
「そこまでよ、ハイジャック犯たち!」
声のした方をみると、水着を着た客室乗務員たちが仁王立ちしていた。
「お前たちに何が出来ると?」
「フンッ、これは仮の姿! 私たちは機動隊よ!」
「機動隊だと?! 何で水着姿なんだ?!」
「そんなの決まっているじゃない! 暑いからよ」
「いくら暑いからって……」
「うるさいわね」
「ジャマするなよな。奴隷にするんだから」
「奴隷……いい響き。私たちも協力するわ」
「いいのか?!」
「えぇ」
何でだよ!! 助けに来てくれたんじゃないの?
機動隊とハイジャック犯たちの乗客を奴隷にする計画が幕を開ける。私たち乗客はめでたく奴隷となった。
……どうしてこうなった……?
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