黒き死神が笑う日

神通百力

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ある人たちのセリフ

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「誓ってやるよ。正々堂々と戦うことをな!」 
 一人の男子が棒を持って呟いた。 


「諦めない。ここで諦めたら死んだ師匠(妄想の)に顔向けできないよ」 
 一人の女子は悲しげな声で呟きながら、手を上下に振りにこにこしながら走る(高い確率で悲しんでない。それの逆で楽しげである) 。 


「ここは死んでも食い止める! たとえ肉体が朽ちようとも! お前たちは大将を狙え! ……後でな」 
 一人の男子は叫び、四人一組で相手に立ち向かう。 


「血気盛んな奴が多すぎる……イヤだね」 
 一人の男子が首をすくめる。 


「俺は遂に高みに立ったのだ!」 
 一人の男子は高らかに笑いながら、両手を横に伸ばす。 


「てめえら、準備はいいか。いくぞ!」 
 一人の男子が両手を後ろに組んで、足を左右に広げる。 


「見ろよ。イスが円陣を組んでるように見えるぜ」 
 一人の男子は遠くの地面を眺めながら、呟く。 


「これより、閉会式を行なう。歯を食いしばれ! 最後まで地に足をつけろ!」 
 一人の男は皆を見回しながら叫ぶ。 


「これにて体育祭は終わりだ。いいか、このイベントを忘れるな。心の中に刻み付けておけ。後になって、あの時はイヤでイヤで仕方なかったけど、今になって思えばいい経験だったな、と思うときが来る……多分」 
 一人の男は無表情で呟く。 
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