黒き死神が笑う日

神通百力

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壁紙

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 私は壁に埋め込まれたタッチパネルを操作し、銀河を選択した。すると花柄模様の壁紙が瞬く間に銀河に切り変わった。タッチパネルには数百種類の壁紙が用意されている。その中から好みの壁紙を選択することで、簡単に模様を変えることができる。壁はスクリーンのような役割を果たしており、模様を反映させている。それ故に手軽に壁紙を変えられるのだ。
 私は部屋を見まわした。あまりのクオリティの高さに、本当に宇宙空間にいるかのような錯覚に陥った。壁紙の神秘的な美しさに見惚れていると、雷が落ちる音がした。その瞬間、タッチパネルがショートし、壁紙が白に切り替わった。近くに雷が落ちてタッチパネルの電線に流れ込んだのかもしれない。
 私はため息をつくと、修理屋に電話を掛けた。修理屋は『先ほどの雷で修理の依頼が殺到しております。そちらに伺うのは数日後になりますが、よろしいでしょうか?』と言ってきた。仕方なく了承すると、電話を切った。

 ――しばらくは壁紙を楽しめそうにない。
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