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モブ男の死

モブ男の事故

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[2日前]
 〈ピーポーピーポー...〉
「聞こえますか!?聞こえますか!?」
.........
「隊長!ダメです。今すぐに措置を!」
「あ、ああ。」



「ピー、ピー、ピー、...」


[1日前]
「う..う..ん..」

「先生!意識が戻りました!」

〈バサっ〉

「え?!」

「そ、そんな急に起きあがっちゃ...」
「自分の名前はわかりますか?」


「う...うーん...。 すみません。ちょっとわからないです...。」

「あなたは謝らなくていいんですよ。
まず、助かった事自体が奇跡のようなものですから。」

「そ、その... 何が、あったんです、か?」

「あなたは昨日、交通事故に遭ったんです。
どこまで覚えてらっしゃるかはわかりませんが、目撃した人によると...
突然倒れてしまった所に気づかなかった、車2台に撥ねられたんです。」

「そ、う、なん、です、か...。」
「あっ、辛ければ横になって頂いて大丈夫です。
余り無理をすると、いつ容体が急変するか、わからないので。」

「で、あなたが倒れた原因は、ストレスと貧血でした。正直、いつまで持つかわかりません。」

「あ、あの...。どうしても会いたい人がいるんです。」

「何か思い出したんですか?
他の事も思い出すいいきっかけになると思いますので、お連れします。」

「いえ、大丈夫、です。歩けるので...」

「最後にひとつだけお伝えしないといけませんでしたね。
手足共に、骨折や傷、出血が酷いので、自力で歩く事は控えて下さい。」


「は...い...」



[3時間後]

〈ピー、ピー、ピー、ピー...〉

「大丈夫ですか!?聞こえますか!?...

ダメだ。残念ですが、起きる事は無いかと...」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「う...う...。ここはどこだろう...」






「うわぁっ!!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

光と共にモブ男は消えた。







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